日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

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総合評価

 医療法人鉄蕉会・亀田京橋クリニックは平成25年8月に開設された病院併設型の健診施設で、中央区京橋の東京スクエアガーデン4階にて、病院と健診業務を同じスペースで行っている。建物の地下には地下鉄銀座線の京橋駅があり、利便性がよく、受診者の食事は建物内の飲食店と提携し提供している。
 年間受診者数は一日ドックが約3,200人(継続受診率58.5%)、その他の健診が約3,000人である。本機能評価は初めての審査である。
 理念と基本方針、受診者の権利が定められている。院内掲示は今後検討されたい。実態に即した組織図が作成されているが、新施設のため、各委員会が今後機能していくことを期待する。
 受診者の満足と安心に関する領域については、エントランスはクリニックと同じであるが、受付時間が外来診療時間と重ならないようにしたうえで、クリニックとは別の受付カウンターを設けて個別対応するなど配慮している。また、検査室や診察室、面接室もクリニック業務と共有する部分があるが、検査時間や利用時間を重ならないようにすることで、外来患者と動線がなるべく重複しない工夫がなされている。検査室や診察室は全て個室となっており、プライバシーに配慮されており、各部門で十分なマニュアルが準備され、一定基準以上のサービス提供や対応ができる体制が整っている。さらに年一回行うアンケートや月一回開催されているドック会議等で検査項目やサービスの検討が行われ、質改善の取り組みがなされている。
 人間ドック健診の質の確保に関する領域については、当日の医師による結果説明は約7割の実施状況であり、今後実施率が向上するようにさらなる工夫を望みたい。保健指導に関しては、保健師は不在であるが、管理栄養士資格と健康運動指導士資格の両方を有するスタッフが健診結果に基づく指導を行っている。指導の実施率は24.1%ではあるが、食事と運動について同時に指導できることは受診者にとってより役立つ情報として提供されていると考えられ評価できる。受診後のフォローアップでは、今回の受審を機にシステムおよび体制が整備され、今後の継続的な取り組みに大いに期待できる。
 健診の有用性の検討では、職員の学会や研修会への参加は積極的行われている。施設における伝達講習会については今後の充実を期待したい。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針、受診者の権利は明文化され、内容は十分に検討されており、受診者の皆様にも分かりやすいものである。ホームページやパンフレットなどに掲載されているが、院内掲示は確認できなかった。中長期計画に基づき事業計画を作成している。実態に即した組織図が作成されているが、新施設のため、各委員会が今後機能していくことを期待する。料金の収納および会計は、担当者によって適切に処理されている。
 情報管理では、担当者が常駐しており、情報機器のアクセス制限が行われ、トラブル対策もマニュアル化されている。委託業務では年一回評価が実施され、教育や研修も実施されている。薬剤については本院との連携で在庫管理と棚卸しが確実に行われている。
 安全衛生管理では、委員会が組織され、健康診断に取り組んでいる。消防訓練は、消防署立会いのものは実施していないが、年2回院内で行っている。感染性・産業廃棄物処理については、飲食店が多く入居する総合ビル内のため神経を使うところであるが、ビルへの交渉と処理業者との的確な連携により大変スムーズに処理されている。
 企業や健保組合等との契約は適切で、事務長が渉外担当として出向いている。産業医も常駐している。近隣企業や健保組合、地域住民等を対象に、モーニングメディカルセミナー定期的に開催されている。

2.受診者の満足と安心

 不定期ではあるが月2回程度レディースデーを設けており、この時は婦人科と乳がん検診は女性医師が行い、検査も女性技師が行っている。ホームページは、健診内容や金額が確認でき、問い合わせ先もわかりやすく表記されている。
 当日の受付は来院順に行われ、受付方法や対応はマニュアルに沿って行われている。施設の入り口はクリニックと共通であるが、受付時間を外来診療時間と重ならないようにしたうえで、健診専用の受付カウンターを設置することで対応している。また、受付カウンターには仕切りが設けられ、プライバシーに配慮されている。待ち時間対策もされており、健診システムで進捗状況が管理され、待ち時間が30分以上になると赤字となり、すぐにわかる工夫がされている。検査室前には担当者の名前が掲示され、全職員が名札を付けている。室温は案内係であるエスコート係が受診者の状況を見ながら調整し、毎日11時の室温が記録されている。さらに、個別対応できるように、ガウンやひざ掛けも準備されている。
 プライバシーに関しては、呼名は原則名前で行っているが、希望があれば番号で呼ぶことで対応している。問診や診察室、超音波検査等の各検査室は個室で行われプライバシーに配慮されている。
 検査の精度管理は内部・外部ともに適切である。検査機器の管理では、始業点検が実施され、記録も保存されている。
 院内に投書箱はないが、ホームページ上から意見が言える仕組みがある。全体アンケートは年一回、食事アンケートは月一回、放射線部門のアンケートも実施されており、用紙は直接受診者に手渡し受け取っている。アンケートは多岐にわたり、各部署にとってはかなり厳しい内容ではあるが、運営上は大変評価できるものである。
 セーフティーマネージメントでは、医療安全委員会が開催され、インシデント・アクシデントを報告し、再発防止策の検討と評価も行われている。また全職員のBSL受講を目指して、計画的に受講されている。感染管理では、内視鏡消毒マニュアルが整備され、職員全員に職員健康管理カードを配布して、感染症の既往歴や予防接種歴等を管理している。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフの体制については、クリニックとの兼任を含め十分な専門医が確保されている。人間ドック認定医は副院長が申請中である。医師免許や各種専門医等は、原本確認と確認日および確認者の記載を今後は徹底することを望む。
 職員教育として、定期的に院内講習が行われている。参加できない職員のための後日DVDによる学習体制が整っている。専門教育に関しては各部門で年間計画を立てて実施している。
 検査項目は積極的に内視鏡検査が行われ、オプション検査項目も豊富に設定されている。また、検査項目と検査値について、月一回開催されるドック会議で検討されている。判定については、画像は二重読影され、眼底写真は関連施設で遠隔読影されている。当日の医師による結果説明の実施率は68.3%で、保健指導は管理栄養士兼専門運動員により栄養と運動指導行われているが、実施率は24.1%であり、ともに今後の取り組みに期待したい。健診結果の質問や相談ができるように平日の15:30~17:00の間、看護師による電話対応窓口が設けられており評価できる。
 受診後のフォローアップについては、昨年度には健診システムの更新がなされ、さらに今回の受審を機にフォローアップ体制の強化がはかられたことで、精密検査の受診率は比較的高く改善された。追跡検査については昨年の9月から積極的な取り組みが開始されたところであり、今後のさらなる継続を期待する。紹介先の病院や近隣病院との連携は取れている。
 人間ドック学会以外の学会発表は積極的に行われている。また職員の学会や勉強会、研修会などへの参加は積極的に行われているが、参加後の施設内での情報共有がされておらず、今後は伝達講習会や参加資料の回覧等が必要である。

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