日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

女性のための統合ヘルスクリニック イーク丸の内

総合評価

 「女性のための統合ヘルスクリニック・イーク丸の内」は、医療法人社団プラタナスのグループ傘下にあり、2013年にはイーク表参道が分院として開業している。同グループではカルテの共有化を図っており、受診者が安心して両院を利用することができる。東京駅より3分、有楽町駅より5分と交通至便な恵まれた立地であり、遠方からの来院者にもアクセスしやすく、予約枠は常に充足している。
 年間受診者数は、一日ドックが約6,200人(継続受診率65.8%)、その他の健診が約9,200人である。本機能評価は初めての審査である。
 「イーク」のビジョンには、“女性をより良い明日へ導く風になりたい”との意味が込められており、主なコンセプトに、“女性医師、女性スタッフによる、女性特有の病気のリスクを考慮した医療の提案”を掲げている。実際に受診者満足度は高く、「次もイークを選ぶ」「友人などに勧める」の項目では90%を超えている。受診環境は、女性の視点をふんだんに取り入れた工夫や配慮がされており評価できる。
 イーク全体として文書と記録の管理体制に課題が散見されるため、各種マニュアルや記録類の作成・改訂、保管、分類、見直しのルールなど体系的な文書管理が期待される。現在、受診後の結果報告書の作成とコール体制などに関して、イーク表参道との機能のすみ分けと管理体制が整備されつつある。引き続き受診者の利便性に向けた体制の構築に期待したい。
 健診の質を確保するための人的体制は、人間ドック認定医である常勤医師2名のほか、多数の専門医により構成されている。医師と技師、事務職とも現状は概ね充足している。
 健診結果に基づく保健指導体制は始まったところであり、栄養指導や運動指導などを含む受診者にとって必要なメニューが継続的に提供できるような体制が望まれる。健診受診後のフォローアップ体制における受診勧奨の体制は、6月から実施されたところであり、精査や経過観察必要者に対する追跡体制の運用状況を監視する必要がある。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。
 
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 「わたしたちのビジョン」として理念が作成され、パンフレットにて明文化され、職員に対しても掲示などで周知されている。就業規則や倫理規定などの文書をはじめ、人事や組織体制などは医療法人社団プラタナスのグループ傘下として同じ運用をされてきたが、今回の受審を機にイーク独自のものが整備されつつある。整備の後は、職員の教育体制に盛り込み、周知することを期待する。
 イーク丸の内としての倫理委員会は、9月に設立されたところである。今後、倫理違反の際に相談する手順や相談窓口を職員に周知し、継続的運用することを望む。受診者の権利に関しては、権利擁護のための具体的な手順が示されているが、倫理と同様、職員への教育体制に盛り込むことを検討されたい。
 中期事業計画および年度事業計画が策定され、実績報告などの進捗管理と健全経営に向けた協議がなされている。各部署の意見を反映する仕組みを明示するとなおよい。
 組織図は毎月末に定期更新されていて適切であるが、重要な会議や委員会については目的や活動内容を明示することが望まれる。健診料金の収受と会計処理に関しては、担当者やマニュアルが整備され、適切に会計報告がされている。
 情報処理およびセキュリティ対策は、法人としての運用管理規定に沿った管理が始まったところであり、継続的な運用を期待する。
 委託業務の選定基準に関しては、サービスや製品品質、コストなどについて、合見積もりを取ったうえで選定することが決められている。再評価については運用が開始されたところであり、今後の継続的な取り組みが期待される。医療材料や薬剤については、手順書が作成されており、定期的な在庫管理と発注・検収などが適切に運用されている。
 安全衛生管理では産業医と衛生推進者が選任されている。防災訓練はビルとして実施しているが、全員参加ではなく、消防計画の運用管理を検討されたい。感染性廃棄物の処理は概ね適切であるが、処理業者の許可証更新およびマニフェストの管理体制の充実などに引き続き取り組まれたい。
 企業健保との契約は適切であり、営業と医事管理課がペアになって相手先に訪問しており、実績のフィードバックやニーズヒヤリングなどのフォローは評価できる。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、土曜日に健診を実施しており、女性技師をはじめ全員が女性スタッフの体制で健診が行われている。受付は時間差で対応しており、マニュアルを作成してOJTにて職員教育を行っている。問診は看護士が体重測定と同時に行っている程度であるが、検査案内はコンシェルジュが行っている。施設は静かで清潔な環境が整備されている。
 プライバシーに関しては、診察は個室で実施され、検査もプライバシーを確保するように工夫されている。検体は個別に取り扱われ、呼び出しは番号で行いフルネームと生年月日で本人確認を行っている。
 検体検査は外部委託であるが、内部および外部精度管理は適切で、結果資料は施設でも保管している。検査機器の管理体制は、日々の点検と定期点検を実施しており、トラブル発生時の対応についても記載されているが、更なるマニュアルの充実を期待する。
 受診者の意見は毎日実施しているアンケート結果を、月に2回のリーダー会議で検討・改善しており、今後は受診者へのフィードバックのさらなる充実を期待する。さらに改善後の再評価が行われるとなおよい。
 セーフティーマネージメントに関しては、医療安全委員会が設置され、マニュアルも一応用意されているが、担当者や事故発生時の対応手順を具体的に示すことが望まれる。急変時の対応では救急カートが用意されているが、配置場所などの見直しや実際の訓練計画も検討されたい。また、医療安全委員会の議事録と感染委員会の議事録の保管ルールを整備されたい。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師や看護職、臨床検査技師、放射線技師など人的資源に関しては、現状の受診者数から鑑みておおむね適切であるが、イーク全体(丸の内、表参道)で受診者数が増加しており、引き続き調整や増員が必要になる。今後は定期的な待ち時間調査の実施や保健指導の充実度など、客観的データの活用にも期待したい。
 教育体制については、今回の受審を機に年間教育プログラムが作成されたところであり、今後計画・実施・評価の仕組みづくりに期待したい。認定医と専門医の体制については、一部の検査は外部委託で結果を判定しているが、概ね良好である。
 検査項目は適切であり、女性専用のクリニックであることから、女性特有のがんや甲状腺疾患、膠原病、貧血など女性に多い疾病についても実施している。検査の判定基準もガイドラインに沿っており、画像はダブルチェック、心電図は診察医が判定し、眼底は外部委託で判定しており、さらなる充実を期待する。
 当日の医師による結果説明は75.9%の受診者に実施されており、受診者アンケートには医師に関する評価欄も設定し、受診者からの評価を反映する仕組みがある。保健指導は6月より開始されたばかりで実績に乏しいが、10月からは具体的な運用手順も構築しており、継続的な実施を期待する。
 受診後のフォローアップは、今回の受審を機に体制が構築され、実施率の向上に向け今後の継続的な取り組みに期待したい。追跡検査が必要な受診者に対するフォローは体制も整備し始めたところであり、今後は保健師等の増員も視野に入れ体制強化に向け検討されたい。
 健診の有用性についても、乳がん学会での調査の参加やマネージメント学会での発表など概ね適切であるが、事務職も含めてさらなる充実されるとよりよい。

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