日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

小牧市民病院健診センター

総合評価

 小牧市民病院健診センターは、平成8年に近隣住民や労働者の健康維持を目的に開設された健診施設である。小牧駅(愛知県小牧市)から5分程度と立地は良く、市民病院北棟の1~2階に健診フロアを設けている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約4,300人(継続受診率84.1%)、その他の健診が約13,000人である。本機能評価は初めての受審である。
 施設運営のための基本体制としては、市民病院という性格上、市からの関与が随所に見受けられ、法令等は厳しく遵守されており、健診センターにおいても本院主体の管理体制である。センターの基本方針や健診運営委員会など、健診独自の体制が今回の受審を機に整備されており、今後の運用を期待する。
 受診者の満足と安心については、1階のエントランスや受付、待合ロビー、面談室、2階の検査室など、広々としており受診環境は快適である。受診者にはほぼ1対1で対応し、待ち時間は殆どなく良好である。検査前に保健看護職による問診が行われておらず、既往歴や治療歴、アレルギー歴等に関する情報は、受診者が事前に記入して提出する調査表から確認されている。検査の安全性や受診者の安心をより確実に確保するために、体制の改善が望まれる。
 健診の質については、医師を始めとしてほとんどのスタッフが本院と兼務で、専任の看護師が少なく、保健師は在籍していないため、保健指導や受診後のフォローアップは十分ではなく、改善が望まれる。結果説明の担当医師は1名で、実施率は56.8%であり、更なる体制の充実を求める。情報処理担当者も1名(薬剤師)という体制で、今後、健診の質の向上や受診者増を望むためには、スタッフ体制を検討されたい。
 多くの課題があるが、改善に向けて努力をしていこうという機運があり、職員も他施設を調査・研究するなどして改善に取り組もうとしている。次回更新時までに、積極的に体制整備に取り組むことを条件に、総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 健診センターの基本方針は今年の1月に作成されたばかりであり、院内掲示や職員ネームカードへの記載など周知徹底に努めている。今後の運用を期待する。就業規則等は本院と同じものを使用し、適切に守られている。受診者の権利は明文化され、周知されているが、具体的な方策を検討されたい。事業計画や予算書、年度事業報告、決算報告書は本院主体に作成されており適切であるが、センターの意見を反映するしくみなど、更なる関与を望む。
 本院の委員会にセンターからも参加しており、健診運営委員会が今年に整備されたため、今後の運用に期待する。料金の収受は前金制で、追加の支払は本院で対応されているが、センターから距離があるため効率化を検討されたい。会計処理は本院で行われている。
 情報管理は、個人情報に関する書類管理も含めて一人の職員が担当しており、マニュアル等は整備されているものの、トラブル発生時の対応等も考えると複数体制も検討されたい。また、パスワードの定期的な変更等、アクセス制限の更なる徹底を期待する。委託業務の契約は適切であるが、定期的な見直しを検討されたい。薬剤と医療材料の管理は本院で行われているが、上部消化管X線の後の下剤の在庫等、センターとしても正確に把握されたい。
 安全衛生管理については、年2回の消防訓練、地震訓練が実施され、感染性及び産業廃棄物の処理も適切である。職員の健康診断が実施されているが、今後はそのフォローアップも検討されたい。
 企業・健保との契約は適切に行われているが、今後は件数を増やす取り組みや契約先との連携がより充実することを期待する。地域に対しては広報紙を発行して情報提供しており、更なる積極的な取り組みを望む。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、乳がんと子宮がん検診が毎日実施されており、乳房撮影は女性技師が対応している。受診案内書や健康調査票はわかりやすいものが用意されている。
 受付は時間差で対応されてスムーズであり、手順も適切である。検査開始時の検査内容や注意点についての説明が十分とは言えないので、検討の余地がある。また、受付時に事務スタッフが問診票の記入漏れ等を確認し、その後看護師がその内容を記録し、既往歴や治療歴、アレルギー歴等に関する情報を把握しているが、保健看護職による問診は行われていない。検査の安全性をより確実に確保するため、また受診者の不安や疑問を解消するためにも、問診の実施が望ましく、積極的な改善を期待する。
 職員は名札を着用し、検査室には担当者氏名が明示されている。検査は健診専用のスペースで実施され、一般の受診者と会わない様に配慮されている。
 施設は清潔で、広々とした快適な空間が確保されている。待ち時間での健康情報提供は雑誌等の数が増えると良い。
 プライバシーに配慮されており、名前での呼出を希望しない場合は、住所・氏名の提出が必要で煩雑な印象ではあるが、番号での対応がなされている。検査室と面談室は個別に仕切られている。検査結果の取り扱いは個人情報保護法に基づいて管理されている。
 検体検査は本院で行われている。内部・外部精度管理が適切に行われ、結果は改善に役立てる体制で適切である。検査機器の管理は適切であるが、トラブル発生時の病院内での連絡体制がやや不明確である。
 受診者からの要望に適切に対応できる体制であるが、電話や窓口での意見は記録されておらず、また待合室の意見箱は小型で目立たないため、検討が望まれる。業務改善の取り組みは継続的に行われており適切である。
セーフティーマネージメントの体制は整備され、受診者が急変する等緊急時の対応は準備されている。感染対策は適切で、職員へのインフルエンザとB型肝炎ワクチンの予防接種が実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 ほとんどのスタッフが本院兼務であるが、今後は健診専任医師を配置し、健診の責任体制が明確になることを望む。人間ドック認定医やその他の専門医師は確保され、健診業務に関与している。診療放射線技師や臨床検査技師、管理栄養士などの医療職と事務職員の体制は整っている。保健師が不在であるなど看護職の配置が少ないため問診や保健指導の体制も十分ではなく、今後の充実を求める。
 全職員対象、また各職種に対して、年間の教育計画と専門教育計画が立てられ、適切に実施されている。全職種で学会や研修会に参加できる規定がある。
 検査項目は適切で、年3回、定期的に見直しされている。検査結果の判定基準は人間ドック学会の判定区分に準拠しており、画像は医師によるダブルチェックで、心電図と眼底は専門医が判定している。
 過去の健診結果と画像は適切に保管・管理されている。健診当日の医師による結果説明は、午後1時から一人当たり5~10分程で実施されており、実施率は56.8%である。健診専任医師の配置等、実施率の向上に向けて更なる体制整備が必要である。健診結果に基づいた保健指導も医師により行われており、保健看護職からは実施されていない。現在しくみを構築中であり、改善策が検討されている。管理栄養士の栄養指導が数は少ないが実施されており、継続的に取り組まれたい。
 受診後のフォローアップについては、結果に関する後日の問い合わせへの対応担当者や対応記録を明確にされたい。精密検査が必要な受診者には連絡表を、追跡検査が必要な受診者には追跡表を、健診結果報告書に同封して受診勧奨を行っている。しかし、未受診者への更なる受診勧奨は無く、精密検査実施率と追跡調査実施率がいずれも低いため、積極的な検討が必要である。紹介医療機関との連携は良好である。
健診の有用性の検討については、健診結果の集計が行われ、人間ドック学会の調査研究に参加している。学会への発表もあるが、さらなる検討を期待する。

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