日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

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総合評価

 JCHO金沢病院は、昭和21年に設立された社会保険鳴和総合病院が母体で、平成26年4月に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)のグループ病院として再編された。健康管理センターは院内の附属施設として開設され、併設看護学校の閉鎖に伴って同校跡に移転された。JCHO本部による直接経営で、病院機能評価の更新認定も受けている。
 年間の受診数は一日ドックが約2,600人、二日ドックが約620人(継続受診率71.6%)で、その他の健診が巡回健診を含めると約9万人である。本機能評価は初回審査である。
 基本的な管理体制は、JCHO本部機構により整備され、確立されている。情報システムはマニュアルに沿って管理されており、個別パスワードが設定されているが、定期的な更新については、今後対応を検討されたい。
 施設内は広くゆとりがあり、静かで清潔感もある。受診者カードによる通過チェックやコーディネーターによる誘導、また女性専用フロアなど快適に受診できるように工夫されている。検査の担当者名は名札と2階受付脇の一覧表で表示しており検査室ごとの掲示はない。検査機器の管理では、臨床工学士を配置するなど安全に配慮されており、感染対策も確実に実施されている。
 受診者の意見や要望を取り入れるために設置されたご意見箱は、受付の前の他にも、更衣室など人目を気にせずに投函できる場所に設置するとなおよい。
 専門医、認定医等の取得状況については、センターの専任医師に加え、病院の各科専門医が応援体制をとるなど病院と連携し、適切な医師・スタッフ体制を構築している。当日の医師による結果説明と保健指導体制については、今回の受審を機に体制を整備され、今後の継続的な取り組みに期待したい。
 受診後のフォローアップ体制についても今回の受審を機に強化され、今後のさらなる充実を期待したい。
 総合的な見地から、今回の受審を機に構築された結果説明およびフォローアップ体制の継続的な取り組み、実績向上を期待することとし、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は作成されているが、ホームページに掲載されていない。就業規則は適切に運用されている。職業倫理に関する体制は、JCHO機構の本部として設定されており、良好である。受診者の権利は健診結果の郵送時に同封され、ホームページにも掲載されている。中長期計画や年度事業報告書、予算決算は、機構の本部として作成されており、健診センター独自のものではないが、センター事務所内に掲示され周知されている。
 組織図は病院を中心に作成され、健診センターの位置づけも適切である。会議体系は病院を中心に設定され、健診センターも一翼を担っている。健診料金の収受は、マニュアルに基づき委託業者が行っているが、安全に処理され適切である。
 情報システム管理体制はマニュアルに沿って運営されており、個別パスワードが設定されているが、定期的な更新は行われていないので、改善されたい。
 委託業務については、病院の総務課が業者選定を担当しており、基準を設けて毎年入札で行っており、随時業者面接を実施している。薬剤および診療材料の在庫管理は、SPDで管理しており棚卸も実施している。
 安全衛生管理体制では関係法令を遵守しており、防火非難訓練においてはアクションカードを導入するなど、前向きな取り組みがなされている。感染性廃棄物の処理も適切である。
 企業健保との契約と更新は適切で、毎年契約内容を確認して締結しており、データは希望に即して作成し提供している。職員用情報誌が旬刊で発行している。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、原則月~金曜日に健診を実施しているが、7月から1月までの7か月間は月に1回、祝祭日にも実施している。乳がん健診は毎日、子宮がんは月~木曜日に設定しており、レディースデイはないが3階に婦人科専用検査部があり、女性技師が対応している。
 受付の手順や質問に対する対応はマニュアル化されており、受付と問診各2名で対応している。各フロアにコーディネーターとして看護婦を配置しており、受診者カードによる通過チェックとで、スムーズに誘導案内している。検査の担当者名は、名札と2階受付脇の一覧表で表示しており検査室ごとの掲示はない。
 プライバシーに関しては、呼び出し方法は氏名と番号のいずれも可能で、検査室は原則個室化されている。身体計測は健診受付の空きスペースをカーテンで仕切って実施しており、視力や採血も待合からも見える状況にあるので、さらなる配慮を期待する。
 検体検査については、当日の結果説明分は院内で、それ以外は外注の体制である。内部及び外部精度管理も適切で、部内会議や健診委員会で報告されている。検査機器の管理はマニュアルに基づき、検査実施者が点検を行っている。また、臨床工学士を配置して医療機器を一元的に管理している。
 受診者の意見を取り入れる仕組みとして、3階受付前に設置したご意見箱活用している。投書箱の設置場所の変更や、満足度調査の常時実施などでより広く意見を募り、対策実施後の評価を行えばさらに良い。業務改善に関しては、日々の報告会で問題点等を把握し、週1回の定例会と月1回の内部打ち合わせ会で討議して、きめ細かく系統的に対応しており、今後も継続的な取り組みを期待したい。
 セーフティーマネージメントでは、病院と共通のマニュアルに基づいて、インシデント・アクシデントレポートを収集して再発防止に取り組んでいる。感染対策は、病院と同様の規定に基づいて一元的に管理され、必要に応じてB型肝炎とインフルエンザワクチンの接種を実施している。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制では、人間ドック健診専門医としてセンター長と専門医が従事している。循環器はベテランの医師が担当しているが、唯一専門医が不在の科である。医療職は病院からの応援も加えて適切に配置しているが、人間ドックアドバイザーなどの専門資格を取得するとなおよい。
 職員教育は病院全体で実施され、未履修者には基礎研修DVD視聴と確認テストが実施されている。専門ごとに内部研修が実施され、外部研修にも参加している。今後、診療放射線技師および事務職の専門研修等の実施を期待する。学会参加は医師のみで、参加人数も少ないので、全職種の学会参加を期待する。
 基本とオプションの検査項目は学会基準に準拠している。任意の検査項目は随時検討され、不定期ではあるが見直されている。画像診断は専門医等によるダブルチェック体制で、必要に応じてカンファランスも実施されており、判定基準は学会に準拠している。
 当日の医師による結果説明は二日ドック受診者が中心であったが、今回の受審を機に一日ドック受診者に対する当日実施体制も整備され、実施率も向上している。さらに、現在は生理機能検査が中心の結果説明であるため、画像診断の判定結果を加えることも検討されたい。また専門スタッフによる指導体制の構築も期待したい。
 受診後のフォローアップ体制についても今回の受審を機に強化され、今後のさらなる充実を期待したい。
 健診の有用性の検討では、精密検査の実施率が把握されておらず、健診精度を分析する体制の構築が望まれる。ドック学会の全国集計調査に参加しており、ドック学会や社会保険医学会で発表している。

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