日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD%EF%BF%BD

総合評価

 社会福祉法人恩賜財団 済生会神奈川県病院は、大正2年に全国済生会の第1号病院として開設され、平成25年には100周年を迎えた歴史ある病院である。予防医療センターとしては、平成22年より同病院の健診部門としてスタートし、人間ドック、生活習慣病健診、法定健診などの健診事業をはじめ、地域住民の健康サポートに努めてきた。
 年間の受診者数は約800人と、現状は小規模であるが徐々に実績を伸ばしており、今期は既に1,000人を超えている。その他の健診も年間約3,300人を受け入れている。本機能評価は、平成24年に初回認定を取得し、今回が初めての更新審査である。
 「施設運営のための基本体制」では、済生会の理念とセンター独自の基本方針に沿って、事業計画や組織体制が確立している。情報システムや委託業務、薬剤及び診療材料、安全衛生管理等の管理体制は病院と一体で実施しており、適切である。また、病院の情報誌や神奈川区民まつりへの参加、健康セミナーの開催など、地域に根ざした交流活動も評価できる。
 「受診者の満足と安心」では、平成28年に病院新棟(西館)の3階部分に移設され、健診環境も大きく改善されている。MR・CT・マンモグラフィ・骨密度検査は病院で実施されているが、距離的にも近く誘導係も付けている。限られたスペースの中でプライバシーにも配慮されているが、肺機能検査室が物品置き場と併用となっているため、改善を望む。今後の課題としては、婦人科検診の施設内での実施や土曜日オープンを前向きに検討されたい。
 「健診の質の確保」では、病院を中心とした各種委員会による改善活動の実践や学会や研修会への参加など、病院全体のレベルアップに向けた活動も積極的である。
 当日の医師による結果説明の実施率は93%で、その後に保健指導を実施しており、優れている。受診後のフォローアップ体制に関しては、精密検査の指示率と実施率は適切であるが、追跡検査については、体制を整えたばかりで、結果がまだ出ておらず、健診結果を管理し活用しているとは言えない段階であり、さらなる工夫が必要である。
 本施設は医療連携に注目が集まる以前より地域での連携を行ってきており、連携の歴史は長い。今後とも地域医療機関と双方向性を持つ連携を続けて頂きたい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。  

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 済生会神奈川県病院の理念と予防医療センター独自の基本方針を定め、パンフレットやホームページに掲載し、職員に周知されている。職業倫理に関しては、病院の諸規定が整備されており、個人情報保護規定や職員の相談窓口の設置など、適切な体制の中で運営されている。
 事業計画については、病院が5年毎の中期計画および年度ごとの計画を策定しており、済生会本部に承認を得て運営されている。主な事業実績や活動内容については報告書が作成され、各種会議でも報告されている。また、経営改善にも積極的な姿勢で取り組んでいる。センター独自の事業計画や事業報告を作成しているとなおよい。
 組織体制は、病院およびセンターとして確立されている。病院の各種の会議体系も明確に機能しており、センター独自としての改善については毎月開催される運営委員会にて検討されている。財務処理については、収納業務と会計処理の担当者が定められ、上長によるチェックや会議での会計報告も適切である。
 情報システムの管理体制は、病院の経営企画課・システムが担当しており、緊急時の対応マニュアルやアクセス制限の設定、サーバ室の施錠や入退室の記録チェック等は適切である。
 委託業務については、病院に常駐しているSPD業者が窓口となって、業者の選定が行われており、病院の管財課でも日々の業務日誌で流れを確認している。薬剤については、担当者が毎日残薬数を確認しており、年1度の棚卸しの際には薬剤科にも報告を行っている。また、診療材料は、委託のSPD業者が担当し、年度末には合同の棚卸しが行われている。
 安全衛生管理については、職員の健康診断が実施され、防災訓練も昼間用、夜間用に分けて年2回実施されている。また、感染性等廃棄物や個人情報に関するデータも適切に処理されている。
 企業や健保組合との関係は良好で、受診者数の実績も年々伸ばしている。また、病院が発行する情報誌「なでしこ通信」や、神奈川区民まつりへの参加、健康セミナーの開催など、地域に根ざした交流活動も評価できる。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、年に1回レディースデイを設定して、好評を得ており、今後開催日を増やす予定である。女性技師の配置も適切である。
 受付は時間差で対応しており、質問に対する回答や検査の内容についての説明も適切に準備されている。検査室には担当者が明示されており、コーディネーター2名が配置され、進行はスムースである。MR・CT・マンモグラフィ・骨密度検査は病院で実施されているが、距離的にも近く案内係が誘導しており、時間差で外来患者と出会わない工夫がなされている。またアレルギーの有無や既往歴などは看護師により聴取され、各検査部門とも共有されている。
 施設環境では、待合はゆとりある設計で、椅子も十分に用意されており、敷地内禁煙も守られている。食事は弁当が用意されているが、食堂はなく、待合の一部を利用しており、快適な環境とは言い難く、検討されたい。
 プライバシーに関しては、受付は番号で管理しており、検査室はほぼ個室化され、検査値が他人に見えない工夫もなされている。しかし、肺機能検査室が物品置き場所と併用となっているため、改善を望む。問い合わせへの対応はマニュアル化されており、本人確認も適切である。検査や検査機器の管理体制では、業務マニュアル等が作成され、日々の点検記録も残されている。
 受診者の意見を把握するために1カ月間のアンケート調査を実施しており、回収率は約60%で、結果を改善に役立てている。業務改善では、前回の指摘事項であるフォローアップについては体制を整えたばかりであり、今後も継続的な取り組みを期待する。
 セーフティマネージメントに関しては、マニュアルが作成され、インシデント・アクシデントレポートもPC管理で報告され、分析して再発防止に役立てられている。受診者の急変時への対応は明文化され、BLSも積極的に受講し、訓練もなされている。感染防止マニュアルに沿って内視鏡消毒が行われ、予防接種など職員への感染防止対策も費用の負担なく行われている。

3.人間ドック健診の質の確保

 診察は基本的に1名の人間ドック専門医によって行われ、その他の専門医や認定医も業務に従事している。ただし、婦人科医は在籍しておらず、院外の他院に依頼しており、さらなる検討が必要である。看護師や保健師、技師などの医療職のスタッフの人数は適切で、資格書類も確認できる。他の医療機関の閉院により受診者が急激に増加し、事務職員も含め、職員の増員を検討中とのことである。
 職員教育では、医師は主に学会出席にて、看護師や技師、事務職は研修会や学会出席にて、専門的教育を受けている。
 検査項目は人間ドック学会の基本項目を実施しており、オプション等の見直しは年に1度行われ、運営会議で検討されている。検査結果は、当日はシングルチェックの結果で説明し、ダブルチェック後に結果票を送る体制である。判定基準は人間ドック学会の判定区分に概ね準拠している。
 当日の医師による結果説明は、診察終了後から開始して、午後に渡って説明しており、実施率は93%である。その後、保健師により保健指導が行われ、指導した内容は健診システムに入力しており、端末画面では数年分が参照でき、経過観察が可能である。ただし、医師は主に病院の電子カルテを使用しており、健診システムを開く率は低く、保健師の指導内容が医師に伝わりにくい事が考えられる。今後、両者が相互に開けることができるようになればなおよい。
 受診後のフォローアップでは、精密検査の指示率と実施率はおおむね適切であり、結果も管理されている。追跡検査が必要な受診者へのフォローは、対象者に対し3か月後にヘルスチェックシートを送付し返送してもらう仕組みを整えたが、返信率が低く、さらなる工夫が必要である。平成30年5月から新設された生活習慣病センターと連携し、追跡検査対象者に対し外来でのフォローアップを開始した。今回の受審を機に対象者の抽出基準等を整備したため、今後の継続した運用を期待する。
 健診の精度や有用性については、健診結果を分析し、健診の精度について毎年検討されている。今後、人間ドック学会の調査研究にも参加して頂き、ドック学会での発表も検討して頂きたい。

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP