日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

飯塚病院

総合評価

 飯塚病院・予防医学センターは、福岡県飯塚市にある地域の高度医療を担う同病院に併設された健診施設である。健康増進を図るため高品質の検査、最新の医療機器、快適な環境をモットーとして、早期発見と早期治療を目的に、人間ドックのオプションも充実させている。
 同病院は地域医療支援病院や地域がん診療拠点病院、災害拠点病院、臨床研修病院などの承認や指定を受け、救命救急センターでも数多くの救急患者を受け入れ、地域医療に欠くことのできない役割を一世紀に渡り担ってきた。また、SO14001(環境マネジメントシステム)、ISO 9001(品質マネジメントシステム)の認証を受け、日本医療機能評価機構の認定病院でもあったため基本的な体制は整備されている。
 年間の受診者数は、一日ドック約2,900人、二日ドック約10人(継続受診率44.6%)、その他の健診が約12,000人である。本機能評価は初めての受審である。
 運営のための基本体制では、センターの方針や目標が設定されているが、職員と一丸となって取り組むためにも、より具体的な目標を掲げるとことが望まれる。組織体制は整備され、財務処理も問題なく対応されている。また、情報システムや安全衛生管理も同様に対応され、施設運営の基本的体制は概ね良好と言える。
 受診者の満足と安心では、検査がワンフロアで行われ、スムーズな流れで実施されており、受診者の質問に丁寧に答え、待ち時間の軽減にも努めている。その一方で身体計測などの検査室は、さらなるプライバシーへの配慮を期待する。検体検査や生理検査などの管理体制は概ね良好であり、業務改善にも積極的姿勢を示されている。今後はアンケート実績の推移などを確認されるとよりよい。セーフティーマネージメントや感染対策は、病院全体で取り組まれ、体制は確立している。
 健診の質では、医師の体制は適切で、医療職も実態に応じた職員体制の構築に努力されている。教育と研修は適切に実施され、専門医による検査結果の判定も評価できる。当日の結果説明が一人当たり10?20分を掛け、高く評価できる。その一方でフォローアップは体制を整備している段階であり、今後の取り組みを期待したい。学会発表や論文提出の実績もあり、今後の継続的な取り組みに期待したい。
予防医学本部長やセンター長を中心に役割と機能を充実させるべく日夜努力されており、今後とも課題を克服すべく業務改善が行われていくことを期待して、総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 基本方針は昨年に策定され、受診者の権利も含めホームページやパンフレットに記載して周知されることを望みたい。各規定類は整備され、職業倫理の体制も確立している。倫理面ではセクハラやパワハラなど問題が生じた場合、医務室に駆け込むことができ、他の職員の目にも配慮した仕組みで評価できる。
 事業計画や予算管理は問題なく、センターとしての中期計画を具体的に明示するとされるとよりよい。組織図は実態に応じ作成し、センター内の会議体も機能している。料金の収受は事務職員が担当し、病院の経理課が会計処理している。
 担当職員は自らの役割を果たし、実績を把握のうえ課題に取り組まれている。情報管理システムについては、昨年管理マニュアルを作成し、トラブル発生時の対応手順や個人パスワードの管理も適切で、サーバー室の入退出記録も整備され、評価できる。また、個人情報保護の管理を徹底し、データの取り扱いにも配慮されている。
 委託業務は病院全体で管理されているが、センター内でも業務実態を評価する仕組みを検討されたい。薬剤及び診療材料などの在庫管理は内部牽制機能が働く仕組みであり、期限切れなどの確認も行われている。
 安全衛生面では、労働安全衛生委員会に保健師が委員として参加しており、定期検診の実施率は90%、大規模災害の訓練も行われ、感染性廃棄物等も適切に処理されている。
 企業や健保との契約はマネージャーが担当し、企業への保健指導業務を昨年度より開始している。また、昨年院内で講演会を開催して100名程の地域住民の参加があり、保健師の講師派遣を行うなど、外部に向けて積極的にアプローチされている。

2.受診者の満足と安心

 利便性ではサンデーマンモグラフィの実施を年1回行っている。時間差受付で、受付順に案内されており、検査の内容や注意点はマニュアルを定め周知を図り、分かりやすい説明になるよう取り組んでいる。受診者の質問や確認事項に対しても、実直に対応されている。
 検査の流れは、保健師などがコーディネーター的な役割を担い、状況に応じ臨機に誘導し、診察や検査の担当者は明示されている。CT・MR・PET検査以外は、同フロアーで実施し、待ち時間を利用して栄養士による集団指導的な栄養情報の提供が行われている。敷地内禁煙を徹底されている。
 検査結果の取り扱いは問題ないが、身体計測や聴力、血圧、視力、採血、眼底などの検査を一室で行い、衝立の設置などでプライバシー面を配慮している。この点については、物理的に難しい面も見られるが、検体の取り扱いも含め受診者の視点から遮られるよう更なる工夫を望みたい。
 検体検査の業務マニュアルは作成され、精度管理を検討する仕組みも確立している。生理検査や超音波検査も同様に評価できるが、ドラブル発生時の対応マニュアルの内容などで検討を望みたい点がある。
 業務改善では、全病院的にTQM活動を行い、2年前の院内TQM大会では、「受診者様の不安をなくす」というテーマで優秀賞を受賞するなど活動姿勢は高く評価したい。受診者対象のアンケートは年4回実施されているが、実績の推移や回収率は不明であり、それを確認することで実態把握に努められたい。意見や要望に対しては誠実に対応し、今後に活かす活動となっている。
 セーフティーマネージメントは、インシデント・アクシデント情報をスタッフと共有し、事故発生時の対応マニュアルも整備されている。また、緊急時の体制も評価できる。感染対策への組織体制は確立しており、内視鏡の消毒も含めマニュアル類は整備されている。実務面でも採血時の手袋着用など標準予防策を図っている。

3.人間ドック健診の質の確保

 診察や結果説明は医師3名が担当し、専門医も関与している。また、医療職も業務実態に応じた体制作りに努力されている。
 教育と研修は病院全体で行い、研修の参加は職員証のバーコードで出欠を確認しており評価できる。また、センター内でもテーマを定め、自己研鑽を図っている。学会や研修会に参加する仕組みがあるが、医師以外の職員の参加がやや少なめである。
 検査項目は日本人間ドック学会が掲示する基本検査項目を含み、オプション検査も充実している。しかしながら、肺機能検査の一部受診者にはオプション実施である点については検討を望みたい。検査結果は専門医が判定し、質が確保されている。
 当日の医師による結果説明は全員を対象としており、90.8%の実施率である。説明時間は10~20分程を費やし、評価できる。保健指導の実績は41.6%であり、今後も継続的な取り組みと体制の充実に期待する。栄養指導や運動指導など専門職を活かした取り組みは今後の課題である。
 健診結果の問い合わせは、専用の電話番号を設け周知も図られ、記録もされている。またホームページにはよくある質問として「Q&A」を紹介している。
 精密検査や治療が必要な受診者に対するフォローアップや追跡検査が必要な場合の対応は、体制を整備している段階であり、今後の取り組みを期待したい。追跡検査が必要な受診者に対するフォローアップも同様に体制の構築を望む。医療機関を紹介する体制はあるが、今後は連携医療機関の情報をリスト化して、スタッフ間で共有し、受診者に提示できるとなおよい。
 健診の有用性の検討は、実績は纏められているが経時的変化など分析等にも力を注がれるとよい。病院年報での実績掲載や全国規模で行う調査への参加は積極的にされており評価できる。学会や論文提出への活動もされている。今後はドック学会への論文発表も期待したい。

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