日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人社団 卓秀会 平塚胃腸クリニック

総合評価

 医療法人社団卓秀会 平塚胃腸クリニックは40年以上の歴史を持つ施設で、近隣には同法人の関連病院や健診施設を有しており、消化器専門施設として広く認知されている。複合ビルにテナントとして入居しており、6~8階を健診専用として運用している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約6,700人、二日ドックが約110人(継続受診率85.2%)、その他の健診が約6,500人である。本機能評価は初めての受審であるが、昨年に本学会の実態調査を受審しており、その際の指摘事項については今回改善が認められ良好である。
 運営の基本的体制については、基本方針や各種規定類、マニュアルが整備されており、適切に運用されている。中長期計画は文章でも明示されることを望む。
 受診者満足と安心については、安全に受診できるように、アレルギー歴等の注意事項はスタッフ間で情報共有している。混雑時には事務スタッフが案内をし、各部署のマニュアルも整備されているなど、スタッフ一丸となってより良い健診を提供する姿勢が見られる。継続受診率も高く良好である。事前の受診案内に記載されている項目に不足がある点や、呼吸機能等の検査場所のプライバシー確保については、更なる整備を期待する。
 健診の質の面では、スタッフが必要数確保されており、認定医や専門医も在籍している。医療スタッフも資格を取得しており質の向上が認められるが、認定証に期限切れが散見されたため、確認と対策を望む。医師による結果説明は、実態調査時より実施率が向上しており良好であるが、さらなる向上に向けて取り組まれたい。
 今後は、健診施設として生活習慣病にもより力を注ぎ、保健指導やフォローアップ体制の整備に取り掛かることを期待する。データ管理業務等の効率化を図り、保健看護職が指導等に積極的に関与できると良い。待合室の隅の保健指導場所は、オープンであるため一考を願いたい。受診後のフォローアップは、管理医師が積極的な受診勧奨を行っていることは評価でき、今後さらなる充実に向けて、看護師や保健師、管理栄養士が参画した体制作りを検討されたい。統計資料や分析も行われていることから、今後、講習会や学会の発表など積極的な活動を期待したい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は施設独自に作成されており、今後はパンフレットへの掲載等、周知に努められたい。就業規則などの運営規定類や職業倫理規定も作成されているが、規定に反する行為について職員の相談窓口を明確にすることを望む。受診者の権利は明文化されており、ホームページにも載せており適切である。
 事業計画については、中長期計画が作成されているが、数字の表記のみであり、施設のあるべき姿を文章化することを望みたい。事業報告を全体会議で発表するなど、健全経営に努めている。
 施設独自の組織図が作成され、毎年見直しされているが、サーバー管理者が明記されると良い。健診の全体会議は月1回開催され適切であるが、委員会構成図の整備や、フォローアップ体制についても運営会議で論議されるとより良い。財務処理については、担当者を定め、適切に料金の収受と会計処理が行われ、月次報告や利用者状況等も全体会議で発表され、共有化を図っている。
 情報システムに関しては、胸部や消化器等はデジタル対応であるが、大部分は紙媒体である。事務所の一角にサーバーが置かれ、施錠は事務長が管理しており、環境管理は室温のみである。今後、サーバーへのアクセス管理等は整備されると良い。委託業務については、各担当部署がチェックを行い、関連施設との合同会議で検討が行われている。今後、業者の評価表の作成や、個人情報に携わるスタッフへの誓約書等、さらなる管理を望みたい。薬剤及び診療材料に関しては、関連病院の薬局と同じ体制下にあり、各科にて在庫管理が行われている。
 安全衛生管理については、職員の健康管理は適切で、防災訓練も実施されているが、より詳細な訓練報告や職員全体での勉強会、利用者と誘導者に役割を分けた訓練の実施も検討されると良い。感染性廃棄物や個人情報に関する書類の処理は適切に行われている。
 企業や健保との契約は適切で、ホームページにも健康情報を掲載している。今後は、企業・健保に対する積極的な情報提供を期待する。
 

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、レディースデーを閑散期(1月~3月)に月1回実施している。事前の受診案内書に未記載の検査項目があり、訂正が望まれる。
 受付や検査開始時の各部署のマニュアルは整備されている。フロアにコーディネーターは置いていないが、混雑時には事務スタッフが案内を行っている。安全な検査ができるよう、前日にアレルギー歴などの受診者情報を前回履歴から把握し、検査時に共有している。
 プライバシーに関しては、呼び出しは事前に本人に了承を得た上で、名前で行っている。呼吸機能検査が他の検査と同室で行われており、パーティションで配慮されているものの、声掛けのある検査のため別の場所での実施が望ましい。腹部超音波もカーテンでの間仕切りで実施されており、声漏れへの配慮が望まれる。
 検体検査の業務マニュアルは整備されており、内部及び外部精度管理も適切に実施されている。各検査機器の業務マニュアルやQ&A、アクシデント対応マニュアルは整備されており、新人研修の体制も進捗状況が可視化され良好である。
 受診者の声はアンケートとご意見箱で集められ、改善記録が残されている。各科で業務改善に取り組む仕組みがある。
 セーフティーマネージメントについては、安全委員会が月に3回開催され、事故やインシデントを報告する仕組みがあり、再発防止に取り組んでいる。感染対策もマニュアルが整備されており、職員のインフルエンザやB型肝炎ワクチンの接種が行われて適切である。
 

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制については、常勤と非常勤で運用しており、関連病院との兼務者はいない。人間ドック認定医は非常勤、人間ドックアドバイザーは常勤と非常勤の医師が取得している。その他の認定医や専門医も在籍しているが、認定期限切れの書類が散見されたため、再チェックが必要である。また、複数の医療スタッフも資格を取得しているが、今後、保健師や管理栄養士等、生活習慣病に関わる人材を確保し、さらなる体制強化を図られたい。
 教育体制については、年間スケジュールを作成し、部門毎に勉強会や講演会を実施し、関連施設との勉強会にも参加している。更に、各部門でスキルアップを図るために、所属長と科員が面談を行っている。事務職は採用時オリエンテーションやOJTで教育する仕組みがあり、教育体制は確立されている。
 画像の判定は専門的知識を有する医師が判定しており、加えて胃がん健診専門技師がコメントを出すなど、トリプルチェックに努めている。結果管理については、健診システムと紙のカルテを併用しており、結果説明時には過去の検査結果をモニターで確認できる。今後、より容易にデータを抽出できるよう、全健診情報を網羅したシステムの構築も検討されたい。
 当日の医師による結果説明は、一日ドックで52.2%実施されている。ほぼ全項目について説明しており、内容は充実している。検体を運ぶ回数を増やすなどの工夫により実施率は徐々に向上しており、今後、100%の実施に向けた更なる充実に期待する。
 保健指導は、結果説明時に医師が対応しているが、保健師等の専門スタッフによる指導も望まれる。管理栄養士による栄養指導が開始されており、今後の体制の確立に期待する。同時に、声漏れ等のない指導スペースの確保も求めたい。
 健診後日の受診者からの質問や相談は、各部署に振り分けて対応しているが、今後それらを一括管理して、業務改善に繋げていく仕組みを構築されたい。受診後のフォローアップについては、精密検査や追跡検査の指示者に対して管理医師が電話をするなど、積極的に取り組んでいる。今後、看護師や保健師、管理栄養士が参画した体制作りを検討されたい。また、関連施設以外の紹介先との連携強化を図り、経過の把握に努められたい。なお、上部消化管内視鏡検査の精検指示率がやや高く、継続的な検討を望む。
 健診の有用性の検討については、健診の集計や分析を行っているので、今後は学会やセミナー発表等の取り組みを望む。

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