日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

公益財団法人 岩手県予防医学協会 県南センター

総合評価

 公益財団法人岩手県予防医学協会 県南センターは、平成5年に設立された健診専門施設である。本所である岩手県予防医学協会健康推進課(盛岡市)とともに25年の歴史を持ち、地域医療の中核を担っている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約8,500人(継続受診率78.9%)、その他の健診は約14,000人である。本機能評価は平成25年に初回認定を受け、今回が1回目の更新審査である。
 前回の機能評価受審時の指摘事項については、追跡検査の必要な受診者に対するフォローアップ体制や、インシデントの原因分析などの再発防止策が改善されており良好である。
 「施設運営の基本体制」の面では、規定やマニュアルが整備され、記録類も作成されている。組織体制については、会議体の位置づけや委員会の目的等が明確にされると良い。委託業務管理は適切で、委託業者による従業員の教育が実施されており評価できる。
 「受診者の満足と安心」の面では、快適でプライバシーに配慮された受診環境が整っている。ただし、婦人科エリアでは、検体が人目につかないように配慮が望まれる。受診者からの意見を反映する体制については、アンケートを実施しているが結果の集計と分析は十分とは言えず、また、改善結果の公開も望みたい。
 「健診の質の確保」の面では、医師を含め十分なスタッフが確保されており、読影体制も適切である。各職種に対する年間の教育計画に基づいて、部門毎に研修等を実施しているが、全体を統括する体制が構築されていないので検討されたい。
 健診当日の医師による結果説明はほぼ全受診者に実施されており、その後の保健師等による指導体制も構築されている。今後は、説明内容のさらなる充実や、保健指導実施率の向上に期待したい。フォローアップ体制については、精密検査や追跡検査の経過は把握され、結果を管理し活用している。紹介状の返送内容により再度の受診勧奨を実施し、詳細の把握に努めている。その結果は、事業年報としてまとめられ、県立病院などの関連医療機関に送付している。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針はセンター独自に作成され、職員はネームカードに携帯している。今後、最新の情報や法改正なども視野にいれ、定期的に見直しがなされることを期待する。就業規則などの運営規程は作成され、個人情報保護についてはプライバシーマークも取得して取り組んでいる。職業倫理については、不正発覚時の対応やメンタルヘルスの相談窓口は設置されているが、今後、職員がより相談しやすい仕組みを検討されたい。受診者の権利はパンフレットや施設内で周知されている。
 事業計画は長期、中期、短期目標を制定し、年度毎に進捗管理しており、目標は概ね達成されている。予算書や決算報告書は本所会議にて事務長が報告している。
 センターとしての独自の組織図が作成されており、健診全体を統括する常勤医師も明確にされている。見直しは職員の異動時に実施されているが、最新版の管理を望む。料金の収受と会計処理は適切に行われている。
 情報システムは本所での一元管理であるが、センター内に担当者が配置され、トラブル発生時の対応も確立されている。端末へのアクセスパスワードは全員に付与され、半年に1度更新される仕組みである。
 委託業務管理については、選定基準に基づいて評価を実施して経営会議へ報告している。評価をしてない取引先も存在しており、業務の統一化と記録を残す事を望む。薬剤や診療材料の管理については、部署毎に適正在庫を把握して台帳を作成している。診療材料の管理は本所の一元管理のもとに担当者が実施しているが、看護部門では発注と検収が同一者であり、改善が望まれる。
 安全衛生管理体制については、委員会を組織し、職員の健康診断を実施している。年に2回、消火訓練と避難訓練を行い、スモークマシン体験など活発で実践的な活動がなされている。感染性廃棄物や個人情報書類の管理も適切である。個人情報書類は業者に任せきりにしているので、最終現場での確認を推奨する。
 企業や健保組合との契約は適切で、専任の担当者により契約の見直し等が行われ、毎年更新している。また、事業年報を発行して人間ドックや健康に関する情報を提供している。

2.受診者の満足と安心

 土・日曜日にも年間で19日実施しており、また、レディースフロアを設置して女性受診者に配慮している。
 フロアにコンソルジュを1名配置して、案内マニュアルに沿ってスムーズに案内しており、検査の待ち時間や受診者の体調に応じて柔軟に検査を実施している。検査室や診査室には担当者名が明示されており、アレルギー等の受診者情報はスタッフで共有されている。
 受診環境については、空調管理は適切に行われ、観葉植物や掲示物、雑誌等は定期的に見直しが行われている。
 プライバシーの確保に関しては、名前を呼ぶことを希望しない受診者への対応は適切である。各検査室は個室で、他の受診者からの視線等に配慮されている。婦人科エリアでの尿検体が人目につかないように、配慮される事が望まれる。検査結果の説明や取り扱いに際してもプライバシーに配慮されている。
 検体検査のマニュアル、異常値・パニック値に対するフローが作成されており、内部および外部の精度管理も適切である。検査機器の定期点検は適切に実施され、トラブル発生時には調査の上、リスク軽減や業務改善に役立てている。
 受診者の声の把握については、アンケートの実績が2年間で85件と少なく、結果の集計と分析は十分とは言えない。今後、意見箱の活用も含め、検討されたい。業務改善に対しては、定期的にミーティングが行われ、業務改善箱で職員からの提案を促す仕組みもあり、適切に取り組んでいる。
 セーフティーマネジメントについては、インシデント・アクシデントレポートは委員会にて予防策が検討されている。受診者の急変時対応として、救急カートの薬品のチェックがなされ、救急時の対応訓練を毎年実施し、全職員がBLSを受講している。感染管理については、マニュアルに沿って実施され、受付時に発熱等、受診者への確認が行われている。職員への予防接種の実施も適切である。

3.人間ドック健診の質の確保

 適切な医師数が確保されており、人間ドック認定医が健診に従事している。今後、その他の専門医のさらなる関与を期待する。保健師や管理栄養士、検査技師などの関与は適切で、保健師は人間ドックアドバイザーを有しているなど資格取得も行われている。事務職員も適正な人数が在籍している。
 職員教育については、年間計画に基づき実施され、年度末には次年度の方針やリスクマネジメント、個人情報保護など幅広い内容を盛り込んだ職員全体の研修会も実施している。外部の研修に参加できる仕組みもある。しかし、教育全体を総括する部門がなく、各部門での実施であるため、今後検討されると良い。
 検査項目は、人間ドック学会の基本検査・オプション検査項目が実施されている。画像は、放射線科医による遠隔読影との二重読影体制である。判定基準は人間ドック学会の判定区分に準拠している。検査結果は適切に保管され、過去のX線画像は参照可能であり、結果表には過去2回分の結果が並記されている。
 健診当日の医師による結果説明は、ほぼ全員に実施しており良好である。一人あたり5分~10分であるが、医師が必要と判断した場合は画像検査等も可能な限り参照できるよう対応している。
 保健師による保健指導は11%、管理栄養士による栄養指導は7%の実施率であり、運動指導は保健師等が対応している。
 健診後の対応については、結果に関する質問等への対応フローがあり、記録も適切である。フリーダイヤルの相談窓口は保健師が対応している。
 精密検査のフォローアップは、受診勧奨を電話や書面で行い、未受診者には4ヶ月後に文書にてさらに受診勧奨を行っている。精密検査の指示率と実施率は概ね適切で、心電図と眼底、眼圧検査は今回の受審を機に紹介状を発行する体制に改善されており、継続的な取り組みを期待する。追跡検査のフォローアップは、6ヶ月後に文書にて受診状況を確認している。過去の追跡検査結果は診察時にもシステムで参照可能であるなど、管理と活用がなされている。紹介先医療機関リストがあり、紹介先との情報交換が行われている。
 健診の有用性の検討については、人間ドック学会の調査に参加し、調査資料は職員にも周知して分析している。健診結果を集計して、専門医による学術委員会で報告しており、学会発表もある。人間ドック学会への発表は協会本所として行われており、今後、県南センターからの発表も期待したい。

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