日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

SUBARU健康保険組合 太田記念病院

総合評価

 SUBARU健康保険組合太田記念病院健康管理センターは、群馬県太田市の3次救急を担う同病院に、5年前に移転併設された比較的新しい健診施設である。幹線道路に面するが、周囲は農地という閑静な環境にある。
 年間受診者数は一日ドックが約6,800人、二日ドックが約2,200人(継続受診率84.5%)、その他の健診が約11,000人である。受診者のうちSUBARUの関係者は18%程度である。本機能評価は、初めての審査である。
 施設運営のための体制は概ね整っている。会議体系については、健診に関する会議のさらなる充実を期待したい。健康への啓蒙活動の一環で、地域住民を対象に、病院主催のふれあいフェアを年1回開催し、人間ドック健診や健康に関する情報提供を積極的に行っている点は評価できる。
 施設は新しく1階に検査室、2階に診察・問診室と二日ドックの宿泊施設があり、病院の放射線診断部と血液検査センターが隣接する受診者の動線に配慮した構造になっている。検査室や診察室は個室化されており、プライバシーが守られている。受診者の声はご意見箱とアンケートから収集し、病院のサービス委員会で検討されており、業務改善は企画運営会議で継続的に取り組まれている。
 医師による結果説明は一日ドックが63.6%で、説明内容も生理機能検査が中心である。保健指導に関しても、施設独自の適応基準を策定し、該当する受診者に実施しているが、栄養指導と合わせても32.0%である。結果説明と保健指導に関して、さらに前向きな取り組みを期待したい。
 受診後のフォローアップについての仕組みは構築されているが、精密検査や治療が必要な受診者に対しての精検実施率がやや低い。その一因としては、併設されている病院が急性期を中心とした施設であるため、病院での悪性新生物や生活習慣病などの精密検査や治療が少ないことがあげられる。このため、地域の医療施設に依頼する割合が高く、システムを含めて今後の強化に期待したい。
 快適な施設環境が備わっており、本機能評価の受審を機に、人間ドック健診の質の向上について、施設全体で意識を高め、取り組まれた点については評価できる。
 総合的見地から、医師による結果説明と結果に基づく指導等について、引き続き前向きな検討を期待し、人間ドック健診施設機能評価の認定と判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 センター内の随所に理念と基本方針が掲示されており、受診者の権利は病院の基本方針の冒頭に掲げられている。職員への周知として、理念等を記載したポケットマニュアルを携行し、意識の向上を図っている。メンタルヘルスに関しては人事課を窓口として、食堂には意見箱も設置している。中期計画に沿って年度事業計画が策定され、運用されている。
 組織図は実態に即しており、病院との役割や位置づけが明確になっている。会議体系については病院が中心であるため、健診に関する会議の充実を期待したい。健診料金の収受は担当者が明確で適正に実施されており、日々の会計処理は適切である。しかし、月次と年次に関しては病院の一部に組み込まれているので、センターとしての把握が難しい状況にある。
 情報システムの管理については、病院の管理規定が整備されており、サーバー室への入退出制限も適切である。トラブル発生時の対応のしくみは構築されており、今後の適切な運用を期待したい。委託業務に関しては適切な契約が結ばれている。薬剤や診療材料については、病院と一体で管理されている。
 安全衛生管理については委員会を設置して、病院と一体となった体制が確立されている。職員の健康管理は、保健師と管理栄養士が管理しており、火災や震災に対する対策も確立している。感染性等廃棄物は適切に処理されている。
 企業健保組合との関係では、三分の一が富士重工関係で、地域の200社を超える企業とも適正な契約が結ばれている。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、レディースデーの設定はないが、乳がん検診が毎日実施され、案内書や健康調査票も作成されている。
 受付に関しては、マニュアルとQ&Aが作成され、検査の説明もなされている。診査室や検査室には担当者名が明示されており、既往歴等はシステムで管理され前日にスタッフ間で共有している。コーディネーターを配置し、システムで検査の進行状況を把握している。
 施設は新しく、システムを活用して、受診者が快適に受診できるように配慮されている。18室ある二日ドック用の個室は快適な空間で、夕食の空き時間に保健・栄養・運動指導を行っている。また、二日ドックのスペースやマッサージなどのサービスは十分なレベルを満たしている。
 プライバシーに関しては、受診者は原則番号で呼び出ししている。検査室や指導室は個室化によりプライバシーが確保され、検体が人目につかないように配慮されている。
 検体検査は病院の検査室で実施され、内部精度管理は毎日行われており、外部精度管理も適切である。検査機器の管理は適切で、業務管理マニュアルやトラブル発生時の対応マニュアルが整備されている。
 受診者の声はご意見箱とアンケートから収集し、病院のサービス委員会で検討されている。業務改善は、企画運営会議で継続的に取り組まれている。
 セーフティーマネージメントでは、病院全体のマニュアルが作成され、インシデントレポートの分析と共有がなされている。受診者の急変時に対応する仕組みがあり、病院の救急センターにも隣接している。感染対策では、マニュアルが整備されており、職員への感染防止策が講じられている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師数は適切で、人間ドック認定医が3名在籍しており、各科の専門医は病院と兼務である。医療職に関しては検査の実施に必要な人数が確保されており、必要な資格も取得している。しかし、保健指導を行うには十分数が確保されていないので、検討されたい。
 職員教育では、病院全体で教育プログラムが作成され、実施記録も確認できる。専門教育においても、健診センター独自の教育が実施されている。
 検査項目は日本人間ドック学会の検査項目に沿っており、任意検査項目は企画運営会議で検討されている。画像は放射線科医による二重読影が行われ、心電図は循環器医が、眼底写真読影は眼科医に依頼している。検査結果の判定は人間ドック学会の判定に準拠している。
 当日の医師による結果説明は、一日ドックが63.6%、二日ドックが100%であり、説明内容は身体計測と血圧、血液、尿検査についてである。保健指導に関しては、施設独自の適応基準を策定して該当する受診者に実施している。
 精密検査や治療が必要な受診者へのフォローアップについては、マニュアルが作成され、1回受診勧奨がなされているが、受診勧奨を複数回行うことで実施率の向上を期待する。追跡検査のフォローに関しては、本機能評価の受審を機に取り組みが開始したところであり、システムの構築に向けて、今後の取り組みが必要である。
 健診の有用性については、年報は病院全体で作成され、結果の分析は健診センター内の全体会議で行っている。日本人間ドック学会の調査研究に参加し、学会での発表や論文投稿も行っており、今後の活躍を期待する。

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