日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人北斗会 宇都宮東病院 健診センター

総合評価

 医療法人北斗会 宇都宮東病院健診センターは、平成20年に人間ドックを開始した病院併設型の健診施設である。健診センターは別棟で、1階の糖尿病センターとともに独立した建物として運営されている。独立棟内は、7階がドック専用受付、6階がドック専用検査フロアであり、その他にメディカルフィットネスや健康食レストラン、放射線フロアが配置されている。2階のCTやMRI、内視鏡検査は病院の外来と共有となっている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約4,900人、(継続受診率77.9%)、その他の健診が約15,000人である。本機能評価は、今回が初回審査である。
 「施設運営の基本体制」の面では、健診センター独自で理念や基本方針等が明文化されており、法人として積極的に職場環境整備にも取り組み、ハラスメント対策や女性スタッフのための付属保育園の設置などがなされている。中長期計画と年度事業計画は法人として作成され、職員に周知されている。病院・健診センターを含む施設全体でプライバシーマークの認定を受けており、個人情報の管理や教育など、準じた運営を行っている。各種規定や必要な委員会は病院との連携により構築され、組織運営に関する会議も良好であるが、経営実態の職員周知方法やマニュアルの更新記録などに工夫を望みたい。併設の保育園では地域の児童も受け入れ、地域貢献を果たしている。
 「受診者の満足と安心」の面では、館内は清掃が行き届き、絵画や観葉植物が配置されており、適正に配置されたコーディネーターが誘導するなど快適な受診環境と円滑な検査の進行に配慮されている。しかし、検査室のプライバシー確保に向けた整備等、改善が必要な点もある。業務改善の仕組みについては、アンケートからの各改善事例等、積極的な取り組みがなされている。
 「健診の質の確保」の面では、人間ドック健診専門医が結果説明等を実施し、その他の専門医も適切に配置されている。結果説明は多くの項目を説明しており良好で、実施率は95.2%と高く、また、当日に紹介状を発行する体制が構築されている事は高く評価できる。保健指導については、保健師や管理栄養士が質問に対応するなど関与が見られるが、今回の受審を機に体制の構築中である。フォローアップも含めて整備が図られており、今後の積極的な改善と、継続的な運用を求めたい。日本人間ドック学会の調査研究への参加や学会発表は定期的に行われており、適切である。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針、受診者の権利は待合やホームページ等に掲示され、それに基づいた対応もなされている。法人の運営規定や就業規則等が整備されており、職業倫理については、倫理委員会にセンター長が参加し、相談窓口は病院である。
 長期計画や年度事業計画等は法人全体で作成され、健診センターは病院の一部門として記載されている。作成にあたってはセンター会議で検討し、経営推進会議の承認を得たうえで実行されている。策定プロセスは評価できるが、職員への周知も含め更なる取り組みを期待したい。
 病院組織図と職員一覧表、委員会名簿が作成されており、定期的に見直されている。財務処理については、健診システムと医事会計システムが連携しており、担当者が明確にされている。内部牽制が機能した健診料金の管理や会計処理がなされ、経営推進会議で報告されている。窓口業務はローテーションだが、内部牽制の観点からも、重要な業務においては業務者の任命も検討されると良い。
 情報システム管理については、マニュアルが整備され、採用時研修等でも周知されており評価できる。パスワードの設定など、個人情報管理がなされている。
 委託業務については、法人の規定に則り業者を選定し、年度ごとに見直しがなされているが、評価体系がなく評価基準の整備を望む。薬剤や診療材料は院内の管理台帳で管理しており、発注と検収は適切であるが、検収の内部牽制の観点からも管理台帳を相互チェックする体制の工夫が望まれる。
 安全衛生管理については、毎月衛生委員会が開催され、職員の健康診断や防災訓練を定期的に実施している。感染性廃棄物はバイオハザードマークを表示して施錠保管しており、委託業者により処理されている。
 企業や健保との契約は毎年内容を確認して締結している。地域や企業に出向いて栄養講和やセミナーの開催、管理栄養士監修の健康食の試食会やメディカルフィットネスの広報など、積極的に発信している。今後は、人間ドックや健康に関するデータ集計の情報の提供方法についても検討を望む。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮については、人間ドックは月曜から土曜日に実施され、当日のオプション追加も可能である。乳がん・子宮がん検査は毎日実施され、月1回のレディースデイ、10月には年1回の日曜乳がん検診を行っている。受診案内は分かり易いものが用意されている。
 受付は時間差を設け、3列でスムーズに行われている。アレルギー歴や既往歴は共有されている。各検査室の担当者名の表示は一部不明確で、責任の明確化を望む。
 受診環境については、フロアは広く待合の席数は十分であり、ドックラウンジからの眺望も良く、ゆったりと受診できる。更衣室は男女共にパウダールームが併設され、車いすや介助が必要な受診者には専用更衣室も用意されている。検査後はドック専用の食事場所で、管理栄養士が関与した地産地消を心掛けた食事が提供されている。人間ドック受診者は併設のフィットネスが利用でき、健康運動指導士が質問に対応するなど、運動習慣への関心を高める働きかけがなされている。
 プライバシーの確保に関しては、呼び出しは番号で行われている。診察、問診、心電図、超音波検査は個室化されているが、血圧、採血、視力、眼圧検査は間仕切りが不十分なため改善を望む。検査結果の問い合わせへの回答は、規定により電話では行わず、来院での医師または保健師からの説明になる。
 検査の管理体制については、始業前に内部精度管理が行われ、外部精度管理サーベイにも複数参加しており適切である。検査機器の点検はマニュアルに沿って実施されているが、トラブル発生時対応では受診者対応までのフローが求められる。
 業務改善に関しては、接遇や施設環境、待ち時間、プライバシー等についてのアンケート調査が常時行われ、回収率は90%を超えている。健診担当者会議で検討され、改善事例も多数あり、業務改善に取り組む姿勢は高く評価できる。
 セーフティーマネージメントは、病院と一体で医療安全管理室が設置され、インシデント・アクシデント報告に対応している。健診に関する報告は、センターでもファイリングしており適切である。感染管理もマニュアルに基づき対応し、職員へのインフルエンザの予防注射やB型肝炎ワクチン接種も適切に行われている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、施設規模に対して医師や看護職、技師、事務員の人数は適切であるが、保健指導への保健看護職の関与が更に増えると良い。資格は、人間ドック健診専門医やドック認定医、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師、胃がん検診専門技師などを有している。
 職員教育は、年間スケジュールを立てて接遇や安全管理、プライバシーなど人間ドック学会が求める項目を含め行っている。職種毎の専門領域でも、参加旅費規程に基づき学会や研修会などに参加できるしくみがある。
 基本検査とオプション検査項目は人間ドック学会に準拠しており、今回の受審を機に呼吸機能検査の%1秒量も追加され適切である。任意検査は定期的に見直され、最近では36項目のアレルギー検査や、脳梗塞・心筋梗塞のリスク検査であるロックスインデックスが導入された。画像検査はダブルチェック体制であり、判定基準は人間ドック学会基準と一致している。検査結果表は過去分を含めて3回分が表示され適切である。
 健診当日の結果説明は、医師が3並列で5~10分かけて、計測や検体検査、生理機能、眼底検査、胸部X線、上部消化管X線・内視鏡、腹部超音波検査について行われている。説明実施率や当日の紹介状発行体制は評価したい。
 保健指導については、現在実績がないが、保健師が常勤専任で4名おり、運用を工夫し確実な実施を望む。栄養指導は食事場所で、受診者の希望により管理栄養士に質問できる体制がある。
 受診後のフォローアップについては、結果報告書に紹介状を同封しているが、精密検査や追跡検査の未受診者に対する受診勧奨はなされておらず、フォロー責任者の擁立と合わせて早急な体制づくりを望む。病診連携に関しては、健診センター独自の紹介先医療機関リストの作成も検討されたい。紹介状の返書はファイリングし、電子カルテに取り込み、次回受診時などに活用している。
 健診の有用性の検討については、人間ドック学会の調査研究に参加し、過去3年で人間ドック学会での発表が3回と論文2題があり評価でき、今後も積極的な取り組みを期待したい。

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