日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人社団蘇生会 蘇生会総合病院 健康増進センター

総合評価

 蘇生会総合病院・健康増進センターは、昭和62年に開設された京都市伏見区の病院併設型の健診施設である。平成2年には日本初となるMRI・MRAによる脳ドックが開始され、現在も病院と連携した豊富なオプション検査が準備されている。
 なお同病院は昭和27年に蘇医院として京都市内で開院し、昭和47年に現在地に移転するとともに医療法人を設立している。開院以来、京都南西部の救急医療・地域医療を担っており、新しい医療も積極的に導入して平成14年にはサイバーナイフセンターを開設している。さらに平成18年には日本医療機能評価機構認定を取得している。
 年間受診者数は一日ドックが約2,200人、二日ドックが約10人(継続受診率89.8%)で、その他の健診は約5,200人である。本機能評価は、初回の審査である。
 病院と一体で基本体制は確立しており、さらにセンター独自に理念を掲げ、センターの組織図や会議一覧が作成されている。管理体制についてもおおむね確立している。
 女性受診者への配慮はなされており、プライバシーも確保されている。しかし、病院と共有になっている検査室が多く、一般外来患者の動線が重なるため、さらなる工夫があるとよい。
 センター長の方針で画像検査を含めて、面接時にほとんどの検査結果が出るように体制が構築されている。結果説明は2名体制で、十分な説明時間をとるために医師一人あたりの結果説明の人数を最大6名までに制限しており、評価できる。また、今年2月から保健指導にも力を入れており、面接後の保健師による指導が約60%行われている。今後の継続的な取り組みに期待したい。
 受診後のフォローアップは、精検受診率は全体として低い。昨年末より、要精検指示者と追跡検査指示者に対して、受診の4ヶ月後に受診勧奨を実施している。今後も継続的な実施と、受診勧奨送付後の評価と検討が望まれる。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 センター独自の理念があり、基本方針と患者様の権利、個人情報保護方針がホームページやパンフレット等に記載され、センター内にも掲示されている。職員全員にハンドブックが配布され、就業規則等の運営規定が掲載されている。職業倫理はハラスメント防止規程が作成され、総務部が窓口になって対応している。
 5年間の中期計画書が作成され、病院全体の中にセンターの事業計画、予算書、事業報告、決算書が作成されているが、臨床検査技師と放射線技師の人件費的経費は、担当部署で計上されている。
 病院の組織図の他、センターには協力職員も含めた組織図が作成されている。センター運営会議も含めた会議一覧表があり、日程や担当者が明記されている。会計監査担当者が配置され、収受業務マニュアルに基づき毎日、日次報告書と現金を経理課へ納金し、月ごとに収支と実績が運営会議へ報告されている。
 情報システムは診療情報管理課が管理しており、トラブル発生時の対応マニュアルも作成されている。職員への周知はハンドブックに記載されており、IDとパスワードは半年ごとに更新している。
 委託業者の選定と評価は、関係責任者が同席してプレゼンテーションを実施し、個々に意見書を作成して総合的に判断している。また、定例会を開催して、評価の報告と改善の要請、さらに業者からの要望を確認して関係者に周知しており、適切である。薬剤及び診療材料等の在庫管理はSPDシステムにより管理しており、発注と納品担当を別にして、担当者が受領印を押すなど担当者を明確にしている。
 安全衛生管理では、安全委員会と衛生委員会が定期的に開催されている。防災訓練等が実施され、職員の健康管理はセンターが対応し、二次検査も産業医と保健師により実施されている。感染性廃棄物等の処理に関しては、今回の受審を機に容器の大きさや、管理場所、方法について改善された。
 企業・健保組合との契約は適切で、健康に関する情報は、産業医の派遣やパンフレットにより提供している。

2.受診者の満足と安心

 乳腺エコー検査やMMG検査は女性技師のみで行われ、事務員も全て女性スタッフである。オプション検査も含め事前案内も分かりやすく、問い合わせ先もフリーダイヤルが準備されている。
 健診センター内では、採血、採尿と身体計測が行われ、それ以外の生理機能検査や画像検査、内視鏡検査、婦人科診察等は病院施設で行われている。病院内の1階と2階の検査室を利用しているため2名の案内係を配置しているが、移動時には外来受診者と動線が重なるため、移動で使用する通路の工夫が必要と考える。更衣室内は清潔であり適当なスペースが確保されているが、女性更衣室には化粧台や個別の着替えスペース等の設定等、受診者の視点に立ち、さらなる質向上に向け検討をお願いしたい。待ち時間対策として、健診の開始・終了・帰宅時間を記録しており適切であるが、今後はそのデータを待ち時間対策に活用されることを期待する。
 センター内の採血室や病院の検査室は個室化され、結果説明の取り扱いとして、電話での問い合わせには一切回答せず、受診の上で説明がなされている。受付時に呼名について確認がされているが、呼名を拒否する者に対する対応は別途定められている。
 検体検査は病院の検査室で実施されており、内部および外部精度管理状況は適切である。検査機器の管理は、病院と同等の対応がされている。
 ご意見箱が待合室に設置されており、病院のサービス向上委員会で対応が検討され、施設内に掲示されている。アンケートは過去に1回実施しており、待ち時間等のアンケートを検討中とのことであり、早期の実施を期待する。
 セーフティーマネージメントでは、インシデント・アクシデントの報告が適切に行われており、その検討は病院の安全管理委員会で行われている。感染管理では、病院の感染対策委員会とともに活動しており、インフルエンザやC型肝炎等の予防接種が実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 センター長が人間ドック認定医と専門医、アドバイザーの資格を取得しており、その他の専門医も病院との兼務も含めて揃っている。医療職では、保健師や運動指導士、臨床検査技師等がセンター内で健診を行い、その他の検査や診察は病院にて実施している。また、事務職員の体制も整っている。
 職員教育は、病院の教育プログラムにそって全員が参加できる仕組みがある。しかし、研修参加者と事後報告を受けた者が名簿上区別されていないので、改善されるとなおよい。医師や医療職の外部研修は、年間の計画に基づき予算化しており、事務職員については院内研修会で対応している。
 人間ドック学会の基本項目とオプション検査が実施されており、胸部X戦は1方向であったが、現在は2方向に変更済みである。画像の読影は放射線科医師と担当医のダブルチェックであり、眼底は眼科医が、心電図は担当医が判定している。判定基準も人間ドック学会に準拠している。
 当日の医師による結果説明は、受診者全員に対して診察と同時に実施している。10時30分より、ほとんどの検査項目の結果が出てから面接を行っており、一人当たり20分程度かけて十分な説明が行われている。
 平成29年度より、健診結果に基づいた保健指導と運動指導を開始したため、昨年実績には数値が入っていないが、最新実績としては約60%実施している。栄養指導は保健師が管理栄養士の指導を受け実施している。
 受診後のフォローアップとしては、精検受診率は全体として低い。昨年末より要精検指示者と追跡検査指示者に対して、受診の4ヶ月後に受診勧奨を実施している。今後、継続的な実施と、受診勧奨送付後の評価と検討が望まれる。
 健診の有用性では、病院主体で地域の医師に対して業務研修会を開催している。また、日本人間ドック学会で2例の発表があり、更なる積極的な取り組みを期待したい。

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