日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

社会福祉法人 函館厚生院 函館五稜郭病院

総合評価

 社会福祉法人函館厚生院函館五稜郭病院・健康管理センターは、病院併設の健診施設であり、平成25年に増築された病院中西棟の2階にて健診を実施している。同病院は高度医療機器を有し、地域がん診療連携拠点病院としての中核的な役割を担っており、その中で健康管理センターは、人間ドック以外にもPET/CTがん健診、企業健診等の健診全般を受け持っている。
 年間の受診者数は、一日ドック約650人(継続受診率54.8%)、その他の健診約18,000人である。本機能評価は新規審査である。
 センターの運用は病院主導であるが、健診独自の理念や基本方針、受診者の権利は明確にされている。情報管理体制については、アクセス制限や閲覧記録管理の更なる徹底を期待する。
 受診者の満足と安心については、新築のフロアは快適な受診環境が確保され、受診しやすい仕組みづくりにも取り組んでいる。一部の医療機器は併設病院と併用されているが、一般患者と動線が交わらないように朝6:30から受付を行い、外来と分離した待合いスペースを設けるなど、工夫されている。今後、受診者増も見込まれることから、プライバシーの確保等さらなる配慮に期待したい。
 スタッフ体制は必要数が確保されている。保健師5名が人間ドック情報管理指導士を取得するなど質の向上に力を入れており、講習会や関連学会への参加も積極的に勧めて、キャリア開発に努めている。保健指導体制は、保健師の積極的な関与により実施数が増加していることは評価に値し、今後も継続的な取り組みを望む。また、受診後のフォローアップも受診勧奨など積極的に取り組まれており、今後も健康管理・増進の一翼を担うことを期待したい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は健康管理センター独自に確立されている。フロア内にも掲示されており、職員がカードを携帯するなどの工夫が見られる。事業計画は病院の一部門として作成されている。センターの運営計画作成の際に、各部署から意見を吸い上げる仕組みがある。今後、事業計画の進捗状況および経営状況を職員に周知する方法を一考されたい。
 病院の併設部門としての組織図が作成されており、センター内でも運営に関する合同会議が開催されている。財務処理は病院主導の体制で、健診料金の収受は病院の自動支払機で行っており、月次報告や損益報告書等、診療状況、比較経営比率表等も病院経理課で担っている。
 情報システムについては、パスワードが数か月に1回変更されアクセス制限がなされている。健診データは、事務所の職員20~30人が閲覧・修正可能で、閲覧者の特定は出来ないため、個人情報保護の観点から体制強化を望みたい。委託業務管理は病院主導で行われており、今後は、業者の評価表の作成や個人情報の取り扱いに携わる業者職員への誓約書等、さらなる業務管理を望みたい。薬剤は定数チェックを行い、医療材料はSPD方式で管理している。
 職員の健康管理は法令に基づき適切に行われており、医師も含め100%の健診実施率は良好である。感染性廃棄物の処理も概ね適切であるが、綿花等の廃棄において、ごみ箱へのバイオハザードマークの表示や蓋付き回収箱の設置等、受診者への注意喚起と安全な取り扱いへの配慮を期待する。
 企業や健保との関係については、担当者が定められており、必要に応じて保健師の訪問も実施されている。今後、地域住民への情報提供や健康講座などが実施されるとさらに良い。

2.受診者の満足と安心

 女性受診者への配慮として、マンモグラフィや超音波検査は女性技師が担当し、女性専用フロアが設置されている。要望に応じて日曜健診も実施している。受診案内書や調査票は、受診者にわかりやすいように随時、検討し改善している。
 受付手順は適切で、検査の開始時間の変更等にも対応している。フロアにリーダー兼コーディネーター(保健師)を配置して案内を行っており、職員間のコミュニケーションも適切に図られている。
 プライバシーへの配慮については、受診者の呼び出しは番号で行われている。診察室や指導室は完全個室で、問診・採血ブースや検査室等はパーティション等で仕切られており、声量等への配慮や検査値が見えないように動線を工夫するなどの対応がなされている。個人情報保護に関しては病院の規定が遵守されている。
 検体検査の管理については、異常値やパニック値は再検査し、迅速に報告されている。内部精度管理は作業書に基づいて行なわれており、複数の外部精度管理サーベイに参加して良好な成績を修めている。検査機器の管理体制も確立されている。
 業務改善については、受診者の意見を把握する取り組みとして、満足度調査が年1回期間を決めて全受診者に実施されている。受診者の意見や毎週のミーティングを基にした改善事項は、リーダー会を通じて速やかに実行されている。
 セーフティーマネージメントについては、医療安全管理マニュアルが規定されており、専従スタッフが配置されている。レポートの提出や分析・統計処理等は適切に管理されている。感染対策としては、内視鏡感染対策や各種の院内感染対策が確立されており、リンクナースを中心に、決定事項の周知や予防策の遵守に取り組んでいる。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、センター長が人間ドック健診専門医を今年度に取得しており良好であるため、今後の活用に期待する。病院の他科の医師との協力体制もある。一部の認定証に期限切れがあるため、管理体制を整備されたい。6名の保健師が健診に配属され、うち5名は人間ドック健診情報管理指導士の資格を取得している。検査担当者は超音波検査士や胃がん検診専門技師、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師の資格を有しており、質の向上に積極的で良好である。事務職は健診専任で、チーム制を導入し業務分担がなされている。
 職員教育については、教育研修委員会が管理し、イントラネット掲載や回覧で周知が図られている。毎年人間ドック学会に参加する等、外部研修に参加する仕組みがある。また、健診部門として独自のテーマを決めて勉強会も行っている。事務職に対しては、採用時研修やOJTで医療知識や接遇、プライバシー保護に関して教育する仕組みがある。
 検査項目は適切で、任意検査項目は年度末に項目や料金の見直しを行っている。画像の判定は専門的知識を有する医師が行っており、判定基準は人間ドック学会の判定区分を基本として、各診療科医師と検討し決定されている。
 健診結果は10年間保存されており、画像はファイリングシステムで容易に参照可能である。健診結果票には、今回と前回の結果が提示されている。
 当日の医師による結果説明は約9割の受診者に実施されており、今後は内容の充実を望む。保健師による保健指導は、平成26年度より全受診者に対して実施する体制に整備され、実施率は90%以上であり、オリジナルの資料や指導ツールも適宜活用し工夫されている。必要に応じて運動指導が行われ、栄養指導は土曜日のみであるが、後日対応も可能である。積極的な取り組みは評価に値する。
 受診後のフォローアップについては、精密検査未受診者への受診勧奨と受診結果の確認が行われている。必要に応じて電話での受診勧奨が行われ、至急の受診体制もある。がん検診項目では、がん発見率等も算出して評価しており、指標値の改善や精度管理等に役立てられている。今後、指示率、実施率の更なる適正化に取り組まれたい。平成25年より、生活習慣病の追跡検査が必要な受診者に対する受診勧奨と結果確認の取り組みが開始されており、継続的な運用に期待する。他の医療機関との連携は、医療連携室を通じて行われている。
 健診の有用性の検討については、健診結果を分析・検討しており、今後委託を受けた事業所への結果報告がなされればなおよい。学会での発表もなされており、継続的な取り組みに期待する。

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