日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

社会医療法人社団更生会 村上記念病院 健診センター

総合評価

 村上記念病院は愛媛県東予地方西条市にあり、JR予讃線伊予西条駅より徒歩約5分に位置する。1946年に村上医院を開業し、1954年より病院に組織を変え、地域医療とともに歩んで来た。人間ドックに関しては1984年に病院併設型として開設している。
 年間の受診者数は一日ドックが約680人、二日ドックが数人(継続受診率80.4%)、その他の健診が約2,700人である。本機能評価は新規受審である。
 施設運営のための基本体制については、運営・診療管理会議を中心に、病院全体の計画の中で重要事項や運営方針が決定されている。今後は人間ドック健診部門のさらなる明確化を期待したい。
 情報システムや委託業務の管理体制は良好である。地域自治会と合同して定期的に防災避難訓練を実施しており、地域に根ざした取り組みとして特筆すべきことである。
 健診の流れについては、7階の健診フロアにて身体計測ののち、その他検査は1階の病院検査部門への移動となる。病院の外来部門と併用となるが、検査案内は受診者のファイルに分かりやすく表示され、配慮はなされていることが確認できた。また、今後は病院の増築工事も行う計画があり、ドック受診者の待合場所の確保がされるとのことで、今後の運用に期待したい。
 スタッフ体制は施設規模に対して適切である。職員教育は年間教育プログラムに沿って実施されており、体制は整えられている。検査項目は学会の基本検査項目とオプション項目が適切に実施されている。画像検査はダブルチェック体制であり、当日の結果説明は検査後診察と同時に全員に対して説明している。
 なお保健指導体制については確立した体制ではないとは言え、医師の指示のもとに保健師が結果に基づく資料の配布などを実施しているので、今後は保健指導体制のさらなる充実を期待したい。
 受診後の精密検査と追跡のフォローアップでは、当日の予約を勧めているが、カルテとの照合など受診を確認する方法を検討されたい。フォローアップを開始して間もないとのことであるが、今後さらなる努力を期待したい。精査実施率向上のための検討も必要と考える。便潜血検査の精密検査指示率については高値であるため、精度管理の観点から検証が必要と判断する。
 病院機能評価や脳ドック認定も受けており、基本的な体制は整えられていると考える。いくつかの改善点や推奨事項はあるが、学会の定める一定の評価基準は整えられており、総合的見地から認定に該当すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 病院の理念と方針は明文化され、健診部門の基本方針も策定されており、院内掲示とパンフレット・ホームページで周知されている。就業規則などの運営規定類は法人で作成され、職員への周知されている。職業倫理に関しては、委員会は定例化されていないが、規定に反する行為の案件はまだないとのことであった。病院とは別に、個人情報保護方針と受診者の権利と責務が作成されている。
 中期経営計画や事業計画は病院全体の中で作成され、年報として「事業報告書」を発行している。しかし、健診センター単独の決算ではなく、今後の質向上や健全経営を目指すために、健診部門として独立して取り組くむことを期待したい。
 病院と健診センターがそれぞれの組織図を作成しているが、健診センターの組織図にも業務分掌や責任分担の記載を望む。各種会議や委員会一覧表が作成され、月1回の経営幹部会議で運営上の重要事項を決定している。
 料金の収納は病院の会計窓口で行っているが、ドックシステムで会計確認と請求、領収書の発行を行っている。会計処理と報告は確実に行われている。
 ドック情報システムは健診センター内で事務職員が対応しており、トラブル対応マニュアルも確認でき評価できる。システムサーバーは別フロアにあり、業者を含め入退室を確実に記録し管理している。
 委託契約書は確実に管理されているが、業者選定基準や評価についてはさらに確実なものを策定することが望まれる。薬剤および診療材料は病院内で管理されており、健診部門で使用する下剤については、台帳管理し病院の在庫担当部へ発注するしくみである。
 安全衛生管理では、委員会による体制が確立しており、職員の健康管理として生活習慣病健診または法定健診を確実に実施している。防災対策については、大規模災害を想定して年1回、病院と2つの自治体による合同の避難訓練を約100名規模で実施しており、特筆されることとして評価したい。感染性等の廃棄物の処理は適切で、処理マニュアルやマニュフェスト、廃棄物処理リストも確実に管理されている。
 企業や健保との契約は適切で、各団体とは積極的な交流はうかがえないが、広報誌「ひだまり」を配布している。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、マンモグラフィーは女性技師が行っているが、子宮がん検診は曜日が限定的で女性医師の配置はない。事前送付の案内書や健康調査票はわかりやすいものである。
 受付手順を定めたマニュアルが作成され、検査開始時もマニュアルに従って説明されている。7階の健診フロアにて身体計測ののち、検査は1階の病院外来検査室で実施されている。各検査室では待ち時間に応じて健診スタッフと連絡を取り、受診者に対応しているが、一般外来患者と混在している点については引き続き配慮をお願いしたい。既往歴等の個人情報は電子カルテに記録されており、紙カルテの表紙にも記載してスタッフ間で共有されている。
 健診フロアは清潔で清掃が行き届いており、十分な広さがあり、食事もゆったりととれる環境である。食事は病院の栄養室より提供されており、メニューも肉と魚の2種類より選択可能である。病院は敷地内禁煙で、禁煙外来も設けられている。
 プライバシーに関しては、名前での呼び出しを希望しない受診者への対応も適切にされている。検査室や指導室は個室となっており、検体も人目につかないように配慮されている。
 検体検査は病院の検査室で実施しており、パニック値やトラブル発生時の対応も整備されている。内部および外部の精度管理体制は確立している。検査機器の管理体制は、病院でマニュアルが作成されており、トラブル発生時の対応も確立され、保守点検も適切に行われている。
 受診者の声の収集では、病院にご意見箱は設置されているが、健診フロアにはなく、アンケート調査は実施されていない。業務改善では、健診スタッフカンファレンスにて、受診者からの意見に対応してその都度業務改善が行われている。今後は定期的に継続的な活動になるよう体制の構築が望まれる。
 セーフティーマネージメントでは、委員会にてインシデント・アクシデントが検討されており、急変時対応の研修会も開催されている。感染対策については病院で取り組んでおり、マニュアルも整備され、職員への予防接種も実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制では、人間ドック健診専門医と人間ドック認定医が診察と結果説明を行っており、病院との兼務ではあるがその他の専門医や認定医が従事している。また、医療職では、人間ドックアドバイザーを有する保健師と非常勤看護師が専任で従事している。その他の医療職は病院との兼務であるが必要な専門資格は取得している。
 教育体制では、年間スケジュールに則り、病院全体で全職員に対して実施されている。また、学会や研修会に参加できる仕組みも確立されている。
 検査項目は日本人間ドック学会が提示する項目が実施されているが、見直しについては定期的に検討し、記録を残す仕組みを確立されたい。画像は二重読影されており、心電図と眼底写真は専門医が読影している。検査結果の判定基準は、日本人間ドック学会が策定する判定区分に概ね準拠している。
 当日の医師による結果説明は、診察時に全受診者に対してほとんどの項目について実施されている。保健指導については、結果説明時に医師による保健指導があり、さらに必要な受診者に対しては、保健師がパンフレットの提示などを行っている。今後はさらなる体制確立に向け、継続的な実施を期待したい。
 受診後のフォローアップについては、精密検査が必要な受診者に関して当日より外来受診の予約が可能であるが、実施率はマンモグラフィーを除いて50%未満と低い。今後は受診勧奨や該当者の把握、電子カルテを活用する等、体制の確立を望む。
 追跡検査が必要な受診者に対するフォローでは、今回の受審に際しマニュアルが作成され体制が構築されたが、開始して間もないため実績が伴っておらず、今後の体制の確立が望まれる。
 健診の精度や有用性については、病院年報にて活動実績が報告されている。人間ドック学会での発表もあり、関連学会への実績報告もなされている。

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