日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

社会医療法人敬和会 大分リハビリテーション病院 敬和会健診センター

総合評価

 大分リハビリテーション病院 敬和会健診センターは、大分市東部地区に位置する病院併設型の健診施設である。平成22年に健診センターの改築が行われており、平成29年の病院リハビリ棟の完成に合わせて、病院名が大分東部病院から変更されている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約1,000人、二日ドックが約50人(継続受診率65.5%)で、その他の健診は約7,700人である。本機能評価は平成25年に初回認定を取得して、今回は1回目の更新審査である。
 運営のための基本体制は確立しており、15年の長期計画に沿って、年度ごとに事業計画と収支計画を立て、事業報告と収支報告がなされている。職員倫理やプライバシーに関する委員会の設置と運用もなされている。各種マニュアルや議事録等の帳票類は整備されているが、受診者の権利と健診センターの組織図については、改善が望まれる。
 受診者の満足と安心の面では、施設内は清潔な環境が維持されており、プライバシーに配慮され、快適な健診が提供されている。乳がん検査は女性技師が対応し、待合では女性専用の長椅子が準備されるなど、女性受診者に配慮されている。X線検査と内視鏡検査は併設病院で実施されているが、健診専用の待合いがあり、外来患者と健診受診者の混在を回避する工夫をしており評価できる。
 健診の質の確保については、医師や医療職、事務職の体制が整っており、職員の専門教育は年間の教育計画に従って適切に実施されている。ただし、人間ドック健診専門医の退職に伴い、健診担当医師の人間ドック認定医取得が望まれる。健診結果の判定はダブルチェック体制で、医師による結果説明や保健師による保健指導は受診者全員に実施されていることは評価に値する。
 受診後のフォローアップについては、精密検査の指示率が一部の検査で高値であり、検討が望まれる。今回の受審を機に、高血圧症や糖尿病、脂質異常症等の対象者に対して追跡検査のしくみが開始されており、今後も積極的な取り組みに期待する。健診結果は分析され、人間ドック学会等への発表が積極的に行われている。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 健診センター独自の基本理念と基本方針が作成され、待合ロビーやホームページ等で周知されている。受診者の権利は「患者の権利」と兼用になっており、健診受診者用に作成することを期待する。就業規則や業務分掌、各種委員会等の規則は法人全体で作成され、職業倫理に関する体制もおおむね整備されているが、ハラスメントに対する規定の作成を望む。
 15年の長期計画を基に、事業・収支計画を変更しながら運営を行っている。長期計画は、人間ドックや健診に関する活動についても記載されることを望む。年度前に各部門から計画や要望を聴収し、役員会での承認後は部門会議にて周知されている。毎月の計画と実績を数値化して運営会議にて検討するなど、職員全員が経営に参画する体制が構築されている。
 組織体制は適切であるが、組織図は病院の一部にとどまり、指揮命令系統が明確でないので、センター独自の組織図の作成が望まれる。会議体や委員会は適切に開催されており、特に健診会議は日々の業務の課題の検討がなされ、運営会議の結果や方針が周知されるなど、情報共有が図られている。料金の収納は窓口で効率よく行われ、会計報告は病院の医事課から日報が経理部に報告され、経営会議に提出されている。
 健診システムは本部で一元管理されている。パスワードは定期的に変更され、端末のログ管理により厳重にアクセス制限がなされている。しかし、個人の帳票管理体制は、棚の施錠や取り出し記録など検討を望む。
 委託業者管理は病院で行われ、健診部門でも業務評価を行っている。薬剤や診療材料は定期的に棚卸しが実施され、その都度病院から補充供給されている。今後、健診センターとしても管理に関与があると良い。
 安全衛生管理については、委員会を開催し、職員の健康診断や防災訓練は適切に実施されており、感染性廃棄物や個人情報の保管や廃棄も適正である。
 企業・健保組合との契約は適切で、ホームページや広報誌、講和などのイベントで健康情報の提供に努めている。

2.受診者の満足と安心

 女性への配慮として、乳がん検診は毎日実施しており、乳房撮影は女性技師が対応している。子宮がん検診は提携する施設にて毎日実施が可能である。また、事前に送付する受診案内書はわかりやすく適切である。
 受付は時間差でスムーズであり、受付手順や健診中の質問への対応はマニュアルが整備されている。問診にて、看護師から検査の注意点が説明されている。看護師1名が案内役として配置され、受診者の体調に応じた検査を実施し、待ち時間の無いように柔軟に対応している。検査室や診察室には担当者名が明示され、職員は名札を着用しており、担当者は明確である。受診者の既往歴等の情報は検査前に確認され、システム内に記録されている。
 施設内の案内表示は見やすく、健康情報雑誌など待ち時間への配慮がある。スリッパは使用後清拭されているが、清拭済みの表示が無いので検討が望まれる。
 プライバシーの確保については、名前の呼び出しを希望しない受診者には番号で対応している。受付は2~3列で行われているが、受診者間の仕切りが無いので設置が望まれる。検査室や診察室は個室化され、身体計測など一部の検査はパーティションで仕切られている。採尿カップには受診者氏名が貼付されており、検討が望まれる。個人情報の取り扱いについては、規定を整備し、配慮されている。
 検体検査は併設病院の検査室で実施され、内部および外部精度管理は適切である。検査機器の管理も適切で、トラブル発生時の対応マニュアルが整備されている。
 アンケートや待ち時間調査、女性受診者の満足度調査を行い、受診者の要望を把握して業務改善に取り組んでいる。改善点は職員間で回覧し、センター内にも掲示されている。前回の機能評価受審時の指摘事項は改善が行われており、評価できる。
 セーフティーマネージメント体制は確立しており、インシデント・アクシデントレポートが報告・分析され、再発防止について検証されている。受診者急変時の対応マニュアルが整備され、対応訓練が行われている。感染防止に関しては、マニュアルが整備され、職員への予防接種も適切に実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 職員の体制については、各専門医が適切に業務に従事している。健診担当医師が2020年度に人間ドック認定医を取得予定である。看護師や検査技師等の医療職、事務職の体制は整っており、必要な専門資格が取得されている。
 職員教育は、年間の教育計画のもとに研修会が実施されており、外部の学会等に参加できる仕組みもある。専門的な教育は、各職種で実施できる体制であり、知識や技術の向上のために各専門職の勉強会を定期的にセンターで実施している。
 検査項目は適切で、定期的に見直しが行われている。画像検査は健診担当医師と放射線科医師によるダブルチェック体制となっている。眼底や心電図は健診担当医師が判定しているが、必要に応じて専門医による遠隔読影の体制がある。過去の健診結果はシステム管理され、画像を含めて簡便に参照でき、比較読影や判定に活用されている。
 健診当日の医師による結果説明は午前11時から開始され、その後に保健師からの保健指導が受診者全員に実施されており評価できる。
 健診結果についての質問や相談については、対応マニュアルが整備され、質問内容に応じて医師や看護師等の各専門職から回答する体制となっている。しかし、質問内容の記録や検討が十分とは言えず、今後適切な管理が望まれる。
 受診後のフォローアップ体制については、精密検査の受診勧奨が実施され、実施率も適切である。しかし、上部消化管X線や便潜血検査で、精密検査指示率が高値であり、継続的な検討を求めたい。生活習慣病の追跡検査については、今回の受審を機に体制が整備され、受診勧奨文書を6ヶ月後に送付している。手順書も整備され、実績も確認できたため、継続的な運用を望みたい。紹介医療機関については、受診者の希望に応じて適切に紹介している。
 健診の有用性の検討については、人間ドック学会やその他の調査研究に参加し、精度や有用性について検討している。自施設において、経年的に健診結果が集計されているが、分析が不十分な個所もあり今後の取り組みに期待したい。人間ドック学会やその他の学会に毎年演題発表があり、評価できる。

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP