日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人 京都工場保健会 総合健診センター

総合評価

 一般財団法人京都工場保健会総合健診センターは、昭和15年に京都の製造工業関連企業11社によって設立され、人間ドック事業は昭和57年より開始されている。
 年間の受診者数は、一日ドック約13,000人、二日ドックは約40人(継続受診率60.0%)、その他の健診は約12,000人である。本機能評価は、平成23年に認定を取得しており、今回が初めての更新審査である。
 前回の機能評価受審時の指摘事項であった健診当日の保健指導は、今回も実施数は少なく、受診後のフォローアップ体制についても精検実施率の向上等、早急な改善が必要である。
 基本的な管理体制の面では、情報セキュリティマネージメントシステム(ISO27001)認証を取得して運用しており、マニュアル・規定等は作成され適切である。法人本部主体の運営・管理体制であり、総合健診センターの医師を含む職員は他の関連施設等との兼務者も多い。総合健診センターとしての組織図や職務分掌が不明確であり、今回の受審を機に整備されている。各種委員会も本部で開催され、総合健診センターからも参画している。情報システムの管理は、法人の技術部が一括管理しており、マニュアルにより運用されている。個人情報保護に対する配慮は徹底されている。
 受診者の満足と安心の面では、快適な施設環境が確保され、日曜日のドックやレディースデーを設ける等、安心して健診が受けられる体制が整えられている。
 健診の質の面では、医師による当日結果説明は受診者一人当り5分程度であり、内容の充実を望む。指導体制についても、人間ドックの結果に基づいた多岐にわたる指導がより多くの受診者に提供されることを期待する。健診後は、精密検査や追跡検査指示者への受診勧奨が行われているが、経過の把握と活用の取り組みは更なる充実を期待する。
 基本的な運用体制は確立し、健診も適切に実施されている一方で、人間ドックで重要な、受診者に対する積極的な働きかけが十分とは言えず、今後は結果説明や保健指導、フォローアップを積極的に行う仕組みを構築し、実行することを期待したい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 法人理念は、院内掲示及びパンフレット等に記載して周知を図っている。総合健診センターの基本方針は、明確に周知されることを望む。職業倫理については、規程及びハラスメント防止マニュアル等が作成され、職員周知のための研修も実施されている。受診者の権利は明文化されている。中期計画・事業計画・予算書・事業報告・決算報告等は、法人で作成され、職員公開も実施されている。
 組織体制は、法人内で人間ドック以外の業務との兼務職員も多く、センター内の職務分掌や組織図が不明確である。今回の受審を機に整備されたため、継続的な管理を望む。健診料金の収受は受付担当者により手順書に基づき遂行され、会計処理も最終的には本部で適切に処理されている。
 情報システムの管理体制は確立し、施設外にある法人の情報技術部にて一括管理し、サーバー等もリモートコントロールしている。委託業務の管理は、契約書が適切に更新・保管されているが、清掃業務従事者への教育体制は明確でなく整備を期待する。薬剤や診療材料の在庫管理は、マニュアルが作成され、在庫管理・棚卸が適切になされている。
 安全衛生管理体制については、安全衛生委員会が開催されており、職員健診の実施や、防災訓練の実施とマニュアルの整備がなされている。感染性廃棄物、個人情報に関する書類も適切に処理されている。
 健康保険組合・企業等との契約は、更新も含めて管理されているが、一部の契約で内容の見直しが十分でない点も見受けられたため、整備されたい。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮については、月1回の日曜日ドックを実施しており、女性の受診者に対しては女性の職員が担当し、レディースデーも設定されている。事前の受診案内書は適切である。
 受付は、マニュアルやQ&A集が作成され、適切に対応されている。検査開始時の説明は事務職員より行われている。検査の案内マニュアルがあり、フロアにはコーディネーターが配置されている。クリニックで行う上部消化管内視鏡検査等は、一般外来患者と動線が重ならない様に配慮されている。受診者の既往歴・治療歴・アレルギー歴はシステムで管理され、受診前日にスタッフミーティングで確認されている。
 施設環境は快適に維持されており、待ち時間への配慮として雑誌等が置かれ、敷地内は全面禁煙である。食事提供は周辺の飲食店へ委託しているが、今後はメニューの栄養管理等にも配慮されたい。二日ドックの宿泊は外部施設と契約しているが、夜間の安全管理や緊急時対応について施設として把握することを望む。
 プライバシーへの配慮については、呼出は基本氏名であるが、番号での対応も可能である。検査室・指導室は個別に仕切られ、検体は人目につかないように配慮されている。
 検査の管理体制については、検体検査の内部・外部精度管理が適切に実施されている。生理機能・超音波・放射線検査の業務マニュアルや、機器トラブル発生時のマニュアルも作成されている。
 業務改善の体制については、受診者の意見把握の仕組みが十分ではなく、アンケート調査回数の増加等を望む。管理会議で業務改善に取り組む仕組みはあるものの、前回の機能評価受審時に指摘されていたフォローアップ体制や保健指導は今回も改善の余地があり、人間ドックにおいて重要な質の部分であるため、継続的に取り組む体制作りを求める。
 セーフティーマネージメントについては、インシデント・アクシデントの報告、検討の仕組み、受診者の急変時対応の仕組みがある。職員の感染防止体制も確立されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制については、人間ドック健診専門医、人間ドック認定医、人間ドックアドバイザーの資格を有した医師が健診に関与している。結果説明の実施時間や保健指導の実施数を見ると、医師や保健看護職の人間ドックへの更なる関与が望まれる。また、保健師の人間ドックアドバイザーの資格取得にも期待する。スタッフへの教育体制は、階層別・職種別の教育プログラムが立案され、専門的教育体制も確立している。
 検査項目は、日本人間ドック学会の基本検査項目に準拠している。結果判定は専門医により実施され、画像はダブルチェック体制であり適切である。
 過去の健診結果はシステムで管理され、結果説明時や最終結果報告書に提示されている。健診当日の医師による結果説明は、平成27年4月より血液検査を含めて全受診者に実施されている。継続的な取り組みを求めると共に、十分な説明時間が確保出来るような体制整備が望まれる。保健看護職による保健指導、管理栄養士による栄養指導が実施されているが、実施数は少ないため、積極的な取り組みを期待する。
 受診後の連絡体制については、健診結果に関する質問や相談に対応する仕組みがあり、記録が取られ、業務改善にも活用されている。
 精密検査や治療が必要な受診者に対するフォローアップは、前回の機能評価受審時の課題であったが、大きな改善は見られないため、早急に積極的な体制整備を求める。紹介状の発行や健診2か月後の受診勧奨が行われているが、精密検査実施率は概ね50%以下であり、向上のための工夫が必要である。生活習慣病の追跡検査についても、健診7か月後に文書送付による受診勧奨が行われているが、把握状況は十分ではなく、更なる取り組みを望む。紹介医療機関との連携強化が望まれる。また、把握した結果を次回健診に活用する体制の整備にも期待する。
 健診の有用性の検討については、エビデンスが収集され、分析・検討されており、日本人間ドック学会への発表が積極的に行われている。

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