日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人北陸予防医学協会 高岡総合健診センター

総合評価

 一般財団法人北陸予防医学協会・高岡総合健診センターは、平成21年に高岡市金屋本町に設立された健診施設である。建物の外観は、近隣金屋地区の歴史ある街並みとの調和に配慮されており、CTはじめ各種の検査機器を揃え、多様な健診サービスに対応している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約1,900人(継続受診率54.7%)、その他の健診が約33,000人である。継続受診率は高くないが、毎年受診者数は増加している。
 本機能評価は平成23年に初回認定を受け、今回が初めての更新審査である。初回認定時の指摘事項は改善が図られており、継続的な質向上の取り組みが確認できる。
 施設運営の基本的体制に関しては、富山市に法人本部と健康管理センターが置かれており、一部の管理は本部が行っている。施設の理念と基本方針が明確にされ、事業計画は法人の中長期計画を基に策定されている。企業や健保等との契約も法人本部が管理しており、施設として契約内容を明確に把握することを望む。
 受診者の満足と安心の面では、フロアは広くゆったりとした空間で、エスコート役が受診者を案内し、その他のスタッフも検査の進行状況に応じて柔軟な対応を行っている。効率的な受診者動線を継続的に検討されるとより良い。3階の相談室では健診後のアフターフォローが行われ、セミナー室では毎月定期的にヨガ教室やストレッチ教室などを開催して健康づくりをサポートしている。受診者の要望や意見はアンケート調査により収集し、業務改善に役立てている。
 健診の質の面では、常勤職員は富山市の健康管理センターとの兼務であり、外部委託医師の協力も得て、検査や判定を行っている。健診当日の医師による結果説明は、実施率の向上に向けてさらなる努力が望まれる。専門スタッフによる各種指導は後日に時間をかけて行われており、より多くの受診者に実施されるとより良い。精密検査や治療が必要な受診者に対するフォローアップの体制は適切に整備されており、受診状況が把握されている。生活習慣病の追跡検査が必要な受診者に対するフォローアップにも取り組まれており、今後の充実に期待する。
総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は明文化され、2階フロアに掲示され、職員と受診者に周知されている。各種規定は法人全体と同一のものを使用している。職業倫理については、就業規則等に規定され、規定に反する行為への職員用相談窓口が設けられている。受診者の権利は明確にされ、尊重するための対応もとられている。
 事業運営については、法人全体の5ヵ年中長期計画をベースに、単年度の事業計画・事業目標を策定している。また、毎月の法人全体の管理者会議にて、事業の進捗が確認され進められている。
 組織体制は、毎年4月1日付けで組織図が見直されている。会議体系は一覧で明確にされ、各会議には全部門の代表者が参加し、各部署に周知されている。
 財務処理に関しては、健診料金の収受と収納は適切に行われており、誤った集金をしないように前日のミーティングで確認する等、間違い防止に努めている。
 情報システム管理については、運用マニュアルを作成し、情報機器へのアクセスパスワードを定期的に変更する等、管理は適切に行われている。サーバーは法人本部に設置されている。
 委託業務管理については、選定票に基づき選定され、更新前にチェックリストで評価がなされている。薬剤や診療材料の棚卸と在庫管理は適切で、発注と検収も手順書に準拠して実施されている。
安全衛生管理については、法人の委員会に施設からも参加しており、職員の健康診断や防災訓練が実施されている。感染性廃棄物等の処理も適切である。
企業や健保等との契約は法人本部が管理しているが、最近増加している健診代行機関からの受診において、トラブルがあった場合の対応が明確でない契約もあるようなので、検討を望みたい。企業・健保などへの情報提供については、機関紙「ヘルスビュー」を送付している。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、ホームページで予約状況を確認でき、ネット予約も可能である。週1~2回、レディースデーとして女性受診者のみを受付けており、女性医師や女性技師が対応している。また、わかりやすい受診案内書や健康調査票が事前に送付されている。
 受付手順や受付時の質問への対応手順は、マニュアルとして整備されている。検査開始時には、保健師が個室で検査の内容や注意点等の説明を行っている。案内スタッフが次の検査への誘導を行い、体調不良時の対応手順も明確である。受診者の既往歴や治療歴、アレルギー歴等は適切に把握され、検査担当者に共有されている。施設環境は、清掃が行き届き、部署毎に空調等の調節が可能で、冬季には床暖房を使用している。
 プライバシーへの配慮については、名前での呼出を希望しない受診者には、番号で対応している。指導室や殆どの検査室が個室化されており、検体は人目につかないように配慮されている。また、検査結果等に対する守秘義務の規定が作成されており、検査結果の問い合わせへの対応マニュアルも適切に整備されている。
 検体検査はすべて外部への委託であるが、管理責任者や搬送手順、パニック値への対応は明確にされており、委託先の精度管理データも定期的に入手して検討している。検査機器は業務マニュアルに沿って保守・点検が実施されており、トラブル発生時の対応手順も明確になっている。
 業務改善体制については、アンケート調査により受診者の要望や意見の把握に努めており、定期的に検討して改善に役立てている。また、前回の機能評価受審時に指摘された事項の多くが改善されており、組織的な取り組みがなされている。
 セーフティーマネージメントについては、安全管理に関するマニュアルが作成されている。また、事故やインシデントを報告する体制が整備されており、報告事例の検討が行われ、再発防止に適切に取り組んでいる。受診者の急変時への対応手順も定められている。感染対策については、感染防止対策マニュアルが整備されている。また、職員への感染防止についても、ワクチン接種等を含めて適切な対応がなされている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制については、職員は富山の健康管理センターとの兼務であり、常勤医師が2名、看護職など医療職が10名程従事している。人間ドック認定医や人間ドック健診専門医、人間ドックアドバイザーが関与しており良好である。
 スタッフに対する教育体制については、年間の教育計画が策定され、一部の職種を除いて専門教育も行われている。また、外部の学会や研修会に参加する仕組みがあり、報告ルールも定められている。
 検査項目については、日本人間ドック学会の基本検査項目やオプション項目が適切に実施され、定期的な見直しも行われている。また、判定基準は日本人間ドック学会の判定区分に準拠しており、画像判定は専門的知識を有する医師によるダブルチェック体制であり、眼底写真は眼科医が判定している。
 過去の検査結果は適切に保管・管理されており、結果説明時には画像も含めて過去の結果が迅速に参照可能となっている。健診当日の医師による結果説明の実施率は74.7%であり、今後は実施率の向上や説明内容に画像を含めるなど、さらなる体制整備が望まれる。
 指導は希望者に対して後日に実施されており、保健師による保健指導は十分な時間をかけて行われ、運動指導は月1回の予約制で、再来院して実施されている。内容は丁寧であるが、実施率はいずれもわずかであり、向上に向けた取り組みにも期待したい。
 受診後の体制については、健診結果に関する質問や相談にはマニュアルに沿って適切に対応しており、質問内容は業務改善に役立てている。精密検査や治療が必要な受診者へのフォローアップは、精検依頼ハガキの返書にて経過を管理しており、未返信者には2回まで受診勧奨を行っている。追跡検査が必要な受診者に対しても同様に受診状況を把握しているが、未返信者への受診勧奨は行っていない。紹介先医療機関とは、地域の会合等の場で情報交換に努めている。
 健診の精度や有用性の検討については、健診結果の検討が定期的に行われており、各種調査研究にも協力している。また、各種学会等で積極的に発表等が行われていることは評価でき、今後は人間ドック学会での発表にも期待したい。

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