日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

豊田厚生病院

総合評価

 豊田厚生病院健康管理センターは病院併設型の健診施設である。同病院は愛知県厚生農業協同組合連合会により運営される標榜38科、600床の総合病院であり、豊田市における中核病院の役割を果たしている。平成20年に新築移転し、建物は免震構造で災害時の災害拠点病院にもなっている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約3,100人(継続受診率80.3%)、その他の健診が約16,000人であり、着実に実績を伸ばしている。本機能評価は平成25年に初回認定を受け、今回が初めての更新審査である。
 運営のための基本体制の面では、JA愛知厚生連の規定に沿って事業計画などが作成され、病院の一部門としての体制が確立している。
 受診者の満足と安心の面では、病院2階の健診専用フロアは明るく清潔感が保たれ、基本的な検査はすべて実施されている。前回の機能評価受審時の指摘事項に対して改善に着手しており、人間ドック案内書やトラブル発生時のマニュアルが作成されている。地域医療機関との連携も図られており、年に1回、受診者を対象とした健診セミナーや、地域医療連携課による地域連携の勉強会が開催されている。受診者の意見・要望に対する改善や、健康管理センター全体の統計を記載した年報の作成など、センターとしての質を良くする体制が構築されている。
 健診の質の確保の面では、検査項目は日本人間ドック学会の基本検査項目に準じている。精密検査は併設病院でも実施可能である。地域医療連携課では、受診者が居住する地域における医療機関の診療科や得意な分野、可能な検査を記載したリストを作成して、受診者の利便性を図っている。追跡検査が必要な受診者に対するフォローアップについては、平成29年より受診6ヶ月後に受診勧奨文書を送付しており、把握実績も確認できた。今後、追跡検査の結果を保健指導などで活用することを期待したい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 健康管理センター独自の理念および基本方針、受診者の権利を定め、院内掲示やホームページ、パンフレットに掲載しており、職員への周知も適切である。職業倫理に関しては、JA愛知厚生連の規定集が整備されており、職員の相談窓口も含め、院内LAN等で職員に周知している。
 事業計画については、JA愛知厚生連の3年毎の中期計画に基づき、病院でも作成し、センターとしての年度目標や事業計画を作成している。事業報告は年報が作成され、主な実績や活動内容について各種会議で報告されている。
 組織体制は病院全体として確立されており、各種の会議体が機能し、施設全体のより良い環境作りに取り組んでいる。センターの運営については毎月の保健事業部会議にて検討されている。料金の収納業務は担当者が定められており、健康管理室課長によるチェックや会議での会計報告が適切になされている。
 情報システムの管理は病院で行われ、緊急時の対応マニュアルの整備や、個別のパスワードによるアクセス制限がなされている。また、サーバー室は病院内の安全な場所に設置されている。
 委託業務の管理については、病院の施設課が窓口となり、選定、契約、評価、見直しが行われている。薬剤や診療材料の在庫管理については、各科による発注や検収が行われ、半期に一度の棚卸しも適切に行われている。
 安全衛生管理については、職員の健康診断が誕生月を基本に実施され、深夜勤務従事者や電離放射線、採用時の健診など、フォローも含めて職員の健康管理は適切に行われている。また、病院全体で防災訓練が毎年実施されている。感染性廃棄物や個人情報に関する書類の処理も、安全かつ適切なマネジメントが行われている。
 企業・健保組合との関係については、渉外の専任者はいないが、契約は円滑に進められている。また、病院の広報誌「カモメイト」の発行(年4回)や、地域住民向けに医師による講演会「健診スクール」を年1回開催しており、健康増進への情報提供に努めている。

2.受診者の満足と安心

 月に2回、土曜日に健診が実施されており、平日の午前に加え火・木曜日の午後に乳がん検診と子宮がん検診が実施されている。
 受付は30分毎の時間差で行われ、上部消化管内視鏡がある場合は早い時間に設定している。対応マニュアルやQ&Aは整備されており、担当者名は診察室や検査室前に明示されている。看護師または保健師が問診を行い、アレルギー等の情報はシステムに入力され、参照が可能である。
 案内係は置いておらず、各検査のスタッフが次の検査に誘導するように教育されている。MRI・CT・内視鏡検査は併設病院で行われているが、スタッフが受診者に付き添って誘導している。動線は病院の受付や外来を経由しないように設定されており、検査時間や待合でも外来・入院患者と交差しないように工夫している。
 施設環境については、十分な広さの待合スペースが用意され、空調は各検査室でも調節が可能である。待合室では、健康に関する雑誌の他、健康情報や乳腺の自己触診方法などがテレビ放映されている。
 プライバシーに関しては、呼び出しは番号で行われ、希望者には名前で対応している。診察室と検査室は個室化されており、一部検査はパーティションで間仕切りされている。採血後の試験管は、メッセンジャーによる運搬でなく、エアーシューターで併設病院の検査室に送られている。
 検体検査は院内で実施され、内部および外部精度管理は適切である。検査機器の管理は、業務およびトラブル発生時のマニュアルが整備されている。
 受診者の声を収集するために、年に4回、待ち時間調査と全受診者を対象としたアンケート調査が行われている。毎月委員会で検討され、病院改善活動の場で発表されており、改善例として、待ち時間短縮のために胃部X線検査装置(MDL)を増設したほか、スリッパの変更、待合室における雑誌の変更、婦人科検診におけるスカートの採用がなされている。
 医療安全管理および感染管理体制は、病院として確立されており、センターからも医療安全対策委員会に参加している。インシデントの分析、報告が行われ、急変時対応の仕組みや、感染対策マニュアルが規定されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制については、健診管理医師が今年度人間ドック認定医を取得予定である。読影体制、結果判定、症例検討は、併設病院の各科専門医と連携がとられている。医療職、事務職ともに、健診専任と病院兼務者により、十分な人数が確保されている。
 職員教育は病院と一体で実施され、全職員対象に学会や研修会への参加規定も作成されている。
 検査項目は、日本人間ドック学会の基本検査項目を実施している。LDL-コレステロールとHbA1cの基準値が本学会の基準値と異なり、病院の基準値が採用されている。これは、再検査や要医療で併設病院を受診する場合の整合性をとり、クレームを予防するためと説明された。画像は医師による二重読影である。
 健診当日の医師による結果説明は午前中に終了するが、実施率は73.7%に留まっている。現在の2診体制から医師の数を増やすことで、待ち時間を短縮し、実施率を上げることが検討されている。
 保健指導に関しては、人間ドックアドバイザーの資格を有する保健師と看護師が実施しており、実施率も高く評価できる。併設病院の管理栄養士の関与も検討されており、今後の取り組みを期待したい。
 精密検査のフォローアップは、併設病院の他、地域の医療機関との連携により適切に実施されており、今後更なる受診率の向上を望む。課題である追跡検査を指示した受診者に対するフォローアップは、平成29年から、受診6ヶ月後に対象者に案内の送付を開始しており、受診率が27.8%となっている。健康管理センターでは有料で再検査を行い、かかりつけ医など地域の医療機関で行った場合は、その返書を集計している。今後、受診者に対する保健指導等において、追跡検査の結果が活用されることを期待する。
 健診の精度と有用性の検討に関しては、センターの実績を年報にまとめ、保険事業部会議で討議して改善に繋げており、学会等での発表も行われている。

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