日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

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総合評価

 済生会呉病院は、救急やがんなどの急性期医療を提供する、広島県呉市の中核病院であり、現在地に移転してから80年以上の歴史を持つ。地域住民への勉強会や離島診療など地域に貢献しており、禁煙外来や高血圧専門外来など生活習慣病への取り組みも積極的である。病院は病院機能評価とプライバシーマークを取得しており、病院の一部門である健康管理室が人間ドック・健診を実施している。本機能評価は、初回の受審である。
 年間の受診者数は、一日ドックが約950人、二日ドックが約30人、その他の健診が約3,000人である。
 運営に必要な理念や基本方針等が策定され、就業規則などの法令に基づく規則も整備されている。職業倫理や個人情報保護、受診者の権利を遵守する体制も整えられている。中期計画に沿って、計画立案から実施、評価までが行われ、目標達成に向けた事業展開が図られている。情報管理については、プライバシーマークの規程の基にマニュアルが整えられ、委員会活動を通して運営管理されている。委託業務や薬剤と診療材料の管理は県支部の一括管理で行われている。安全衛生管理は委員会のもと計画的に実施されている。健診利用者との関係も適切である。
 受診者の満足と安心の面では、工夫と配慮のある健診を提供しているが、ハード面の制約は課題である。検査は病院の外来検査室で行われ、健診専用のスペースは設けられておらず、受診者と外来患者が混在する中で健診が実施されている。
 健診の質に関しては、病院および健康管理室の努力によって確保されている。医師や医療職等のスタッフは受診者数に対して支障のない配置である。健診項目は人間ドック学会に準拠し、オプションも積極的に取り入れている。結果の判定は各専門医が行っており、健診当日に一次読影結果を説明し、後日にダブルチェック後の最終報告書を送付している。医師の結果説明は画像も含め全受診者に実施されており、評価したい。また、保健師による保健指導体制も平成27年より整備され、改善の方向にあり良好である。栄養指導と運動指導の実施体制もあることは評価できるため、今後は実施率の向上を期待したい。受診後のフォローアップについては、追跡検査の取り組みが平成29年度より開始されており、実施率の向上を期待する。
 今回の受審を機に体制の充実が図られており、ハード面の制約に関しては継続的な配慮と検討を期待することとし、総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針が策定され、院内に明示されている。就業規則などの規程類は整備されている。職業倫理については、プライバシーマークを取得してプライバシーの保護に努め、ハラスメント防止委員会の設置や内部通報制度実施要領など、順守するための仕組みも適切である。受診者の権利も内外に周知している。
 健全経営への取り組みについては、病院の中長期計画に基づき、各部署が年間の事業計画を立案して、その達成に努めている。
 組織体制については、健康管理室の位置付けや各職員の業務の役割、責任が明確にされている。会議体や委員会が機能し、記録も管理されている。料金の収受は病院の会計窓口で行い、会計処理は年1回の県支部監査もあり、公認会計士の指導と調査を基に適切に処理されている。
 情報システム管理に関しては、委員会を月1回開催して現状を把握し、適切に対応している。アクセス制限として、パスワードは2ヶ月ごとに変更され、サーバー室への入退出は記録管理されている。
 業務委託は済生会県支部による選定であり、委託業者から教育記録を提出させるなどの管理を行っている。薬品及び診療診材も県支部が一括管理しており、在庫管理や定期的な棚卸を適切に実施している。
 安全衛生管理については、委員会のもとで法令に基づいた管理が行われ、職員の健診やストレスチェック、健診後のフォローアップ、長時間勤務対策等に取り組んでいる。防災訓練も実施している。感染性廃棄物の処理は、管理規程により処理計画を立案し、マニフェストが保管されている。また感染対策チームを編成し、院内ラウンドにより情報収集や分析を行うなど積極的に取り組んでいる。
 企業や健保組合との関係は適切で、事務職員と保健師による契約活動やデータの提供、講演会や教室の開催など、病院全体で取り組んでいる。

2.受診者の満足と安心

 利便性については、受付時にオプション検査の申し込みが可能で、マンモグラフィ検査は申し出れば女性技師が担当する体制である。子宮がん検診は毎日午後実施されており、今後は午前中に終わるコースの受診者が受診しやすい時間帯も検討されたい。健診案内のオプション項目に保健指導が有料との記載があるが、人間ドック受診者は無料であり、この表記が保健指導率の低さに繋がる可能性もあるので、わかりやすい案内を検討されたい。
 受付や検査ごとのマニュアルが整備されており、担当者名が明示され責任が明確である。アレルギー等の受診者情報は、全職員で共有しているが、次年度に引き継ぐ仕組みがないので検討されたい。
 施設内に健診専用の検査室はなく、聴力検査は耳鼻科外来、視力と眼圧、眼底検査は眼科外来、乳房触診は外科外来、身体計測は診察室前の中廊下で実施されている。健診受診者と病院の外来患者の動線が同じであり、人間ドック受診者用の椅子が用意されているものの、待合場所も外来患者と共有である。今後、受診者と患者との接触を避ける配慮や工夫を求めたい。
 プライバシーの確保に関しては、呼び出しは番号で行っており適切である。血圧計は内科外来の待合に設置されており、高熱などの感染症ブースの真向かいでパーティションも無く、配慮が必要である。また、採尿の検体の管理も他の受診者に見えるため、改善を望む。
 検査の管理体制については、検体検査は病院の検査室で実施され、内部および外部精度管理は適切である。検査機器は定期点検が実施され、トラブル発生時の対応もマニュアル化されている。
 業務改善の仕組みについては、受診者の意見を年1回、1週間のアンケート調査で集め、活用している。投書箱は病院に設置されているのみであり、今後は受診者の意見を聞く頻度や機会を増やす工夫が必要である。
 セーフティーマネージメントについては、マニュアルが整備され、事故やインシデントレポートを報告し、検討する仕組みがある。全職員に対してAED講習会を実施している。感染対策も確立しており、職員のインフルエンザやB型ワクチンの実施状況も管理されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制は、人間ドック健診専門医が人間ドックに従事しており、病院兼務の各種専門医も関与している。婦人科専門医は現在午後の勤務であるが、今後週1回でも午前中に婦人科検診を行うことを検討されたい。医療職は、2名の専任の保健師が人間ドックアドバイザーを取得している。視能訓練士や糖尿病療養指導士など資格取得も積極的になされている。
 職員教育は、病院の年間計画に沿って実施され、外部研修への参加旅費規定も明文化されている。職種ごとの専門教育が実施され、記録管理されている。
 検査項目は人間ドック学会の検査項目を実施しており、月1回の委員会で随時検討を行っている。画像の読影は、人間ドック健診専門医や放射線科医がダブルチェックを行い、心電図と眼底写真も専門医が判定・読影している。判定基準は人間ドック学会に準拠しており、適切である。
 健診当日の医師による結果説明は、診察時に10分から20分かけて、ほとんどの検査について行っている。実施率も100%で評価に値する。
 指導体制については、医師が結果説明時に指導も行っていたが、平成27年12月より保健師による保健指導を一日ドック受診者も希望性で受講できるようになったため、継続的な取り組みを期待したい。管理栄養士による栄養指導と健康運動士による運動指導は、二日ドックで実施されており、今後一日ドックでの実施も検討されたい。
 受診後のフォローアップについては、精密検査が必要な受診者には結果表に紹介状を同封して、4ヶ月後には受診勧奨の手紙を送付している。精検指示率がやや高い項目があり、また実施率も向上の余地があるため、検討を望む。また、今回の受審を機に、生活習慣病の追跡検査の実施率が低い点について検討がなされ、平成29年4月より紹介状を同封することとなった。継続的な取り組みを期待したい。近隣の医療機関との交流を深めるため、若手開業医グループとの勉強会(撫子医会)、島きょう部医師会連絡協議会を開催しており、積極的な取り組みである。
 健診の有用性の検討では、健診結果を分析し、人間ドック学会の他、学会での発表を行っている。

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