日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人新生会 総合病院高の原中央病院 人間ドックセンター

総合評価

 医療法人新生会・高の原中央病院人間ドックセンターは、平成19年に病院併設型として開設された。奈良市の北西部に位置し、関西文化学術研究都市の玄関口である近鉄高の原駅に隣接している。病院としては昭和48年ニュータウン開発と同時に唯一の医療機関として開設され、奈良市北部、京都市南部、大阪生駒市の地域医療を担う中核総合病院としての位置づけとなっている。
 年間の受診者数は一日ドックが約1200人、その他の健診は約3,300人である。本機能評価は、初回の審査である。
 施設運営のための基本体制の面では、センターの理念と基本方針のもと、独自の事業計画や目標が作成され、理事長を含めた管理部門の連携協力を得て効率的に運営されている。組織体制は病院の機能面を重視して構成され、病院の各種規程を基に進められている。
 6階が人間ドックセンターであり、一部の検査は2階の病院検査室を利用している。専用EVではないが、導線上は特に問題なく運用されている。プライバシーに関しては、指導室や検査室は個室化されているが、身長と体重の計測場所は待合から中が見え、声漏れもあるため、継続的な配慮を望みたい。
 業務改善に関しては、ご意見箱に加えて、受診者に対して満足度調査が実施されており、受診者の意見を反映する体制が確立している。
 健診の質の確保において、スタッフ体制は保健師が不在ではあるが、その他は概ね整っている。
 画像診断は二重読影が実施され、病院専門医師のバックアップもあり、高い質が保たれている。健診当日の医師による結果説明の実施率は70.2%であるが説明する検査結果は、必須項目(身体計測、血圧、尿、血液検査)の説明に留まっているため、今後は画像提示なども含むさらなる結果説明の充実が望まれる。健康指導に関しては、栄養指導はおおむね適切に実施されているが、保健指導や運動指導については今後の課題である。
 受診後のフォローアップでは、精密検査や治療が必要な受診者に対しては、6カ月後に受診勧奨しているが、もう少し早い段階での対応を行い、さらなる実施率の向上が望まれる。追跡検査が必要な受診者については、結果報告書とともに紹介状を送付しているが、その後のフォローは行われておらず、受診状況の把握率の向上が望まれる。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 独自の理念と基本方針を策定し、受診者の権利とともにフロアでの掲示や事前案内への同封により周知がなされている。職員へはハンドブックやイントラネットにより共有が図られている。開示請求や個人情報の管理は厚生労働省のガイドラインに基づいており、職業倫理規定は、病院組織の倫理委員会のもとで、作成されている。運営方針は人間ドック健診委員会で議論がなされ、病院の経営会議で年度目標と事業計画を策定し、達成度を評価する体制が構築されている。
 実態に即した病院の組織図があり、委員会一覧が作成され、無用な委員会の廃止や統合などの見直しも行われている。財務処理については、健診料金の管理や会計処理が適切に行われ、未収金管理についても台帳により債権管理が行われ適正な財務分析がなされている。
 情報管理では、「医療情報システム室」が中心となって確実な管理体制が構築され、マニュアルも整備されている。委託業務では、業者の選定や評価、教育等について適切な管理体制が築かれている。薬剤は原則としてセンターでは在庫を持たず、必要があれば当日の受け渡しとなっており、診療材料の管理はSPDシステムを活用して、確実に行っている。安全衛生管理体制については、毎月委員会を開催し、感染症も含めた職員の健康診断が適切に実施されている。感染性および産業廃棄物に関しては、マニュアルと処理記録が確実に管理、保管されている。
 企業や健保組合等に対しては、確実に契約書を取り交わし、取引先ごとにファイリングされている。また、「市民公開健康講座」を年4回開催されるほか、「健康教室」を開催するなど、地域にフィードバックをしており、その取組は評価できる。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、子宮がん検診を毎日実施し、女性医師と女性技師が対応する日を設定するなど、女性受診者の要望に対応している。オプション検査は当日にも希望を聞き、可能なものは実施している。また、わかりやすい受診案内書や健康調査票が事前に送付されている。
 受付手順や受付時の質問への対応手順がマニュアル化され、検査内容や注意点等の説明も適切に行われている。コーディネーターが配置され、検査の進行状況に応じて柔軟な対応がなされている。受診者の体調不良時の対応手順も明確で、検査時の質問への対応マニュアルも作成されている。受診者の既往歴等の情報は健康調査票や問診により把握され、検査担当者間で共有されている。また、病院で実施する検査については、連絡をとりあって、病院での待機時間をできるだけ短くするように配慮している。しかし、検査室には担当技師名が掲示されておらず、明示が望まれる。
 施設内の空調等の管理は適切で、清掃も行き届き、待合スペースには各種雑誌等が置かれている。待合がやや手狭で、もう少し広いスペースが望ましい。敷地内は全面禁煙である。
 プライバシーに関しては、名前を呼ぶことを希望しない受診者には番号で対応している。指導室や検査室の多くは個室になっているが、身長と体重の計測場所については待合から中が見え、声漏れもあるので、さらなる配慮を望みたい。検体は人目につかないように配慮されている。検査結果等に対する守秘義務の規定が整備されており、検査結果の問い合わせへの対応も適切である。
 検体検査は適切に実施され、内部および外部精度管理も適切で、定期的に検討されている。検査機器の管理や保守点検もマニュアルに沿って実施され、トラブル発生時の対応手順も明確になっている。
 受診者の声は投書箱の設置やアンケート調査により集められ、定期的に検討して改善に役立てている。満足度調査の結果や受診者からの問い合わせ内容は、センター内のミーテイングや人間ドック健診委員会で分析が行われ、業務改善に繋げている。待ち時間対策として、システムによる通過管理がなされているが、今後受診者数が増加した場合の全体マネージメントを検討するよう期待する。
 セーフティーマネージメントについては、マニュアルが作成され、事故やインシデントを報告・検討する仕組みがあり、再発防止に取り組んでいる。受診者の急変時への対応手順が定められ、AEDや救急カートも配置され、職員は全員BLSを受講している。また、感染防止対策マニュアルが作成され、職員への感染防止についても、ワクチン接種等も含めて適切な対応がなされている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制では、センター長が人間ドック専門医であり、病院との連携により専門医が対応できる体制が構築されている。また、医師を含め女性スタッフが多く、病院との連携で専門資格を有する技師が配置されている。保健師が不在なため、引き続き配置に向けた取り組みに期待致したい。
 職員教育は病院全体の年間教育プログラムに参加する形で実施されている。研修欠席者にはDVDを活用した後日教育が行われる等、全職員に均一に教育を行う仕組みとなっており、かつリーダー育成や院外研修の取組みが積極的である。
 検査項目については、日本人間ドック学会の基本検査項目やオプション項目が実施され、定期的な見直しも行われている。検査結果の判定については、画像はダブルチェックされており、心電図や眼底写真も適切に判定されている。また、検査結果の判定基準は、日本人間ドック学会の判定区分に準拠している。
 健診当日の医師による結果説明の実施率は70.2%であり、必須項目の説明は行われているが、画像提示も含むさらなる結果説明内容の充実が望まれる。
 健康指導に関しては、栄養指導はおおむね適切に実施されているが、保健指導や運動指導については今後の課題である。
 受診後のフォローアップでは、精密検査や治療が必要な受診者に対しては、結果報告書とともに紹介状を送付し、6カ月後に受診勧奨しているが、もう少し早い段階での対応が望まれる。眼底・眼圧の指示率が高く、原因の検討が望まれる。精密検査の実施率は低率であり、一層の努力が望まれる。追跡検査が必要な受診者については、結果報告書とともに紹介状を送付しているが、その後のフォローは行われておらず、受診状況の把握率の向上が望まれる。
 健診の精度や有用性の検討については、健診結果の検討が定期的に行われており、学会等の調査研究にも協力している。また、学会発表や論文投稿も行われている。

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