日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人メディカル春日会 革嶋クリニック 

総合評価

 革嶋クリニックは平成5年に設立され、人間ドックをはじめとした各種健診を中心に行っている。平成28年より、施設はJR大阪駅から徒歩5分のオフィス街に移転し、アクセスは良い。二日ドックの宿泊も大阪駅近くのホテルが準備されている。テナントビル2Fにある健診フロアは、コンパクトながら各検査室が効率の良い配置となっていて、主に午前中に人間ドック健診、午後からは診療を行っている。
 年間の受診者数は一日ドックが約780(、二日ドックが約50人(継続受診率89.6%)。その他の健診が約4,600人である。本機能評価は今回が初めての受審である。
 「施設運営のための基本的体制」については、施設長を中心にして小規模ながら適切な運営体制が構築されているが、今後のさらなる充実と発展に向けては、運営方針の明確化とあわせて計画的な運営への取り組みを期待したい。
 管理体制は概ね適切であるが、感染性廃棄物の一時保管や処理の方法については、マニュアルの整備を含めさらなる検討が必要である。
 「受診者の満足と安心」については、人間ドック受診者が1日2~3人と少ないため、各受診者に対してきめ細かな対応がなされていると判断するが、今後は受診者の声や要望を把握できる仕組み作りについて検討されたい。
 感染管理では、採血後の検体の取り扱い方法と採血針などの感染性廃棄物の処理方法についての、改善にむけた検討が必要である。
 「健診の質の確保」については、ほぼ全員の受診者に結果説明が行われている事は、その充実した内容も含めて高く評価できる。また、近隣の医療機関との連携も良好で、紹介状の返信率も高い水準である。今後は保健指導の充実に向けた取り組みを期待したい。
 医師を中心としてスタッフ間の連携がよく図られているが、総じて記録や統計作成が不十分である。本年中に健診システムの更新が予定されており、業務の改善が大きく進むことが期待されるので、これを契機に様々な整備が前進することを望む。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は明文化され、院内掲示やホームページへの掲載により周知されている。職業倫理については就業規則内に該当事項があるが、今後は委員会や相談窓口の設置を含めた対応のしくみを検討されたい。受診者の権利は明文化され、結果の問い合わせや画像の貸し出しなどの具体的な方策が立てられているが、その周知は十分ではないので、掲示等の取り組みを期待する。
 施設の運営については、財務諸表をはじめ中期計画から月次試算表に至るまで、ほとんどの資料の作成と管理が外部の会計事務所主体で行われている。密な連携は取れているものの、主体性にやや欠ける印象を受けるので、数値管理等に対してもさらなる積極的な姿勢が望まれる。
 組織図はあるものの、更新日付の管理も含め、責任体制や職務内容の一層の明確化が必要である。ただし、小規模施設であり、実態としては院長がすべての部署に関与して直接の指示を行っていることから、実務上は適切な組織管理が行われていると判断する。月1回の管理会議には各部署の代表に加え、施設長も出席している。料金の収受は、マニュアルに基づいてダブルチェックで行われているが、記録がなく、責任体制も含めた業務の再確認が必要である。会計処理は会計事務所で行っており、施設には会計資料の保管がなく、今後の検討課題である。
 健診システムと画像システムが構築されているが、院内の担当者は明確でなく、外部の業者が主体で管理が行われている。端末へのアクセスは、個人ごとのIDとパスワードで管理されているが、サーバーは受付カウンター下にあり、入退出管理はない。緊急時の対応方法については、マニュアルの作成が必要である。
 委託業務の契約は適正に交わされているが、業者の見直しや選定の基準はなく、評価方法も曖昧なので今後の課題である。薬剤および診療材料は適正在庫量が定められ、週に1回在庫管理を行っており、発注と検収は適切である。
 安全衛生管理体制については、委員会が定期的に開催されている。職員健診が実施され、ビルの消火訓練や避難訓練への参加も含め適切で、記録も残されている。感染性廃棄物は施設内に保管庫がないため、業者が回収するまでの一時保管場所やハザードマークの表示については、さらに整備と検討が必要である。
 企業健保の契約は適切で、広報誌や年報は作成されていないが、情報提供の場としてホームページにQ&A等が掲載されている。

2.受診者の満足と安心

 利便性については、月2回のレディースデイを設けており、スタッフもほとんどが女性であり、女性受診者に配慮されている。
 受付対応マニュアルや検査の案内マニュアルは作成されている。フロアはコンパクトで、受診者の動きが一目で確認でき、スタッフが受診者に即座に対応することができる。受診者の既往歴やアレルギー歴などはカルテに記載されており、毎日の朝礼時にスタッフ間で共有されている。
 施設環境では、ビル2階のフロアは廊下や待合が若干手狭ではあるが、清掃も行き届いており、窮屈な印象は受けない。食事は近隣の食堂で提供され、メニューは1種類のみで栄養士の関与はない。ビル全体が禁煙となっており、禁煙は徹底されている。
 プライバシーに関しては、呼び出しは名前で行われ、検査室や指導室は個室となっており、一部身体計測や視力、眼底、眼圧などがオープンスペースであるが、間仕切りで仕切られている。しかし、採血後のスピッツが受診者から見えるようになっているため、今後の改善が必要である。
 検体検査は外部に委託されており、常勤の臨床検査技師が委託先との精度管理に携わっている。その他の検査の業務マニュアルは作成されており、日々の点検や定期点検が行われているが、実施記録が残されていない。トラブル発生時の対応マニュアルも不十分で、今後の改善が望まれる。
 業務改善については、1日の受診者は2~3人と少なく、直接受診者との意見交換がなされているが、その記録がない。今後、受診者の意見を把握して改善するしくみの構築が望まれる。
 セーフティマネージメントと感染対策については、マニュアルが作成され体制は確立されているが、採血針などの感染性廃棄物の処理に際し、針刺しのリスクのある箇所があり、改善が必要である。インフルエンザの予防接種はスタッフ全員に実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフの体制については、施設長が人間ドック健診専門医の他、多数の専門医資格を取得しており、その他にも各種専門医が従事している。保健師の配置はないが、その他の医療職はそれぞれ1名ずつ常勤で従事しており、実施規模から勘案すると体制は整っている。今後は人間ドックアドバイザーも含めた医療職の資格取得が進むことを期待する。事務職のスタッフ数も適切である。
 職員教育では、研修会や学会等に積極的に参加することが奨励されており、参加費用は全額支給されている。今後は年間計画の作成と出張旅費の明文化が望まれる。施設長は多くの学会に積極的に参加して、スタッフに対して伝達講習を行っている。医療職には心電図や放射線科医による読影カンファレンスなどの指導が定期的に行われ、事務職には接遇マナー研修が行われている。
 検査項目は、人間ドック学会が提示する基本検査項目とオプション項目が実施されている。画像は放射線科医を含む二重読影が行われており、心電図は循環器専門医が判定している。眼底写真は内科医が担当しているが、眼科医による判定に向けて準備中である。判定基準は、人間ドック学会の基準や区分と一部差異があるが、近々に予定されている健診システムの更新を機に、準拠するように調整中である。
 結果説明については、上部消化管X線検査と腹部超音波検査を医師が直接行っていることから内容も充実しており、受診者数も少ない事から丁寧な結果説明が行われていることは評価できる。保健指導については、保健師の配置がなく、結果説明時に医師が指導している。必要に応じて栄養士によるパンフレットの配布などの栄養指導はあるが、運動指導については専門資格を持つスタッフがいない。保健師の採用も含めて今後、専門職による指導体制の充実に期待する。
 健診結果に関する質問や相談はすべて医師が直接対応しており、対応の記録はその都度個人カルテに記載されているが、今後は、看護職でも対応可能となるようにQ&Aやマニュアル、さらに対応記録の作成が望まれる。
 精密検査や治療の必要な受診者には紹介状が発行され、適切な医療機関に紹介されている。返信率が100%の検査もあり、フォローアップの精度は非常に高い。がん発見を目的とした精密検査の指示率と実施率は共に適切である。一方、追跡検査が必要な受診者には、結果説明時に受診勧奨がされているが、結果の把握や追跡はできていない。自施設における追跡検査の実施も含め、体制確立が今後の課題である。
 健診の有用性の検討については、受診者統計の作成が十分でなく、年度ごとの比較などの分析検討も継続的にできていない。学会発表も含めた今後の積極的な取り組みに期待したい。

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