日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

公益財団法人 岩手県予防医学協会

総合評価

 公益財団法人 岩手県予防医学協会は、昭和45年の創立以来、厚生連と連携して健診に取り組んでおり、県内の3つの健診施設のうち2施設は既に本機能評価の認定を取得している。今回、新規受審となる通称「Big Waffle」は、平成25年に盛岡市北飯岡に設立された健診施設で、開設に合わせて精密検査外来も開始されている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約6,300人、その他の施設内健診が約19,000人、巡回健診が約22万人である。
 「施設運営のための基本的体制」では、理念ならびに基本方針が整備され、年度方針や予算、決算もホームページ上で公開されているなど、組織運営は適切に行われている。事業所の運営という点では、会議の位置づけが明確にされると更に良い。情報管理については、プライバシーマークを取得するなど管理体制は高く評価できる。
 「受診者の満足と安心」では、新しく建てられた施設は広々として明るく、人間ドック専用フロアが確保され、その中には女性専用エリアも設けられている。X線や超音波の検査室は他の健診と共有であるが、壁が可動式で、受診者数により使用する室数を調整できるなど、受診者に配慮された設備とアメニティーを備えている。今後は、更なる受診者の満足度向上のためにも、受診者の声を積極的に取り入れる取り組みに期待したい。
 「健診の質」では、医師や医療職、事務職の資格と配置数は適切であり、教育研修にも積極的に取り組まれている。検査結果の判定基準は独自に作成されており、人間ドック学会の判定区分との摺り合わせ作業が早期になされることを期待する。健診当日の医師による結果説明は、計測や検体検査、胸部X線の結果について受診者全員に実施されており、評価できる。その一方で、保健指導や栄養指導については更なる積極的な取り組みを望む。後日のフォローアップについては、精密検査指示者への対応は適切であるが、一部の指示率や実施率は適正な値となるよう検討されたい。生活習慣病関連項目の追跡検査の実施率は概ね適切なので、その結果を活用する仕組みの整備を期待する。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は確立され、周知も図られている。職員育成に関する理念や方針も公表されており評価できる。職業倫理規定が定められ、職員の相談窓口や検討機関が設置されている。受診者の権利は明示されているが、意見や苦情の申し立てに関しても明文化されると更に良い。10年の長期計画に沿って年度事業計画を策定しており、予算や決算、事業報告はホームページにも公開している。
 組織体制については、法人の体制に沿って適切に運用され、指揮命令系統や委員会が明示されている。事業所内の会議体の位置づけを明確にされたい。料金収受や会計処理は適切で、会議やイントラネットにて会計報告が行われている。
 情報システム管理は、システム管理課が担当しており、トラブル時についても業者のリモートメンテナンスを含め、手順や対応が明確にされている。個人情報の管理は、プライバシーマークを取得し、パスワードでのアクセス制限やサーバー室への入退室管理など、遺漏なく行われている。
 委託業務については、標準作業書や規定による管理・選定が行われ、毎年従業員の研修記録の提出を求めるなど業務の質の確保も図られており適切である。薬剤及び診療材料は年1回棚卸が行われ、発注と検収は総務部を経由している。
 安全衛生管理は適切で、メンタル面を含めた職員の健康管理が行われ、災害対策の明文化や年2回の防災訓練も実施されている。感染性廃棄物や個人情報関係書類の処理も適切である。廃棄物保管庫の表示は、今回の受審を機に改善され適切である。
 企業や健保組合への対応は、担当者により契約管理や結果返送が行われ、パンフレットや機関誌、ホームページを活用して情報発信が行われている。また、年1回「健康フェスタ」が開催され、地域住民も含めた情報発信の場となっている。

2.受診者の満足と安心

 月1回程、土日曜のオープン日も設定し、利便性に配慮している。
 受付は手順に則り行われ、当日のオプション追加にも対応しているが、受付時の質問への対応マニュアルは充実を望む。検査の説明や担当者名は、各検査室前のディスプレイに表示されている。前回受診時の受診者情報はシステムで管理され、前日に確認されている。フロア案内係が検査の進捗を管理し、各検査室のスタッフが受診者の体調や待ち時間を考慮して柔軟に対応している。
 受診環境は良好で、人間ドック専用フロアは十分な広さで清掃も行き届き、足湯やマッサージチェアが設置されている。食堂は眺望が良く、季節による食事メニューの変更など配慮されている。施設内は禁煙が徹底されており、保健師による禁煙指導も行われている。
 プライバシーに関しては、希望者には番号で呼び出しが行われ、検査室や診察室の個室化、検体が人目につかない工夫など配慮されている。個人情報保護規定は整備されており、問い合わせに対する本人確認の方法も明文化されている。
 検査管理については、検体検査の業務マニュアルやパニック値対応、トラブル発生時の対応マニュアルが整備され、内部・外部精度管理も適切である。その他の検査機器も業務マニュアルが整備され、機器トラブルへの対応も確立している。
 業務改善については、意見箱の利用は僅かで、今期からアンケートを開始し、受診者の意見を積極的に集めて組織的に検討する取り組みが始まったところである。「快適な環境づくり委員会」の運用とあわせて、今後の活動に期待する。
 セーフティーマネージメントについては、インシデント・アクシデントレポートが委員会で報告・検討されており、救急研修会による急変時対応教育も行われている。感染対策はマニュアルが作成され、B型肝炎ワクチンやインフルエンザワクチンの予防接種など、職員への感染防止にも取り組んでいる。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制は、内科診察は2診体制で、1名は人間ドック認定医である。その他の専門医も診察や読影、判定に従事している。医師以外の医療職の職員数は適切で、必要な専門資格を有しており、事務職も受付など適切な配置である。
 教育体制は、法人全体で全職員対象の研修会が年1回、1日かけて開催されている。外部の学会や研修会へ参加する仕組みも確立されており、参加は積極的で、記録が管理されている。専門職の研修は、年間の研修計画に沿って実施している。
 検査項目は、人間ドック学会が提示する基本検査とオプションが実施され、定期的に見直しが行われている。結果判定について、画像は専門的知識を有する医師が二重読影を実施し、心電図は循環器専門医、眼底写真は眼科医が読影を実施している。判定は施設独自の3段階評価であるが、人間ドック学会の判定基準に準拠するように早期の検討を望む。結果はシステムで管理され、画像も含め簡便に参照でき、健診結果表には3年分の結果が提示されている。
 身体計測や血圧・血液検査、尿検査、胸部X線は健診当日に100%の受診者に結果説明されており、高く評価できる。保健指導は、希望者に対して保健師と管理栄養士が行っているが、実施率の向上やマニュアルの充実が望まれる。施設内には運動施設もあり、今後運動指導等に活用することを期待する。
 健診後日の対応については、結果に関する質問等は保健師等が対応し、記録は業務改善に活用している。精密検査対象者には紹介状を発行し、返書が無い場合は4か月後に文書で受診勧奨を行っている。精検指示率は上部消化管内視鏡、眼底・眼圧がやや高く、検討が望まれる。また、心電図と眼底・眼圧の精検実施率が非常に低く、更なる取り組みが必要である。追跡検査の実施率は概ね60%と良好であるが、検査結果が保健指導等に活用されておらず、今後の体制整備が望まれる。他施設との医療連携は、医師会全体との連携が行われている。
 健診の有用性の検討については、健診結果を分析・検討し、学会等で発表し、毎年の業績は予防医学協会の研究報告誌にまとめて掲載している。

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