主に視力、眼圧、眼底検査をします。

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視力

検査の内容
視力は通常裸眼もしくは眼鏡、コンタクトレンズをつけて測定します。
検査でわかること
以下のことがわかります。
基準範囲 要注意 異常
1.0以上 0.7-0.9 0.6以下
検査の注意
老眼の判定はできません。眼鏡は普段お使いのものをお持ちください。

眼圧

検査の内容
直接目に触れることなく空気を吹きつけて測定します。
まばたきすると眼圧が高く測定されますので、緊張しないようにします。
検査前日の注意
コンタクトレンズは検査の際、はずしていただきますので、使い捨てコンタクトを使用されている方は予備をお持ちになるとよいでしょう。
検査でわかること
眼球の中は房水という液体によって圧力が保たれており、これを眼圧といいます。
眼圧が高い場合は高眼圧症、または緑内障の疑いがあります。
緑内障は成人での失明の原因第2位ですので、眼圧が高い場合は精密検査の必要があります。

眼底検査

検査の内容
目の奥の状態を調べる検査です。通常眼底写真にて検査します。
当日の注意
受診する施設により、眼底をよく見るために瞳を開く(散瞳)点眼をして、眼底を観察することがあります。散瞳すると薬の作用でしばらくの間(4~5時間程度)、まぶしい状態が続くので車の運転は控えてください。詳細は各施設へお問い合わせください。
検査でわかること
動脈硬化の程度、高血圧、糖尿病による眼の合併症や緑内障・白内障の有無などを調べます。

次のような所見があります。(アイウ順)

加齢黄斑変性
(かれいおうはんへんせい)
網膜の中心で物を見るのに大切な細胞が集中する黄斑部が、じわじわと障害されて視力障害を生じる病気です。
加齢黄斑変性前駆病変(ドルーゼン,網膜色素上皮の異常)
(かれいおうはんへんせいぜんくびょうへん)
網膜の視細胞が産生する老廃物が、上手く処理されないで蓄積された状態です。加齢黄斑変性の前段階とされています。
近視性黄斑症
(きんしせいおうはんしょう)
強度近視により眼球の壁が引き伸ばされた状態で、黄斑部の網膜に すきまができたり、はがれたりして視力が低下します。
硬性白斑
(こうせいはくはん)
糖尿病や高血圧などが原因で、網膜の血管から蛋白質や脂肪が漏れてできる境界鮮明な白い斑点です。
その他の視神経乳頭異常
(ししんけいにゅうとういじょう)
緑内障性乳頭変化や視神経乳頭浮腫・うっ血乳頭以外に要精査が推奨される異常所見です。
視神経乳頭陥凹の拡大
(ししんけいにゅうとうかんおうのかくだい)
網膜の神経線維が減少すると視神経乳頭の凹が通常よりも大きくなります。緑内障を疑う重要な所見です。
視神経乳頭出血
(ししんけいにゅうとうしゅっけつ)
視神経乳頭部の出血です。正常でも見られますが緑内障(特に正常眼圧緑内障)で頻度が高い異常所見です。
視神経乳頭浮腫・うっ血乳頭
(ししんけいにゅうとうふしゅ・うっけつにゅうとう)
視神経乳頭の充血や腫れを意味し、ぶどう膜炎や視神経炎などの炎症性疾患や脳内の疾患の可能性があります。
硝子体混濁
(しょうしたいこんだく)
硝子体ににごりが生じています。放置してよいものと治療が必要なものがあります。
新生物
(しんせいぶつ)
眼の中にできたできもの(腫瘤、腫瘍)です。
その他の黄斑部異常
(そのたのおうはんぶいじょう)
上記以外に黄斑部に生じる異常所見です。
軟性白斑
(なんせいはくはん)
糖尿病や高血圧などが原因で、網膜の細い血管(毛細血管)が詰まり虚血状態になった時にみられます。境界不鮮明な白い斑点で綿花状白斑とも言います。
白内障等の疑い 水晶体(目のレンズ)がにごり、視力障害やかすみ目が生じます。
判読不能 瞳の大きさが小さいためや、白内障や硝子体混濁の影響で、眼底写真がきれいに写らないため正確な判定ができない状態です。
毛細血管瘤
(もうさいけっかんりゅう)
糖尿病などが原因で、網膜の毛細血管が障害されてできる瘤です。
網膜出血(点状、しみ状)
(もうまくしゅっけつ)
糖尿病などが原因で、網膜の毛細血管が障害されてできる小出血です。
網膜静脈分枝閉塞症
(もうまくじょうみゃくぶんしへいそくしょう)
網膜の静脈が閉塞して障害を起こす網脈静脈閉塞症の中で、静脈の枝の部分が閉塞した場合を「網膜静脈分枝閉塞症」と呼びます。
網膜神経線維層欠損
(もうまくしんけいせんいそうけっそん)
網膜の最も内側にある神経線維の欠損で、緑内障を疑う重要な所見の一つです。緑内障以外に古い眼底出血後などでもみられます。
網膜中心静脈閉塞症
(もうまくちゅうしんじょうみゃくへいそくしょう)
網膜の静脈が閉塞して障害を起こす網脈静脈閉塞症の中で、視神経乳頭部で静脈の根元が閉塞した場合を「網膜中心静脈閉塞症」と呼びます。
網膜中心動脈閉塞症
(もうまくちゅうしんどうみゃくへいそくしょう)
網膜中心動脈が詰まって血液が流れなくなり、突然の急激な視力障害が生じます。
網膜前(上)膜
(もうまくぜん(じょう)まく)
黄斑部を中心に形成される膜状物をいいます。視力障害が強い場合は硝子体手術をします。
網脈絡膜色素斑
(もうみゃくらくまくしきそはん)
網膜色素上皮が障害されると色素の脱失と沈着が起こり、白と黒の色素斑ができます。
網脈絡膜変性・萎縮
(もうみゃくらくまくへんせい・いしゅく)
網膜と脈絡膜に変性・萎縮がみられます。加齢や近視、遺伝によるもので、放置してよいものと治療の必要なものがあります。
有髄神経線維
(ゆうずいしんけいせんい)
網膜の神経線維は鞘を被っていませんが、生まれつき鞘を被った状態で白いブラシの刷毛のように見える所見です。
緑内障性乳頭変化の疑い
(りょくないしょうせいにゅうとうへんか)
緑内障を発症すると眼底の中央より鼻側に位置する視神経乳頭(視神経の眼球側の端)に陥凹や萎縮、出血などの変化が生じます。
レーザー治療後 以前に糖尿病網膜症や網膜出血などに対してレーザー光凝固を行った所見があります。