日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人社団 協友会 柏厚生総合病院 健診センター

総合評価

 医療法人社団協友会 柏厚生総合病院健診センターは、病院の健診部門として、隣接する別棟。平成23年に健診単独施設の「人間ドッククリニック柏」として本機能評価の初回認定を受けたが、平成27年4月に病院内に機能を移して人間ドックを運用しており、移転後の施設として今回の更新審査を受審している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約6,800人、二日ドックが約60人(継続受診率80.4%)、その他の健診が約13,000人である。
 施設運営のための基本体制については、健診センターとしての理念や基本方針が定められ、毎日の朝礼で復唱されている。病院の全体会議や委員会に健診センターのスタッフも参加しており、病院と一体で取り組む体制が確保されている。今回の調査で、過去に作成した中期計画の実績や報告が確認できなかったため、今年度作成された中期計画は、経過報告も含めて事業報告を纏めるように改善されたい。
 受診者の満足と安心の面では、柏駅からの無料巡回バスや広い駐車場を用意し、利便性の良いアクセスを確保している。今後、健診センターの入口を示す案内板が外に設置されるとなお良い。病院の外来受付に健診予約のコーナーを設けるなど、来院者が健診予約を取れる仕組みを構築している。ワンフロアに、流れに沿った順番で検査室が設けられており、動線も短くて良い。一部検査がオープンスペースで実施されており、プライバシーへの配慮が望まれる。業務改善の体制については、期間限定で詳細なアンケート調査を実施し、アンケート結果と改善事例はロッカー室に掲示している。
 健診の質の面では、人間ドック健診専門医が関与し、職員教育も適切に行われており、職員体制は整備されている。当日の医師による結果説明は、一日ドックで60%程の実施率であるが、向上の傾向も見られるため、今後80%以上の達成に期待する。説明する項目は多く、さらには当日に一部検査の結果表を渡しており、それらの仕組みは評価したい。一方で、保健師による保健指導の実施率は1%未満であり、専門職による指導体制の充実を求める。また、受診後の二次検査の実施率も低く、検査後のフォローアップ体制は積極的な整備を望む。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 平成28年5月に健診センターとしての中期計画や理念、基本方針等が作成され、ホームページ等に掲示されている。それ以前の中期計画の経過や達成に関しては確認できなかったため、今後報告書の作成を期待する。年度事業計画の数値目標の達成状況などを事務所内に毎月掲示し周知を図るなど、職員一丸となった体制が見受けられる。
 病院全体や健診センターの組織図が作成され、職制別の体制図も作成されている。病院全体の会議や委員会にはセンターの職員も参画しており、月1回、健診センタースタッフミーティングが開催されている。健診料金の収受や会計処理は、病院の組織の中で体制が整備されている。
 情報システムの管理は、業務分担表により担当者を明確にし、マニュアルに沿って実施している。委託業務は規定に則って管理され、評価票を作成して、業者に見直しや対応策を指示している。薬剤等は病院にて定数管理しており、発注と検収も適切である。
 安全衛生管理は病院全体で機能しており、委員会が開催され、職員の健康診断や防災訓練に取り組んでいる。感染性廃棄物は、所定容器に収容されバイオハザードマークも記載され適切であるが、保管場所の外部ドアにハザードマーク等の掲示がないことが惜しまれる。
 健保組合等との契約は適切で、結果や統計のフィードバックを実施している。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、人間ドックは土曜日にも行われている。婦人科・乳腺検査は毎日可能で、検査は女性技師が対応している。検査場所は健診センターの一角に纏められ、扉で区分けして男性が入れないよう配慮されている。事前の受診案内は、検査一覧・オプション表に上部消化管内視鏡の記載がなく、X線検査と差額もあるので明記された方がわかりやすい。
 受付は時間差を設け、3列でスムーズに行われている。受付や検査はマニュアルに基づき対応し、コーディネーターを2名配置して円滑な進行に努めている。CTとMRIを除き、オプション検査も含めワンフロアでの受診が可能であり、受診者の動線も短い。
 受診環境については、移転後間もない新しい施設で清潔感があり、併設病院を含めて敷地内完全禁煙である。センターの正面玄関は病院と別であるが、案内板がなくやや分かりづらい。待ち時間対策については、テレビが4箇所に設置され、検査後は無料の自動販売機で飲み物は自由に摂れるが、食事提供や栄養指導教室などは無く、更なる工夫にも期待したい。
 プライバシーに関しては、呼び出しはすべて番号で行われている。診察・問診・心電図・超音波検査などは個室化されているが、血圧・採血・視力・眼圧検査はオープンスペースで行われており、待合のイスから見える構造である。検査数値が周囲から見えないように対応が必要であり、検査中の姿や声に対しても配慮が望まれる。間仕切り等の工夫を求めたい。
 検査の管理体制は、始業時前に検体検査の内部精度管理が行われ、外部精度管理サーベイにも複数参加している。検査機器の点検は各マニュアルに沿って実施され、トラブル発生時の受診者対応も明記されている。
 業務改善に関しては、期間限定ではあるが案内表示・待ち時間・職員の接遇などについて詳細なアンケート調査が行われ、健診センター会議で検討している。アンケート結果と改善事例は受診者のロッカー室に掲示されている。前回の機能評価認定時の課題に対して継続的に取り組んでいるが、結果説明やフォローアップは更なる体制整備を期待する。
 セーフティーマネージメントは、病院に医療安全管理委員会が設置され、インシデント報告に対応している。感染管理は各マニュアルに基づき対応しており、職員に対してインフルエンザ等の予防注射が行われている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、施設規模に対して医師や看護職、技師、事務員の人数が適切に配置されている。資格として、人間ドック健診専門医やドック認定医、人間ドックアドバイザー、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師、超音波検査士などを有している。
 職員教育は、年間教育プログラムに基づき、受診者の権利や倫理、安全管理などの各種研修が行われている。外部の学会や研究会への参加規定が定められ、各職種が専門的教育を受ける体制が整備されている。
 検査項目に関しては、今回の受審を機に胸部X線が2方向に改善され、適切に実施されている。任意検査項目は健診センター会議で定期的に見直しされ、最近では低線量胸部CTが採用された。画像検査の判定はダブルチェック体制であり、判定基準はドック学会判定区分に準じている。健診結果表は3回分が表示され適切である。
 当日の医師による結果説明は、10~20分かけて計測と検体検査、生理機能検査に加え、ダブルチェック前の暫定ではあるが胸部X線と腹部超音波、上部消化管X線・内視鏡の結果を伝えている。さらに、検体検査と腹部超音波の画像付の結果を会計時に受診者へ渡している点は評価できる。しかし、実施率は60%台と向上の余地があり、待ち時間対策も含めて検討されたい。
 結果に基づく生活指導は基本的に医師が行っている。保健師による保健指導は、医師の指示あるいは本人希望で行われているが、実施はごく僅かであり改善を期待する。
 受診後のフォローアップは、医師面談時と結果表送付時に精密検査と追跡検査の受診勧奨をしているが、実施率は低率である。前回の機能評価認定時に行われていた、未受診者に対する3カ月後の文書での受診勧奨も再開を検討されたい。また、追跡検査の指示はごく僅かな数に限られており、今後積極的に取り組むことを望む。病診連携に関しては、医療機関リストが作成され、紹介状の返書がファイリングされている。
 健診の有用性の検討については、人間ドック学会の調査研究に参加し、過去3年にドック学会で6回発表があり良好であるため、今後も期待したい。

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