日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

高知赤十字病院 健康管理センター

総合評価

 高知赤十字病院・健康管理センターは、昭和33年に設立した歴史のある健診施設で、JR高知駅から徒歩5分の立地にあり、県外からの受診者も多い。本施設は、救命救急センターを有する病院の併設施設である。
 年間の受診者数は、一日ドックが約1,200人、二日ドックが約340人(継続受診率84.0%)で、その他の健診が約4,000人である。本機能評価は平成25年に初回認定を受け、今回が初めての更新審査である。
 「施設運営のための基本体制」では、理念と基本方針、受診者の権利が独自に定められており、病院の中長期計画をベースに、センターの事業計画と年度目標を策定し、運営委員会でその進捗を確認している。また、実態に即した組織図が作成され、料金の収受は複数の職員が担当することで内部牽制が働いている。
 情報システム、薬剤および診療材料、及び安全衛生に関する管理体制は整備されているが、委託業務の選定については明確な選定基準が確認できず、改善が望まれる。企業健保との契約は適切で、地域住民に対して健康相談や公開講座を実施している。
 「受診者の満足と安心」では、女性の医師と技師で対応できる体制があるが、日祭日のオープンやレディースデイは実施されておらず、現在検討中である。受付もスムーズに対応しているが、時間差受付や並列受付は行っていない。病院の検査室で実施している検査では、一般外来患者との接触をできるだけ避けるように配慮している。施設環境では、女性更衣室が受付入口から最も遠く手狭であるが、2年後に計画されている改装の際に、改善されることを期待する。セーフティーマネージメントでは、アクシデント報告はあるが、インシデントが0件であり、報告体制を再検討されたい。
 「健診の質」では、スタッフ体制は整っており、検査項目及び判定は適切である。さらに当日ほぼすべての受診者に対して医師による結果説明と、保健師と看護師による保健指導が実施されている。
 受診後のフォローアップ体制も整っており、健診結果が集計され、各種調査に参加し、学会に参加している。
 以上のことから、総合的見地から人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針、受診者の権利は独自に定められており、受付に掲示し、ホームページにも掲載している。職業倫理規定は病院で作成され、違反行為に対してはセンター長が窓口となっているが、倫理委員会にはセンターからは常時出席していない。管理運営に関しては、病院の3か年計画を基にセンターの事業計画を作成している。予算書と決算書は病院で作成し、センター独自では作成していないが、管理会議でその進捗を確認し進められている。
 組織図が作成され、会議体などと関連付けられており、指揮命令系統が明確で、見直しも行われている。健診料金の収受は、職員相互の牽制の意味合いから、複数の担当者で業務を行い、日次と月次の決算処理や未収金管理も適切である。
 情報システムの管理に関しては、マニュアルを作成し、アクセスに3段階の制限を設け、パスワードも3か月毎に変更するなど適切である。また、トラブル発生時の対応には、トラブルフロー図を作成して対応している。
 委託業務に関しては、契約が恣意的にならないように、規定に則って契約を行っているが、委託先の選定については明確な選定基準が確認できず、改善が望まれる。薬剤や診療材料の管理は、日々在庫管理を行い、年2回の棚卸しを行っている。
 安全衛生管理では、病院で委員会が毎月開催され、決議事項は職員に周知されている。職員の健康管理と防火・防災訓練は適切に実施され、感染性廃棄物の処理も適正で、個人情報に関する書類は適切に廃棄している。
 企業や健保との契約は適切で、情報提供に関しては、地域住民に対して「高知赤十字病院フェア」を開催し、保健師による健康相談を実施した。また、日本消化器病学会の市民公開講座での講演や、地域へ出かけて行う健康講座で「禁煙指導」を行うなど、地域に密着した取り組みを行っている。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、検査に応じて女性の医師や技師が対応し、二日ドックでは、受診者の要望に応じて二日目の開始時間や終了時間が調整されている。ただし、日祭日のオープンやレディースデイの設定はなく、現在検討中である。
 受付と検査開始時の対応は適切で、当日追加可能なオプションが掲示板に表示されている。受診者からの質問や体調不良時の対応については、マニュアルとQ&Aが作成され、担当者にも周知されている。担当者の表示は適切で、コーディネーターが混み具合を把握して適切に誘導している。病院で行う検査では、一般患者との接触をできるだけ避けるように配慮している。看護師により電子カルテ内に既往歴等の情報が記載され、スタッフ間で共有し、次年度にも役立てている。
 施設環境については、マッサージチェアや絵画、観葉植物などを配置している。女性更衣室は受付から最も遠く手狭であるが、二年後の改装の際に対応される予定である。
 プライバシーに関しては、名前で呼ぶことを希望しない方へのお知らせが案内文書に記載され、受付と更衣室前にも表示されている。身体測定等の検査室と内視鏡室は個室ではないが、間仕切りをして検査値等が見えないように配慮されている。しかし、診察室にはスタッフ用通路があり完全個室ではなく、カーテンをしているものの声が漏れる可能性があるため、何らかの対応が望まれる。検体の搬送時、受診者の動線と重なるが、布でカバーするなど配慮されている。
 検体検査は病院の検査部が担当し、内部及び外部精度管理は適切である。始業点検や定期点検などの検査機器の管理は病院と一体で実施されている。
 受診者からの意見の反映については、年に1回、2週間アンケートを実施し、回収率は90%と高い。意見や要望は質改善定例会で検討し、内容を一覧にして開示している。前回の指摘事項は、訪問審査後直ちに改善されている。
 セーフティーマネージメントは病院と一体でマニュアルが作成され、事故やインシデントを報告し、検討する仕組みがある。しかし、昨年度はインシデントが0件、ヒヤリハットが10件と少なく、再検討が望まれる。受診者の急変に対しては、マニュアルにそった訓練を実施し、病院のBLS講習にも参加している。感染対策については、センターでマニュアルを作成し、職員は医療安全研修会に参加して、感染対策に取り組んでいる。職員へのインフルエンザやB型肝炎ワクチンの接種を実施している。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制については、人間ドック認定医及び専門医が1名専従で勤務しており、非常勤医師も専門医である。医療職の体制も充実しており、管理栄養士や診療放射線技師などの専門技師も、併設病院からの応援体制が取られている。ただ、超音波検査士と胃がん検診専門技師が不在であり、今後の資格取得を期待したい。
 職員教育については、病院で教育プログラムが作成されており、階層別・専門別研修が計画されている。その内20の研修にセンター職員が参加している。専門別教育では、医師については、複数の学会や講習会に参加し、保健師と看護師は年間15回の学習会を開催し、人間ドック学会の保健指導講習にも参加している。また、事務職については、採用時研修の他、接遇研修や医事勉強会などに参加している。
 検査項目と判定基準は人間ドック学会に準拠して実施している。検査結果の判定に関しては基本ダブルチェック体制で、胸部X線と上部消化管X線画像は専門的な知識を有する医師が読影し、心電図は循環器医が、眼底写真は眼科医がそれぞれ読影しており、総合判定は人間ドック認定医が行っている。
 当日の医師による結果説明については、2名の医師が11時開始で、必須項目以外にも画像も説明されており、ほぼ全員に実施している。また、全受診者に対して保健師と看護師が保健指導を行い、二日ドックの受診者には、管理栄養士が栄養指導を行っている。この他、運動指導については、健康スポーツ医の資格を有する医師が、結果説明時に指導を行っている。
 精密検査のフォローアップについては、発行した紹介状の返信状況を3か月毎に調査し、未受診者に対しては受診勧奨している。追跡検査者については、1か月後、3か月後に紹介状を発行し、その追跡調査も4か月毎に実施して受診状況を把握しているが、実施率が低率のため、対策を望みたい。
 健診の精度や有用性については、検査異常者数等のデータを経年的に集計している。また学会等の調査に参加し、その分析結果を国内外の学会で発表している。

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP