日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

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総合評価

 医療法人社団高邦会 福岡山王病院 予防医学センターは、「プライバシーを大切にしたおもてなし、≪ホスピタリティ≫」を掲げ、アジアの玄関口、福岡市の “シーサイドももち”にある健診施設である。11階建ての6階に位置した健診フロアからは博多湾を一望でき、受診者から好評を得ている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約13,000人、二日ドックが約1,300人(継続受診率75.8%)、その他の健診が約19,000人である。本機能評価は今回が初めての審査である。
 「施設運営のための基本体制」では、基本的な組織体制は概ね整備され、健診の運営がなされている。情報や委託、安全衛生等の管理も適切で、多くの企業健保組合と契約し、機関誌やセミナーを通して情報提供を行っている。
 「受診者の満足と安心」では、受診者が快適に受診できるようにマニュアルが整備され、周知徹底されている。健診は独立したフロアで実施されており、生理検査や放射線部門にはコーディネーターを配置して、効率的な検査と診察への流れが工夫されている。診察室及び検査室は個室でプライバシーが保たれている。
 アメニティに関しては、食事は5階のレストランで、熟練したシェフが腕を振るった和食もしくは洋食が提供されている。宿泊施設として、海側には博多湾、山側には脊振山系の眺望が広がる静かなホテルスタイルの個室を提供しており、申し分ない施設である。
 「健診の質の確保」では、人間ドック認定医と専門医は専任で、医療・事務スタッフも適正であり、教育体制も確立している。医師による結果説明は全員になされているが、看護職の保健指導は希望制のため、実施率が低いことが今後の課題である。受診後のフォローアップについては今回の受審を機に整備されており、今後の運用に期待したい。健診データは全てコンピュータで管理されており、個々のデータの管理は十分である。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念はグループ共通のものがあり、センター独自の基本方針と受診者の権利は健診フロアに掲示し、ホームページやパンフレット、職員ハンドブック等で周知している。就業規則などの運営規定類はグループで整備され、職員ハンドブックに記載されている。センター独自の中長期計画に基づき年度事業計画と予算、決算報告書も作成されており、事務管理責任者により毎月開催される理事会にて報告されている。
 病院全体とセンターの組織図が作成されているが、センター医師の所属は医局であり、センター組織図に再掲するとなおよい。週1回管理者による予防医学運営会議が、また、月1回健診全体の管理および運営に関する予防医学会議が開催されている。受付担当者が適切に収納業務を行い、担当者が決められ手順書に従って適切に会計処理がなされている。
 情報システムに関しては、マニュアル等を病院全体で作成して管理している。センターでは人間ドック専用のシステムを使用し、各担当者がアカウントを持ち個別パスワード(3カ月に1回変更)を設定している。サーバー室への入退室については厳しく規制されており、限られた職員のみ許可されている。
 委託業務は病院の管理課が担当し、適切な選定および管理を行っている。薬剤は週1回発注を行って病院より払い出しを受けており、診療材料はSPDシステムにて病院管理課が一括管理している。
 安全衛生管理体制では、定期健診以外でも採用時健診や電離放射線検診、ストレスチェック等を実施しており、防火避難訓練も年2回実施している。感染性等廃棄物は適切に処理され、年1回現場を視察して報告書が作成されており、最終処理記録もある。
 企業・健保組合とは500企業・10代行機関と契約しており、更新の際に必要に応じて内容の変更も行っている。地域住民に対しては年6回病院主催の健康講座等セミナーを開催し、機関紙も年6回発行するなど医療情報を提供している。

2.受診者の満足と安心

 利便性に関しては、乳がんと子宮がん検診は毎日行われており、医師は男性と女性であるが、検査技師とマンモグラフィー撮影技師は女性である。受診者対応マニュアルも整備され、受診者に対する要望は十分に把握されている。
 受付は時間差で職員6人が対応しており、生理検査受付と放射線部門受付にコーディネーターを配置している。診察室と検査室には担当者名が表示され、名札も着用している。健診専用フロアであるため、一般患者と混在することはなく、婦人科待合室は独立したスペースが確保されている。注意情報は受診者ファイルに赤字で手書きで表記され、注意喚起を図っている。
 自然光が降り注ぐ温水プールはオールシーズンで楽しめ、ジャグジーや寝湯も備えてあり、フィットネスコーナーには各種トレーニングマシンが設置されている。また、リラクゼーションとして男性にはサウナ、女性にはミストサウナと岩盤浴を整備している。絵画で装飾されているが、落ち着いた環境を提供するとの趣旨でテレビは設置されていない。禁煙掲示をはじめとして掲示物は少なめである。
 プライバシーに関しては、呼び出しは名前で呼ぶことを原則としているが、受付時に渡す番号札に、希望により変更が可能であるという旨を記して、周知している。検査室は個室であるが、血圧測定は総合待合のオープンスペースであるため、改善の余地がある。
 検査は病院の検査室が担当しており、業務マニュアルに機器の取り扱いと日常点検、トラブル対応など、フローチャートを示しており、パニック値規定も定められている。
 受診者の意見を反映する体制では、全受診者に対して食事時にアンケートを配布しており、回収率は約2割である。併設病院のご意見箱も設置されている。要望に対しては運営会議で検討され、業務改善に継続的に取り組んでいる。
 セーフティーマネージメントでは、病院の医療安全指針をもとに取り組んでいる。インシデント・アクシデントレポートはファイリングされており、併設病院のリスクマネジメント委員会で検討されている。救急カートとAED、トイレのナースコールが設置されており、「ハリーコール(緊急コール)」に対応するワーキンググループが構成されている。感染対策も「院内感染対策マニュアル」にそって行われている。
 

3.人間ドック健診の質の確保

 人間ドック認定医と人間ドック健診専門医はセンター専任である。医療職の体制では、看護職と検査技師は専任の他、病院の放射線室から支援を受けており、待ち時間が長くならないように配置している。事務職員の体制も適切で、病院の保健医療サービス部が営業と契約を行い、広報は病院の広報担当部署が担っている。
 教育体制は病院全体で確立され、各委員会が教育プログラムを作り、全職員が参加できるようにDVDを作成し、数日間または数回にわたり講習を行っている。医師や医療職が学会や研修会等に参加できる体制が築かれ、事務職に対しては、年2回電話対応について外部講師を招くなどの研修会が開催されている。
 検査項目は人間ドック学会の基準検査項目に沿っており、変更の有無が協議されている。X線検査や超音波検査等の画像診断は、専門的知識を有する病院医師による二重読影の体制をとっている。判定基準は人間ドック学会に準拠している。
 当日の医師による診察と検査結果説明は受診者全員に行っており、3~4診体制で1人当たり10分~20分かけて説明している。しかし、保健師による保健指導は希望制のため、実施率は9.3%とやや低めのため、今後は必要者を対象に実施されることを期待する。併設のプールとフィットネスコーナーを利用した、健康運動指導士による運動指導を行っている点は評価できる。
 受診後のフォローアップでは、今年度からシステムを改修し、受診勧奨マニュアルを作成した。精密検査と再検査の未受診者に対しては、2、4、7ケ月後に受診勧奨の文書を郵送しており、今後運用による受診把握率の向上に期待したい。検査結果については入力され、次回受診時に活用されている。追跡検査のフォローについても同様に運用を開始しており、継続的な実施を期待する。
 検査の精度や有用性の検討については、検査異常者数や総合判定の比率、要精密検査指示率、精密検査受診率、がん発見率などを経年的に集計して、病院内での勉強会で報告がなされている。毎年調査にも参加しており、人間ドック学会においても発表を行っている。

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