日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

白山石川医療企業団 公立松任石川中央病院

総合評価

 公立松任石川中央病院は、2市1町により設立された企業団により運営されている病院で、地域医療支援病院及び災害拠点病院として、地域完結型医療を目指している。病院の一部門である総合健診センターは平成5年に開設された。特徴として、一般診療部門の協力のもと上部消化管検査の9割以上が内視鏡で行われており、また、健診専用のCT装置や運動指導用のエクササイズルームを有している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約2,400人、二日ドックが約860人(継続受診率92.1%)、その他の健診は約10,000人である。本機能評価は新規の受審である。
 基本的な運営体制の面では、業務の役割や責任分担が病院と一体となって明確にされている。会議体系も明確であり、その内容は上位の会議に活かされている。情報システムの管理体制は確立しており評価できる。今後は、受診者の感染防止に向けた更なる取り組みを望む。
 受診者の満足と安心の面では、概ね良好な体制であるが、内視鏡検査の待ち時間対策や、身体測定・視力検査など一部検査のプライバシーの確保、提供される食事のカロリー表示について更なる配慮が必要である。
 健診の質の面では、職員研修体制は適切で、研修の欠席者に対する補足教育も実施して、職員教育の質の向上に努めている。当日の医師による結果説明は、人間ドックだけでなく全ての健診受診者に行われており、特筆に値する。また、必要な受診者には保健師や看護師が保健指導や受診勧奨を行っている。今後、栄養指導への管理栄養士の関与、運動指導の更なる充実を期待したい。
 受診後のフォローアップについては、追跡検査の把握体制が平成26年度から整備されており、さらなる充実を期待する。受診者の承諾のもと、健診結果のデータを院内だけでなく地域の医療機関とネットワーク上で共有しており、各医療機関でデータが確認できる仕組みが構築されていることは評価に値する。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 健診部門独自の理念と基本方針が作成され、施設内掲示やホームページで周知されている。しかしパンフレットには記載が無く、施設内掲示も分かりづらいため、検討を望む。倫理規定には個人情報保護や反則行為に対する対応が定められ、院内LANにて全職員に周知している。尚、倫理委員会のメンバー表は職種だけでなく氏名も明記されると良い。受診者の権利は明文化されているが、パンフレット等にも記載されることを期待する。事業計画等については、病院運営の一部として中長期計画や年度事業計画等を作成し、計画的かつ健全運営に努めている。
 組織図は、業務の役割や責任分担が明確にされている。各種委員会は適時開催されており、その内容が上位の会議に活かされる仕組みがある。料金の収受と会計処理は、手順書に基づき適切に処理されており、その内容は経営者会議で報告されている。
 情報システムはマニュアルに沿って管理されており、サーバー室は権限者のみが入室でき、磁気カードにより厳重に管理されている。また、電子カルテは指紋認証で、その他の情報機器は2ヶ月毎に更新されるパスワードで、適切に管理されている。委託業務は契約書を交わし、適切に運用されているが、業者の明確な選定基準や教育・研修の記録は確認できなかったため整備されたい。薬剤や診療材料の在庫管理は、病院と一体となり適切に運用されている。
 安全衛生管理は規定に基づき適切に実施されている。防災訓練は年4回、病院と一体で実施されている。感染性廃棄物の処理は、マニュアルに従って適切に実施されている。ただし、採血後の脱脂綿の廃棄場所が密閉されておらず、また、受診者が接触する備品、装置等の消毒の徹底などについては、更なる改善を期待したい。
 企業や健康保険組合との関係は、担当者が契約を締結し、年報などによりデータをフィードバックしている。地域に対しては「脱めたぼり新聞」などを発行し、ホームページにも掲載して良好な情報提供を行っている。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、人間ドックは月に2回、土曜日も実施している。女性専用の待合室「ウーマンズルーム」が用意されており、診察医師や技師が男性の場合は看護師が付き添っている。病院の入口から健診センターへの行き方がわかるように、掲示等による表示があると良い。
 受付は朝7時45分から2列で行っているが、人間ドック受診者と健診者の区別がなく、時間差受付ではない。今後はスムーズな受付業務が行われるように、運用上の工夫を期待したい。検査開始時の対応は適切で、オリジナルDVDで検査の注意点などを説明していることは評価できる。
 スムーズに検査が進められるように、コーディネーターがフロアに配置されている。検査の担当者名は各部屋の入口に掲示されているが、文字が小さいので検討されたい。環境はおおむね快適であり、ソファーの数も十分に用意されている。今後は待ち時間の長い内視鏡検査において、検査の順番の効率的な運用や、待ち時間対策が望まれる。
 プライバシーに関しては、名前を呼ぶことを希望しない受診者には、ロッカー番号で対応している。血圧と身体測定、視力検査については、カーテンのみの仕切りであるため、外に声が漏れやすい。また、採血後の検体も受診者から見えやすい場所に置かれているため、より良いプライバシー確保に向けて今後の検討が期待される。
 検体検査及び生理機能検査、超音波検査、放射線検査はいずれも病院と一体となって適切に運用されている。
 業務改善については、受診者の意見箱がセンター内に複数設置され、回答は受付前の廊下に掲示されている。受診者の目に触れにくいので、今後は待合など、目につきやすい場所への掲示が望まれる。毎日のスタッフミーティング等で改善に向けた検討を行い、継続的に取り組んでいる。
 セーフティーマネージメントについては、病院と一体の委員会が設置されており、インシデント・アクシデントレポートは電子カルテ上で管理され、必要な対策が講じられている。感染対策については、病院と一体で適切に運営されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制については、人間ドック認定医をはじめとした各種専門医、専門資格を有する医療技術職が従事している。病院には管理栄養士が在籍しており、今後は栄養指導や食事メニュー作成等への関与を期待する。
 教育体制については、院内研修や外部の学会・研修会への参加は、全職員に対して仕組みが確立され、適切に運用されている。欠席者には資料を配布し、テストを実施してスキルアップに努めている。
 検査項目は人間ドック学会に準拠している。今回の受審を機に、胸部X線検査は2方向での実施体制が整備され適切である。X線検査の判定は、完全ブラインドで二重読影が実施され、異なる判定の場合は健診責任者が判断する仕組みがある。
 健診当日の医師による結果説明は、人間ドックのみならずその他の健診でも全ての受診者に実施しており、高い評価に値する。保健指導は、医師の指示により保健師と看護師が実施している。運動・栄養指導は、マニュアルは存在するが実施されておらず、今後の体制整備を期待する。
 精密検査が必要な受診者のフォローアップは、マニュアルに従い適切に運用されており、精検実施率は高く評価できる。上部消化管X線の指示率が高いため、継続的な検討を求めたい。遠方からの受診が多いため、精密検査や治療は主治医や近医を勧める方針であるが、二次検査結果の活用記録は更なる整備を望む。また、生活習慣病の追跡検査のフォローアップについては、継続受診者はほとんど経過観察としており、今後、受診者に合わせたより細やかな対応も工夫されると良い。特筆すべきは、本人の同意のうえ紹介医療機関やかかりつけ医とWeb上でデータの情報交換を行い、地域全体で受診者の健康管理を積極的に実施している点であり、今後、健診において更なる積極的な活用を期待したい。
 健診の有用性の検討については、健診結果を分析、検討し、病院年報や「めたぼり新聞」などで報告している。また、人間ドック学会の研究調査や発表にも参加しており適切である。

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