日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

組合立 諏訪中央病院 ドック健診センター

総合評価

 諏訪中央病院は茅野市、諏訪市、原村の二市一村により運営される自治体病院であり、65年間に渡り地域住民の医療を担われている。日本医療機能評価機構の認定も取得しており、良質な医療の提供に努力されている。
 昨年7月にリニューアルオープンし、センター長に女性医師を迎え、各検査技師も女性で統一するなど女性受診者にも安心できる体制となっている。
 年間の受診者数は一日ドックが約1,400人(継続受診率61.7%)で、その他の健診が約5,400人である。前回よりも年間で300人以上の受診者増となっており、環境の整備が成果に繋がっているものと推察できる。
 本機能評価は平成25年に初回認定を受け、今回が初めての更新審査である。
 施設運営のための基本体制面については、各規程類が病院全体で整備されており、併設の健診センターにも適用されている。
 前回の審査以降に施設の改装が行われており、前回の指摘事項の多くが改善されている。改善点としては、多くの検査がセンター内で実施できるようになったこと、検査が個室対応となりプライバシーに十分配慮されるようになったことがあげられる。また、健診センター長に女性医師が着任し、女性専用フロアーやパウダールームが新設されて、女性受診者に配慮した施設となっている。その一方で、改装された施設を生かすためのマニュアル等、ソフトウェアが十分に揃えられているとはいえず、今後の課題である。
 健診に関わる職員数はほぼ充足しており、職員教育も適切であると判断するが、それらの記録が十分とはいえず、検討されたい。画像のダブルチェック体制や保健指導に関しては良好であり、栄養指導や運動指導についても今後の拡充を期待する。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念は病院と同一のものであり、基本方針と受診者の権利は健診センター独自に作成されている。毎年2月に見直しの議論がなされ、議事録も作成されている。就業規則や倫理規定は病院で作成され、健診センターにも適用されているおり、一部に茅野市の規定が運用されている。中長期計画に則り、昨年は健診センターをリニューアルオープンされた。
 組織体制では、健診センターは病院長直属の部門として組織図に記されている。組織図上では健診センターの運営会議が、幹部会の意志決定機関に位置付けられており、実態に即さないので、改訂が望まれる。財務は会計手順に従い適切に処理されており、業務日報にも会計担当者と収受担当者の記録が残されている。決算では、明細な説明資料を作成して茅野市議会の承認を得ている。
 情報システムに関しては、病院の電子カルテ内に健診システムが取り組まれており、運用管理規定を遵守する体制となっている。また、個人パスワードは60日ごとに変更するなどセキュリティー対策が講じられている。
 委託業務に関しては、茅野市の入札方式により業者が決定され、評価や教育研修を行う仕組みがある。診療材料はSPD方式で業務委託しており、薬剤は適宜定数を見直して病院の用度課に変更を依頼している。
 安全衛生管理では、病院の委員会にセンターからも保健師が参加している。職員の健康管理と防災訓練は適切に実施され、感染性廃棄物等の処理も適切である。
 企業や健保組合との契約は適切で、データのフィードバックを行うなど信頼関係の維持に努めている。また、病院祭や茅野市健康の集いに参加するなど地域との交流を重視している。

2.受診者の満足と安心

 婦人科専用の待合の設置や、女性技師の対応、乳がんと婦人科健診は毎日実施されるなど利便性の配慮に努められている。受付手順やQ&Aなどが揃えられているが、詳細でない点や現実に即していない点があり、検討されたい。問診については手入力であるため、ヒューマンエラー防止の観点から、入力方法については検討の余地がある。
 検査の担当者名は明示されており、アレルギー等の情報はシステムから参照が可能である。待ち時間対策として、消化管検査では呼び出し方式をとるなど改善を行っており、記録として残されている。
 施設内の環境整備については、おおむね良好である。X線や内視鏡は病院の検査室を利用しているが、一般患者との接触を避ける工夫がある。
 プライバシーに関しては、以前オープンスペースで行われていた問診や身体計測等が原則個室化されており、適切である。名前を呼ぶことを希望しない受診者への配慮があり、検体の回収も迅速である。また、検査結果の取り扱いについてもマニュアル化はされ、概ね適切に実施されている。今後もプライバシー保護の観点から、継続的な強化、検討をお願いしたい。
 検体検査は病院で実施しており、マニュアルも病院で作成し、内部および外部精度管理も適切である。しかし、その実態については健診センターに報告・周知した記録が残されていない。また、日常点検のチェックリストも不十分で、マニュアルにも具体的な手順についての記載がない。検査機器の管理においても、トラブル対応記録はあるが、どのトラブルに対してどのように対処したのかが記録されておらず改善が望まれる。
 受診者からの意見はアンケートにより収集されているが、受診者からの投書だけであり、回収も定期的ではない。業務改善では、改善記録が不足しているものもあるが、前回の指摘事項のほとんどにおいて改善がなされている。
 セーフティーマネージメントに関しては、事故やインシデントの収集と分析は行われているが、今後は系統だった分析を行って、傾向を把握し改善につなげることを期待する。急変時の対応として、BLS研修など、よく取り組まれている。感染対策としてはマニュアルが作成され、職員へのワクチン接種も行われている。

3.人間ドック健診の質の確保

 昨年より女性医師がセンター長として赴任しており、その他の医師は病院との兼務である。医療職では保健師4名が専任であり、検査技師は病院との兼務であるが、女性技師を配置しており女性受診者にも安心できる体制となっている。
 教育に関しては、病院と一体となって部門毎に教育計画を策定して実施され、センターとしても教育計画を策定し、それに沿った取り組みが行われている。今後は実施記録を確実に残し、未受講者への周知と確認のチェックが望まれる。
 検診項目は日本ドック学会の基本項目に準じおり、見直しも定期的に実施され、判定区分も概ね準拠している。画像診断は専門医とのダブルチェック体制である。
 当日の医師による結果説明は、シングルチェックではあるが画像診断も含めて全受診者に対して実施されている。さらに、保健師による保健指導が全受診者に対して行われており高く評価する。本年度より管理栄養士による栄養指導が開始され、今後に期待したい。さらに、運動指導やロコモティブシンドロームへの対応も進められている。
 受診後のフォローアップでは、精密検査や治療が必要な受診者へのフォローアップは、適切に実施されている。また、追跡調査が必要な受診者の中で、未受診者に対しては、3カ月、6カ月後に受診勧奨の葉書を送付している。また、各種マニュアルについてもより実態に即した内容が求められるものであり、検討されたい。
 学会活動が活発であることは評価するが、発表するだけではなく文書としての公開も検討されたい。

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