日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

地方独立行政法人 新小山市民病院予防医学センター

総合評価

 新小山市民病院は昭和21年に小山町に国民健康保険直営診療所として開設され、昭和57年から健診を開始し、平成28年の移転後は病院1階部分に予防医学センターとして専用スペースを確保している。心・血管系に力を入れており、血管系検査、MRI・MRA検査を行う脳ドックや心臓ドックが用意されている。
 年間の受診者数は一日ドックが約1,400人、二日ドックが約10人(継続受診率63.9%)、その他の健診は約2,500人である。人間ドック健診施設機能評価は、新規の受審である。
 施設運営のための基本体制については、独自の基本方針を定め、病院の中長期計画に沿ってセンター会議で目標や数値を検討しており、独自の計画書が作成されている。
 情報システムや委託業務、安全衛生に関する管理体制は適正であるが、薬剤および診療材料に関しては、発注と検収が同じ担当者となっているので何らかの配慮があるとよりよい。
 健診の実施状況については、内視鏡などの一部の検査は病院で実施されているが、コーディネーターが各検査室受付と連絡を取って、待ち時間を少なくして案内している。但しCTとMRI検査の待合室は病院の患者と一緒になる可能性があり、待合室を間仕切りや衝立で分けるなどの対策を期待する。
 全般的に、各部署ともマニュアルや対応集が準備されているが、作成日と改訂日が記載されていないので、記載するように改善されたい。
 画像や心電図などはダブル、トリプルチェックがなされ、全ての結果が健診システムで確認できる。
 当日の医師による結果説明の実施率は100%で、平成28年より保健指導を積極的に行っており、さらに保健師を増員して3名体制にする予定であり、今後が期待される。
 昼食は病院兼務の管理栄養士が考案した「減塩の懐石ドック食」であり、さらに昼食後には受診者全員に保健師による約20分の推定塩分摂取量についての講演を行っており、日常生活における塩分と疾患リスクについて説明されている点は非常に評価できる。
 受診後のフォローアップでは、平成28年より追跡検査指示者への電話による受診勧奨を開始しており、次年度以降の実施率の向上が期待される。今後、要精検指示者も含めた、フォローアップ体制のさらなる構築を期待する。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念は病院と同じであるが、基本方針はセンター独自のものが作成され、広報誌やホームページなどに掲示して周知している。就業規則は病院の規定に基づいているが、明文化されている。倫理委員会はセンターからもメンバーが選出されており、院内に相談窓口が設置されている。受診者の権利は、受診者に事前に送る受診案内にも記載されており、申し出があればカルテの開示や閲覧、貸出も行っている。中長期計画と事業計画は病院として作成されているが、センター会議でも目標や数値を検討しており、独自の計画書が作成されている。
 センターの組織図は指揮命令系統が明確であり、職種や役割が記載され、職員の異動に応じて更新されている。予防センター運営会議は、健診運営に関しての決定権をもつ会議で、正副センター長が出席している。料金の支払いは、受診者が病院の自動精算機で行っているが、将来的にはセンター内で会計できるとより利便性を高めることができる。未収金の管理はセンター職員も担当しているが、ほとんど未収金は発生していない。
 情報システムの管理は、専属担当者2名と兼務担当者2名で行っており、サーバー室は病院側に設置され、施錠やパスワード管理が厳重に行われている。委託業務は病院の経理課用度係が担当しており、選定は入札方式を採用している。薬剤および診療材料に関しては、発注と検収が同じ担当者となっているので、改善が必要である。安全衛生に関しては、毎月委員会が開催され、病院として職員の健康診断および防災訓練が行われている。感染性廃棄物の処理は、廃棄物処理マニュアルに沿って適切に行われており、個人情報に関する書類も、直接病院職員が処理場に出向いて廃棄している。
 企業や健保組合、地域住民に対して出前出張講座を実施しており、健診に関するパンフレット等を作成するなどの情報発信を行っている。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、レディースドックを毎週月曜日に行っており、乳腺エコーやMMG、心電図などは女性技師が行い、婦人科健診も女性医師が担当している。事前の送付資料は、オプション検査も含めてわかりやすい内容になっている。
 受付の時点で、上部内視鏡検査と上部消化管造影検査を分けて対応しており、混雑が緩和されている。呼び出しはロッカー番号で行っているが、受付カウンターには衝立等がなく、プライバシーの観点から改善が望まれる。
 内視鏡とX線、CT、MRI検査は病院施設で行われるため、コーディネーターが事前に各検査室に連絡して待ち時間を最小限にして案内しているが、さらに、ドック受診者用の待合スペースを確保が期待される。検査室には担当者の名前が掲示されているが、病院の検査室前には担当者名の掲示がないので、検討されたい。
 女性更衣室は十分なスペースが確保されており、着替えを行う個室も確保され、ご意見箱も設置されている。男性更衣室はやや手狭であるが、前の方が着替えを終えて出てきたら次の方を案内するように工夫している。
 検体検査は病院検査室で実施され、パニック値は病院の基準と同様である。内部および外部精度管理は適切に実施されている。検査機器の管理では、マニュアルが整備されトラブル発生時の対応も適切である。
 受診者の声を把握するために、更衣室のご意見箱の他、アンケートが年2回行われ、部門会議で検討と改善が行われている。今後、改善策を待合室に掲示するなど周知することが望まれる。
 セーフティーマネージメントでは、インシデント・アクシデントは病院の医療安全対策室で報告されているが、対策後の評価が行われておらず、今後の実施を検討されたい。感染対策は病院と同様に行われ、職員への予防接種も実施されており、記録も保管されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 常勤の人間ドック認定医と人間ドック健診専門医の他、病院との兼務ではあるが各種専門医が業務に携わっている。医療職では、保健師が3名体制になる予定であり、臨床検査技師と診療放射線技師は兼務であるが十分な人数が確保されている。各職種の免許や資格は病院人事部で管理されているが、確認日や確認者の印等はなく、今後の記載が望まれる。事務員は8名の内7名は派遣であるが、業務分担が明確にされており業務上は問題ない。
 職員教育は病院と一体で実施され、欠席者のためのDVD講習会を全員が受講し終えるまで繰り返し開催している。また、学会や研修会に積極的に参加しており、各部署とも年一回の学会発表を目標としている。但し、内部での伝達講習回覧の記録を残すことが望まれる。1~2ヶ月毎に予防医学センターでの研修会が開催されており、新規検査項目の勉強会等が行われている。
 検査項目や基準値は人間ドック学会に準拠しており、新規オプションは各種会議で検討された上で導入されている。画像の読影はダブル、またはトリプルチェックされており、心電図と眼底検査もダブルチェックされている。さらに健診システム上で、それぞれの最終読影結果までの過程が確認できる。
 当日の医師による結果説明は100%実施されている。保健師による指導は平成28年より開始され、現在は約50%以上の実施率となっている。また保健師が3名体制となる予定であり今後に期待したい。
 精密検査や治療が必要な受診者に対するフォローアップでは、至急検査が必要な場合は当日に紹介状を発行し、医療連携室や院内の医師と連携して対応している。未受診者に対しては、保健師が電話で受診勧奨を行い、他の医療機関からの返信を確認し、電子カルテで管理している。追跡検査が必要な受診者に対するフォローでは、昨年度より電話による受診勧奨を開始しており、今後、継続的な実施を期待する。
 地域の医師と病院の連携は積極的に行われ、月1回のカンファレンスと2ヶ月毎の症例検討会が開催されている。病院長の講演会も年1回開催し、検査データを共有できる“とちまるネット”を活用して地域連携を図っている。
 健診の有用性では、症例検討はなされているが、精検率や再検率、がん発見率等の詳細な分析がなされていないので、検討されたい。学会発表は積極的に行っており、人間ドック学会においても保健指導等について発表している。

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