日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人 近畿健康管理センター
KKCウエルネス新大阪健診クリニック

総合評価

 KKCウエルネス新大阪健診クリニックは、一般社団法人近畿健康管理センターが全国8ヵ所に開設する人間ドック健診施設の一つである。平成23年に現在の新大阪プライムタワーに移転オープンしている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約1,700人(継続受診率73.4%)、その他の健診は約23,000人である。本機能評価は平成25年に初回認定を受け、今回は1回目の更新審査である。
 運営は法人本部主体で行われており、グループ内でのマニュアル等は共通で、同一のサービスが提供されている。法人で品質マネジメントシステム(ISO9001)や環境マネジメントシステム(ISO14001)、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC27001)の認証を取得している。平成21年には統合マネジメントシステム(IMS)として受審し、JQA統合マネジメントシステム運用証明書を取得している。本部には医療技術を含めた研修センターがあり、医師や看護師の医療技術の向上だけでなく、事務系職員の医学的知識の習得にも活用されている。
 法人全体の体制が充実している反面、前回の指摘事項でもあるが、施設の独自性という点ではさらなる取り組みが望まれる。
 受診者の満足と安心の面では、事前Web問診や当日のICカードを利用した検査進捗と実施の管理がなされ、待ち時間が短縮されるよう工夫されている。一方で、採血や身体計測で受診者間の仕切りが無く、プライバシーの確保は引き続き改善の余地がある。また、アンケート等の受診者の声に対する回答が掲示されることを望む。
 健診の質の確保の面では、スタッフは非常勤が多いが、医師も含めて十分な人数が確保されている。検査項目はオプション検査も含め充実している。前回の指摘事項であった結果説明については、医師を1人から2人体制として、面接開始時間を30分早めたことは評価できる。但し、面接実施率は約60%であり、更なる向上のための工夫が必要である。検査結果の送付や問い合わせについては、グループ内で一括対応しており、合理的な運用がなされている。
 受診後のフォローアップについては、3ヶ月後に葉書による受診勧奨を開始したことにより、前回受審時より受診把握率が改善している点は評価できるが、追跡検査も含めて、今後も更なる取り組みを期待する。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 独自の理念と基本方針は、待合ロビーやホームページで周知されている。受診者の個人情報取扱いについては明文化されているが、今後は、選択の自由や自己決定権等を含めた「受診者の権利」として明示されると良い。職業倫理については、規定や委員会が整備されており、問題が発生したときは検討されている。
 中長期計画の作成、事業計画および決算報告は適切に行われている。月次報告も運営会議等でなされ、都度の改善や職員の意見聴取がなされている。就業規則や業務分掌、各種委員会等の規則は法人全体で作成されている。
 組織体制は確立しているが、事業部の組織図にとどまり、健診センター独自の組織図の作成はされておらず、明確ではない。会議体、委員会は適切に開催されており、特筆すべきは、クリニックの運営会議(IMS推進委員会)、労使職場懇談会、フロントミーティングが開催され、日々の業務の問題点、課題などについて、現場の職員から経営的な立場の職員まで各方面から意見聴取を行っている。検討結果や方針内容は職員に周知され、情報の共有化も図られている。
 健診システムは本部で一元管理され、クリニック内の端末はパスワードやログ管理が厳重になされている。委託業務も本部で契約しているが、健診に関係する業者にはクリニックでも内部精度管理を行い、評価している。
 安全衛生管理については、職員への健康診断が行われ、防災訓練はビル全体と施設独自で行われている。感染性廃棄物や個人情報関係の書類の管理もおおむね適切であるが、医療廃棄物の保管室には使用前と使用後の容器が置かれており、スペースの問題もあるが今後は使用前の容器は別室保管が望ましい。
 企業や健保組合との契約は適切で、ホームページやセミナーの開催など健康情報の提供に努めている。

2.受診者の満足と安心

 毎週水曜日をレディースデーとしている。超音波やマンモグラフィ、乳房触診室、婦人科診察室を集約させたレディースゾーンも設けている。インターネット予約や事前のWeb問診等、健診当日の効率化に向けた取り組みも導入している。
 受付は来院順に番号札を発行しスムーズである。受診者毎にICカードを発行し、各検査の通過管理と待ち時間対策が行われている。問診は、事前にWeb問診で入力された内容を、看護師がタブレットで確認しながら行われている。各検査室前には担当者名が掲示されている。
 受診環境については、間接照明により落ち着いた雰囲気で、清潔感があり良好である。室温管理の測定者名や測定時間の記録を望みたい。車いす用のトイレなどバリアフリーに配慮されている。平成16年から職員の禁煙活動を開始しており、禁煙外来も活用して、現在は全職員が禁煙者であり評価できる。食事は近隣の飲食店と提携しており、今後はメニュー内容に施設からの関与も期待したい。
 プライバシーに関しては、受付カウンターは隣の受診者と十分な間隔が確保されており、名前の呼び出しの可否を確認して番号でも対応している。検査室は個室化されているが、血圧測定と身体計測は他の受診者から見える部分があり、採血も隣の受診者との間に衝立等が無いので、さらなる配慮が必要である。尿及び便検体の受け取りや保管、搬送は十分な配慮がなされている。
 検体検査は外部委託されているが、サーベイの結果等は評価を含めて確認されている。検査機器は始業前点検が行われ、各マニュアルが整備され、一定した検査が提供できる体制である。
 業務改善体制については、受診者アンケートと意見箱の意見を毎月の定例会議で検討し、サービス向上に活用している。検討結果は待合室への掲示も望みたい。
 セーフティーマネージメントについては、インシデント・アクシデント報告と再発防止策の検討、評価が行われている。トイレには緊急時呼出ボタンが設置されている。感染対策については、内視鏡検査室と洗浄室が同室で仕切り等が無く、今後は清潔域と不潔域の区分が望まれる。職員へのインフルエンザ予防接種が毎年実施されている。B型肝炎と風疹については、抗体価の確認が行われ接種の勧奨は行われているが、ワクチン接種は任意である。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師体制については、人間ドック認定医・健診専門医、各科専門医が関与している。医師と医療職の資格は原本による確認がなされ、原本は本部に保管されている。一部に確認日と確認者の記載がない書類があり、改善が望まれる。
 職員教育は、法人グループ内共通の教育計画に基づき、複数回の開催や欠席者への伝達講習により徹底されている。新人教育は業務内容が項目化され、指導者による評価基準も明確である。法人本部で教育規定と社内認定資格が明文化されており、能力は3段階で評価され、評価者は能力3の職員が担当している。知識や経験による実務能力と認定資格との整合性がより明確になると良い。医師への教育も規定に基づき、診察や読影について指導医の評価が行われている。
 検査項目と基準値については、人間ドック学会の基準に準拠しており、オプション検査も充実している。画像検査はグループ内で二重読影され、非常勤の循環器専門医や眼科専門医が読影に関わっている。
 健診当日の医師による結果説明は、画面でわかりやすく説明されている。しかし、画像所見が間に合っていない曜日があり、今後は曜日や面接医に関係なく、同一の検査結果を説明できる体制作りが必要である。説明実施率は58.3%と低く、向上に向けた取り組みが開始され実績も出てきているため、継続的な改善を望む。
 保健師による保健指導が行われており、今後は実施率向上のためのさらなる体制作りを望む。栄養指導は記録等の整備が開始されたところである。
 受診後のフォローアップについては、本部で管理し、精密検査や追跡検査の未受診者には3ヶ月後に葉書による受診勧奨がなされている。しかし、精検受診率は項目によっては低率であり、さらなる改善を求める。受診者の希望に沿った医療機関への紹介がなされているが、紹介先からの返信率は約30%とやや低率であり、返信を増やすための対応を検討されたい。
 受診勧奨が本部で一括管理されていることもあり、施設毎のデータが分析されておらず、今後は分析と活用が望まれる。紹介先病院や関連病院との症例検討会や講演会等の実施も検討されるとよい。
 健診の有用性の検討については、データはグループ全体で年報としてまとめられている。学会発表にも積極的に取り組んでいるため、今後は人間ドック学会での発表も期待したい。

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