日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

学校法人 大阪医科薬科大学 大阪医科大学健康科学クリニック

総合評価

 大阪医科大学健康科学クリニックは、平成21年に開設され、JR高槻駅北口と直結し徒歩1分という好立地のビルで運営されている。運営母体は学校法人大阪医科薬科大学であり、大学附属病院とは密接なネットワークのもと専門診療も十分に行える体制である。開院以来、人間ドックをはじめとした各種健診に従事して未病の発見や疾病予防に努めており、PET検診の新設などコースの充実を図っている。また、クリニックでは15時からの完全予約制で婦人科や循環器などの専門外来が行われ、要精検や要治療の受診者にも対応している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約5,400人(継続受診率61.9%)、その他の健診が約6,500人であり、着実に増加している。
 本機能評価は平成23年に初回認定を受け、今回が初めての更新審査である。
 施設運営に関しては、理念や基本方針は分かり易く、受診者の権利も含め周知を図っている。規程類や長期計画、事業計画などは確実に整備され、組織体制も確立している。情報システムは附属病院にて適切に管理されているが、アクセス制限のための個別パスワードは定期的な更新を望む。健保組合などへの情報発信や市民フォーラムの開催など、組織的な活動は高く評価したい。
 受診者の満足と安心の面では、休日も健診を実施しており、また女性への配慮としてレディースデーや女性専用フロアを設けるなど、利便性の充実を図っている。健診は3~6階を使用しており、各階の案内はきめ細やかに行われ、検査待ちの受診者を分散させている。プライバシーにも配慮され、検査の管理体制や業務改善への取り組みも良好である。セーフティーマネージメントや感染対策にも組織的に取り組んでおり、事故防止や感染防止も適切に対応している。
 健診の質の面では、医師や保健師などのスタッフは実態に応じた体制であるが、管理栄養士の配置は前回からの課題であり、検討を望みたい。専門教育も含めた教育体制は高く評価できる。一方で、健診当日の結果説明や保健指導は更なる取り組みを期待する。受診後のフォローアップ体制は構築され、精密検査の指示率や実施率も適切である。地域の医療機関との連携が図られ、要精査率などの実績は年報に纏められており、特に学会発表や論文投稿は多くの実績があり高く評価したい。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
  

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念や基本方針を明文化し、院内掲示やホームページで周知している。就業規則と職業倫理に関する規定類は整備されている。受診者の権利は分かり易い内容で、結果説明や相談などに応じている。平成21年の開設時から30年度までの長期計画を作成し、年度毎の事業計画に基づき活動し、事業報告も行われている。
 組織は法人の一事業所としての位置付けであるが、クリニック単独の組織図や委員会の組織図が作成され、見直しもなされている。クリニック経営委員会やリーダーズ会議等で課題を検討しており、精度管理や安全管理など運営に必要な委員会も機能している。料金の収納と会計処理は適切で、月次や年次の実績はクリニック経営委員会に報告、検討している。
 情報システム管理は附属病院のSEが担当し、サーバー室の入退室は電子ロックで管理されている。委託業者の選定や検討は法人本部が行い、問題時に具申する仕組みであり、基準に則り業者毎の評価が行われている。薬剤や診療材料については、各部署の依頼から検収までのプロセスは適切で、内部牽制が機能しており、定数の検討も行われている。
 安全衛生管理については、附属病院の委員会に出席しており、また今回の受審を機に事業所単位の管理体制の整備にも着手している。職員の健診や防災への取り組み、また感染性廃棄物の保管、廃棄は適切である。
 企業や健保組合等との契約は良好で、生活情報誌や年報により健診の情報提供が行われている。更に必要時には訪問し、きめ細やかにフォローする体制がある。また、市民フォーラムを開催して講演を行うなど、組織として積極的な取り組みが行われている。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮は良好であり、土曜の午後と日曜日にも健診を実施し、女性の受診しやすい環境整備も行われている。
 受付は、事前に書類チェックを行うことで混雑を解消し、オプションの追加なども柔軟に対応している。担当者名の表示など各検査の責任体制は明確であり、マニュアルも整備されて均一な対応が図られている。アレルギー等の注意事項は、朝会やシステム記録により職員に周知されている。各健診フロアにはアテンダントを配置し、検査の順番を調整して待ち時間の短縮を図っている。
 フロアは清潔に保たれ、快適な空調管理がなされており、落ち着いた環境である。健康関連資料が持ち帰れる形で用意されており、今後の生活改善や次回のオプション選択の参考になるよう工夫されている。
 プライバシーに関しては、名前で呼ばれることを希望しない受診者に対応している。問診・診察には個室が用意され、検査・採血室はパーティション等の間仕切りが設置され、検査時の会話は隣室に聞こえない配慮がある。
 検査の管理体制については、検体検査の内部精度管理が行われ、附属病院の検査センターは日本適合性認定協会の臨床検査室認定を取得している。外部精度管理サーベイの評価も良好である。パニック値は病院の基準を適用し、必ず医師に連絡のうえ判断を仰ぐ仕組みが確立している。検査機器の業務マニュアルは随時改定され、メーカーの定期点検を実施し、トラブル発生時の体制も良好である。
 受診者の意見は、アンケートや満足度調査を実施して収集し、サービス向上委員会にて検討し、改善に取り組んでいる。また、マネジメント委員会を中心に、各部門の業務改善が継続的に実施されている。
 セーフティーマネージメントについては、インシデント・アクシデントを集計して委員会で検討し、各部門にフィードバックしている。内視鏡検査では独自に規定値を設定し、ハイリスク受診者の検査を避ける工夫がなされている。急変時の対応は、マニュアルが作成され、AEDも設置されている。感染対策マニュアルにより、採血時の手袋着用など接触感染防御を徹底している。インフルエンザワクチンをほぼ全職員に実施し、B型肝炎ワクチンも抗体価の低い職員に対して接種を勧奨するなど対策が図られている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制は、人間ドック認定医や各学会の専門医・指導医など多数の資格者を擁し指導的立場で従事され、検査精度も維持している。医療職も十分な体制であるが、管理栄養士や健康運動指導士の関与は課題として残されている。
 教育管理委員会が年間計画や実績を把握している。同じテーマで複数回研修を実施して参加しやすい環境に配慮し、出席率は高く、不参加の職員に対する工夫も見られる。学会参加にも積極的に取り組まれている。
 検査項目は人間ドック学会の基本検査項目を適切に実施している。検査の判定については、胸部X線や上部消化管X線でダブルチェック機能が働き、心電図は循環器専門医・指導医が担当し、眼底検査は眼科専門医が関与するなど良好な体制で取り組まれている。判定基準は人間ドック学会の判定区分やガイドラインに準拠し、加えて附属病院にて適正な検査判定かどうか常時検討する体制も確立しており、良好である。
 健診システムには時系列で過去のデータが保管され、必要に応じ容易に参照できる。結果報告書は、検査基準や高値となる要因、Q&A、検査項目の見方を説明するなど、受診者の意見も考慮した多くの工夫が見られ、その取り組み姿勢は高く評価できる。
 当日の医師による結果説明は、更なる実施率の向上や説明内容の充実を期待する。保健師が栄養指導や運動指導を含めた保健指導を行っているが、実施率は数%で更なる向上の余地があり、また管理栄養士などの関与も望みたい。
 受診後の対応については、健診結果の質問や相談に保健師や医師が応じ、対応事例は業務改善に活用されている。精密検査や治療が必要な場合、要精査項目が記載された用紙を結果報告書に同封し受診勧奨を行っている。返書や紹介状は管理され、精査状況の把握に努めており、指示率・実施率は良好である。生活習慣病の追跡検査の経過把握も適切に行われており、結果は次回受診時に活用している。地域の医療機関との連携は良好であり、紹介や返答などにより情報交換している。
 健診結果の分析が行われ、要精検などの実績は年報に纏められている。人間ドック学会などが実施する調査にも参加している。人間ドック学会やその他学会での演題発表や論文投稿は多く、高く評価できる。

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