日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

社会医療法人里仁会 興生総合病院

総合評価

 社会医療法人里仁会興生総合病院は、昭和48年に開設され、人間ドック部門は昭和53年1月に新設された病院併設型の健診機関である。
 年間の受診者数は、一日ドック約2,300人、二日ドック110人、その他の施設内健診約4,200人であり、本機能評価は今回が初の受審である。
 人間ドック部門は、病院2階の一部にドック専有部分を設け、各検査は2階と1階の病院外来の検査室で実施されている。各検査室へはスタッフが案内する事で、ある程度の受診者への配慮ができているが、一般の患者と動線が重なる場合があり、今後は更なる配慮が求められる。
 企業・健保との契約は適切で担当者も明確である。契約団体から依頼があれば統計表や集計表等のデータをフィードバックしているが、年間受診者数が少ない事もあり、契約団体毎の統計・分析が十分とは言えない。数年分のデータをまとめて分析する等、更なる工夫を期待したい。
 画像検査のダブルチェック体制は今回の受審を機に整備された。一方、人材の育成・教育体制の構築、強化は今後の積極的な取り組みに期待したい。また、がん発見率・発見数の統計、追跡検査、発症予防の要となる追跡データの把握が不十分である点については更なる努力が望まれる。
 健診に関する学会活動の実績はないため、今後の学会活動において、人間ドック健診の有用性についての発表を検討することを。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 病院の理念のもと、人間ドック部門独自の基本方針が明文化され、施設内掲示やパンフレット等で周知されている。
 5年間の長期計画及び事業計画書・予算書・事業報告書・決算書が作成され、職員には運営委員会に於いて報告・周知されている。
 組織体制については、業務の実態に即した組織図が作成され、病院主体の各委員会にはドック部門からの参加も多い。毎月1回定期的に開催される「人間ドック業務委員会」で検診の運営に必要な検討がなされている。
 情報機器へのアクセスは個別パスワードによる業務メニューの制限がなされている。病院内にあるサーバー室への入退室管理が不十分なため、病院の情報処理担当者とも相談の上、情報管理についての改善が望まれる。
 企業・健保との契約は適切で担当者も明確であり、契約団体との意見交換は定期的になされている。契約団体毎の年間受診者数が少ないため団体毎の統計データ等のフィードバックは不十分である。今後は契約団体への、統計処理されたデータ等の情報提供が必要と思われる。

2.受診者の満足と安心

 乳がん・子宮がん検診は毎日実施されている。またマンモグラフィはすべて女性技師が担当しており、子宮がん検診は、ドック専任の婦人科専門医により対応されている。内視鏡検査では反射が強い受診者に対しては、経鼻内視鏡検査が選択できるよう配慮もされている。
 受付手順マニュアルが作成され、柔軟な対応がなされている。氏名での呼び出しについては、受付で口頭確認されているが、マニュアル化はされていない。受付後、検査は、スタッフが直接検査室へ案内し、待ち時間の短縮が図られているが、検査手順の説明等は受診者に対しては行われていない。検査内容の説明・健康情報提示など受診者を不安にさせない工夫など対策の余地はある。待合室の座席は数としては確保されているが、体調不良者の休憩室は専用スペースとして準備されておらず、検討されたい。更衣室、トイレの清掃記録はチェックされており適切である。案内掲示・健康情報リーフレット、案内掲示などは受診者の視点でのさらなる充実、配慮がなされるとよりよい。また、理念・プライバシー保護に関する掲示は区画された見やすい専用スペースに掲示されることがあるとよい。食事場所は職員食堂・一般食堂との併用型であるがスペースは確保されている。なお、メニューについては、メタボ予防、食育の観点からも献立・カロリーの掲示等受診者の立場に立ち質向上に努められたい。
 プライバシー保護の観点から、体重・腹囲等の検査は、スタッフ専用扉と通路間が仕切られているのみであるため、配慮が望まれる。受付と、診察・指導室は専用スペースにあるので問題はない。
一部検査は病院の検査室を使用する。サーバー室は医局の奥に設置されておりパスワード入力で管理されているが、入退室のログ管理はなされていないため、さらなる情報管理の徹底が望まれる。
 内部精度管理は随時行われており、外部精度管理については日本医師会・広島県医師会・全衛連の精度管理に参加し良好な結果を得ている。
 院内にはご意見箱が設置されているが、健診専用スペースには設置されておらず、早急な対応を望む。また、受診者全員に対し短期間限定でアンケート調査は実施されているが、今後は、アンケートの内容、調査期間も含め、さらなるPDCAサイクルの構築を期待したい。ドック・健診の質向上に向けた業務改善活動に対し、細かな現場決済を含め頻回に健診部門として検討の場を設けられることが望まれる。

3.人間ドック健診の質の確保

 健診管理医師は人間ドック健診専門医が担っており、保健師は5名配置されている。病院との兼務者の中には、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師・臨床検査技師・胃癌検診専門技師が1名と超音波検査師が1名配置され、一定の努力は認められる。
 教育体制については、新人教育プログラムをはじめ、健診部門に特化したプログラムの作成および実施が必要である。学会・講習会・研修会の参加記録管理のさらなる充実も望まれる。
 検査項目はドック学会が示しているものを網羅している。
 画像読影については体制としては構築されており、さらに今回の受審を機に記録管理も徹底され評価できる。なお、読影カンファレンスは、ドック業務としては実施できていない。
 医師による結果説明は当日にドック受診者・健診受診者全員に対して行われている。保健師による保健指導はほとんど行われておらず、今後体制の構築が望まれる。現在5名配置されている保健師の有効かつ自発的な活躍を期待したい。現状ではリスク健診の範囲であり、重症化予防・発症予防もドックの重要な役割であることを再認識していただきたい。
 精密検査が必要な受診者に対するフォローアップ体制は、総合病院であるために自施設での検査実施がやや多い傾向にあり、他施設で実施された場合は、病院の医療連携室を通しその返信を把握するしくみがある。がんの発見率・数の年次推移などのデータ集積や、経過観察者に対しての追跡調査についてはさらなる積極的な対応が望まれ、今後の課題である。さらに集計調査や各種学会への積極的な参加が望まれる。

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