日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人 渓仁会 渓仁会円山クリニック

総合評価

 円山クリニックは、医療法人渓仁会が運営する、人間ドックと健診を中心としたクリニックであり、札幌駅から10分程の円山公園近くに位置している。公共交通機関の利便性に加えて駐車場も十分に確保されており、更に遠隔地から来院される受診者には提携ホテルが用意されている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約8,500人、二日ドックが約620人(継続受診率73.8%)、その他の健診は約30,000人である。本機能評価は平成23年に初回認定を取得し、今回が1回目の更新審査である。
 平成24年春に施設内のリニューアルを行い、新型の検査機器を導入して検査内容の充実を図るとともに、初回の機能評価認定時に課題とされた項目について、院長をはじめとする施設職員により検討が十分になされ、改善されている。
 組織と運営体制については、健診及び外来診療業務に関わる体制を強化するため、運営委員会を発足している。更に広報室を設置し、受診者にわかりやすい施設案内パンフレットの作成や、案内表示を改善するなど、受診者目線での取り組みを行っている。
 受診者の満足と安心については、職員の接遇能力の向上のため、専門の指導者による院内研修を行うなど体制の強化を行っている。受診項目の再確認と検査内容・目的を理解していただくために、当日の検査内容を明記した資料を事前に送付するなど、きめ細やかな対応をしている。また、受診時の不安を解消するために、待合スペースのモニターで「検査前の注意事項」や「オプション検査内容」、「受診後のフォロー」等の説明を表示している。新たにキッズルームが設置され、小さい子供がいても受診しやすい環境を整備している。
 健診の質の確保については、検査結果を聞く重要性を明記した資料を送付しており、幅広いニーズに対応するために、午前中から結果説明が行えるよう結果説明担当医の増員を行っている。更に、常勤の消化器内科医と産婦人科医を採用し、検査体制を強化している。医師による結果説明は、10~20分かけて画像検査の結果も含めて説明しており内容は充実しているが、実施率が低いため更なる体制整備を望む。
 専門スタッフによる各種健康指導は適切に行われており、記録も残されている。追跡検査対象者に対するフォローアップについては、受診勧奨はがきを送付するなどの工夫が見られるが、更なる受診率アップを期待したい。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 法人の理念と基本方針のもと、クリニック独自の理念と基本方針が作成され、院内やホームページ、職員用のポータルサイトに掲載して、利用者や職員に周知を図っている。また、職員はこれらの基本運営規定が記載された手帳を常時携帯し、利用している。受診者の権利については、問診表にプライバシーポリシーを記載して同意サインを得るなど、具体的な取り組みが行われている。
 事業計画については、中期5ヶ年計画を作成して、各部署に周知している。毎月の運営会議にて経営状態が確認され、全部署長が集まる会議にてフィードバックされており、職員が一丸となって健全経営に取り組んでいる。
 組織体制は、業務に即した組織図を毎月更新し、見直しがなされている。会議体系は、経営スタッフ会議や部署長会議、実務スタッフ委員会が開催され、意思決定と周知が図られている。料金収受と会計処理は適切に行われており、毎週責任者が集まり状況確認がなされている。
 情報システムの管理体制については、専門知識を有する職員が個人情報管理マニュアルに沿って運用状況を確認し、パスワードは2ヶ月毎に変更するなど管理体制は確立している。委託業務は法人の委員会が定期的に委託業者とミーティングし、評価を行い、改善事項を伝えて改善方針を確認している。薬剤および診療材料は、毎月棚卸をして在庫量を把握している。
 安全衛生管理については、委員会を毎月開催して職場環境の改善を図っており、消防訓練を実施している。感染性廃棄物の処理も適切である。
 企業・健保組合との契約書は適切に交わされており、契約健保及び団体に対して健診結果の集計表を作成し、検査結果の傾向を分析し報告している。定期的に広報誌を発行し、受診者や契約団体に配布している。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、祝日にも受診可能である。早朝6時からの玄関開放や前泊用ホテルの紹介も行われている。女性受診者への配慮としては、レディースフロアが設置され、乳房超音波やマンモグラフィ検査はすべて女性技師により行われている。わかりやすい受診案内書や健康調査票が事前に送付されている。
 受付手順や受付時の質問への対応手順がマニュアルとして整備され、検査開始時には検査の内容や注意点等が説明されている。検査の進行に関するマニュアルが作成されており、多数のアテンダントがフロアに配置され、検査の進行状況に応じて柔軟な対応がなされている。検査時の質問への対応手順も明確である。受診者の既往歴や治療歴、アレルギー歴等は適切に把握され、共有されている。
 施設は清潔で快適な施設環境が整えられているが、院内の二日ドックの宿泊場所については、夜間の巡回や緊急時のナースコールなどの対応を検討されたい。
 プライバシーへの配慮については、名前を呼ぶことを希望しない受診者には仮名にて対応している。検査室や診察室、指導室等は個室化されており、検体は人目につかないように配慮されている。検査結果等に対する守秘義務の規定が作成されており、検査結果の問い合わせへの対応手順も適切に整備されている。
 検体検査はすべて外部への委託であるが、精度管理成績等は定期的に入手して施設内で検討されている。生理機能検査と超音波検査、放射線検査は業務マニュアルに沿って適切に実施されている。
 業務改善については、意見箱の設置やアンケート調査により受診者の要望や意見の把握に努めており、定期的に検討して改善に役立てている。また、前回の機能評価での指摘事項については、多くのものが改善されている。
 セーフティーマネージメントについては、指針が作成されており、インシデント・アクシデントレポートの検討が行われ、再発防止に適切に取り組んでいる。受診者の急変時への対応手順が定められているが、緊急時コールの設定や、必要な場所にはナースコールの設置が望まれる。更に職員のBSL等の受講状況が把握されると良い。感染対策については、感染防止対策マニュアルの内容の充実が望まれる。職員の感染防止として、インフルエンザワクチンやB型肝炎ワクチンの接種状況の把握を望む。

3.人間ドック健診の質の確保

 多数の人間ドック健診専門医・認定医、各診療科の専門医が健診業務に従事しており、医師の体制は整っている。胃がん検診専門技師や検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師、超音波検査士、肺がんCT検診認定技師などの有資格者も在籍しており、専門医の指導のもと精度管理を高める努力をしている。施設全体の研修会が定期的に開催され、法人本部が企画する職種別、階級別、入社暦別等の研修プログラムにも随時参加している。事務職についても法人本部の計画に沿って、教育体制が整備されている。
 検査項目については、日本人間ドック学会の基本検査項目やオプション項目が適切に実施されている。また、検査結果は日本人間ドック学会の判定区分に準拠して適切に判定されている。画像は専門的知識を有する医師によりダブルチェックされている。
 過去の健診結果は適切に保管・管理されており、結果説明時には画像も含めて過去の結果が迅速に参照可能となっている。健診当日の医師による結果説明は、実施率が約50%にとどまっており、実施率の向上に向けて更なる取り組みを望む。説明後に、保健看護職・管理栄養士・健康運動指導士による各種健康指導が行われており、併設のトレーニングジムを活用した積極的な取り組みは評価できる。指導記録も残されており、検討されて学会発表等に活用されている。
 健診結果に関する質問や相談には、マニュアルに沿って適切に対応しており、業務改善にも役立てている。精密検査や治療が必要な受診者に対するフォローアップについては、結果報告書に紹介状を同封して返信してもらう仕組みである。3か月経過しても返信がなく受診が確認できない場合には、はがきによる受診勧奨を行っている。精密検査の指示率は適切であり、実施率の把握もおおむね適切であるが、今後も継続的に取り組まれたい。
 追跡検査が必要な受診者のフォローアップについては、3か月後あるいは6か月後に受診勧奨のはがきを全員に送付しているが、受診状況の把握体制は十分とは言い難く、今後の更なる努力が望まれる。
 健診の精度や有用性の検討については、健診結果の検討が定期的に行われており、各種調査にも協力している。また、学会発表等については、多数の発表が行われており評価できる。
 

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