日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

学校法人 埼玉医科大学 埼玉医科大学病院健康管理センター

総合評価

 埼玉医科大学病院健康管理センターは埼玉医科大学病院の一部門であり、1997年に開設され、以来21年間一貫して地域住民の健康を守り、大学の立場からより質の高い予防医学に力を注いでいる。中でも画像のフィルムレスやペーパーレスなどを日本で初めて実現させた歴史を持つ。同センターは埼玉県西部に位置し、JR八高線毛呂駅から徒歩3分、大学構内にある丸木記念館の3階・4階フロアにて開設されている。
 年間受診者数は一日ドックが約5,600人、二日ドックが約90人(継続受診率87.0%)、その他の健診は約1,700人である。本機能評価は今回が新規の受審である。
 施設運営体制については、各規程類は大学病院と共通であり、事業計画と組織体制は確立している。管理体制はおおむね適切である。
 受診環境への配慮もなされ、適切に人間ドック健診が実施されているが、今後は婦人科健診等の実施枠増や、採血室の担当者の掲示、エコー検査室の間仕切り、内視鏡1次洗浄のシンクと洗浄機の位置が動線上、逆である点など、継続的な検討をお願いしたい。
 医師による結果説明体制については、当日のうちに全画像の評価を終了させ、受診者の面接時には診断医による画像説明がなされており、特筆できる優れた体制といえる。なお、健診判定区分は施設独自のものであり、眼底検査は現時点では比較読影体制ではないものの、2020年以降の次期システム更新の際、現在の課題解決が図られることが期待される。
 センター長を中心とした組織体制の下、改善活動が積極的になされており、大学病院との良好なチームワークなどは高く評価される。今回の受審を機に整備された体制や、新たな課題などに向け、今後のさらなる質向上を期待したい
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 就業規則や組織内規、倫理に関する人事委員会規程などの各規定類は、大学病院のものが適用されている。健康管理センターの理念と基本方針は独自に策定され、見直しも行われている。受診者の権利も概ね適切であるが、センター独自の研修の実践なども今後検討されるとよい。職業倫理については、ハラスメント防止規程が定められ、相談報告体制が示されている。個人情報保護規程についても適切である。長期計画に基づき策定された部門別計画では、人間ドックの予約待ちを計画時の6か月から2か月に短縮することを目標に、様々な取り組みが行われており評価できる。
 組織図は最新版であり、定期的に見直しがなされており、各業務の責任や権限は明確になっている。運営に関する決定事項については、月1回のスタッフ会議や週1回の全体会議にて周知され、グループウェアも活用されている。また、料金の収受および会計処理は適切である。
 情報管理では、健診システムと病院とのネットワーク化が今後の課題で、将来のシステム更新を見据え取り組んでいる。システム障害発生時の緊急連絡網が整備され、セキュリティ対策も適切になされている。
 委託業者は病院の基準に則って選定されているが、センターが独自で契約した業者の定期的な評価がなされていない。今後継続時の再評価の仕組みや委託従事者に対する教育等を検討されたい。薬剤および診療材料の管理体制は適切である。
 安全衛生管理では、産業医や衛生委員を選出し、病院として月1回の会議が開催され、院内巡視もされている。職員健診は100%の実施率で、年2回防災訓練が実施され、看護師は災害対応のシミュレーションも行っており、防災意識が高く評価できる。
 企業や健保組合との契約は適切で、地域住民に関しては市民公開講座を継続して実施している。

2.受診者の満足と安心

 人間ドック健診は、月曜日から土曜日まで実施している。週4回乳がんと子宮がんの検診が実施されているが、レディースデーの設定はない。女性受診者が4割と比較的多いので、実施日追加も将来的に検討されるとよいと思われる。
 時間差受付が行われ、着替え後に看護師が問診をとり、事務と看護師が案内係として誘導している。今回の受審を機に検査前、検査中のQ&Aマニュアルが作成され評価できる。アレルギー等の個人情報は現時点では紙カルテをまわしているが、2020年度以降に新規システムを導入予定である。担当者の表示は概ね適切である。
 施設環境では、室温や空調のコントロールが可能で、一定の基準が設定されており、記録も残されている。
 プライバシーに関しては、身体測定場所は固定のパーテーションで仕切られ、エコー検査はカーテンで仕切られている。血液検体は病院の検査室に運ばれている。検査結果に関しては、個人情報保護の観点から本人からの問い合わせのみに対応している。
 検体は病院の検査室で管理されており、内部および外部精度管理は適切である。検査機器の日常業務管理も、適切になされている。
 受診者の声は毎日アンケートにて収集され、回収率は9割と高率であり、業務改善に役立てられている点は評価できる。
 セーフティーマネージメントでは、病院の安全対策マニュアルが備えられており、インシデント・アクシデントレポートが報告されている。急変時の対応マニュアルはないが、救急カートが設置され、X線室では誤嚥対策が講じられている。

3.人間ドック健診の質の確保

 常勤の人間ドック認定医が4名在籍しており、受診者全員に診察と結果説明を行っており、医療職の体制は整っている。医師の資格証は一覧管理されている。事務職は受付や会計等をローテーションで行っている。管理栄養士は病院と兼務である。
 職員の教育体制については、大学病院全体としての教育計画が存在し、E-ラーニングなどを活用した体制がある。センターでは、接遇や倫理、権利、個人情報保護などに関する教育が、部門によっては未実施のところがあるため、参加者を一元管理する仕組みが構築されるとよりよい。専門的教育体制については、医師だけでなく検査技師や放射線技師の勉強会があり、症例検討会や報告会などが積極的に実施されており適切である。
 検査項目はドック学会の項目を実施している。判定基準は病院独自のA、B、C、D、DF、Gなどの判定区分を採用している。開設以来、画像診断はエコーをはじめ動画によるトリプルチェックである。眼底検査の精密検査率が高いが、平均年齢が高齢であることと、病院のドクターが病院で紙に印刷された画像のみで判断していることが理由であると考えられる。
 当日の医師による結果説明の実施率は100%で、保健師がほぼ全員に保健指導も行っている。スポーツ医は2名在籍しているが、運動指導には関与していない。
 精密検査が必要な受診者の中で、未受診者を3か月後に抽出し、手紙にて受診勧奨を行っている。精検実施率としては、平均で87%と高率であり評価できる。追跡検査が必要な受診者に関しては、当施設に再検査に来る人のみ把握が可能である。
 健診の精度や有用性の検討については、健診結果のまとめや学会活動、論文執筆が行われており適切である。

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