日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷健康サポートセンターShizuoka

総合評価

 聖隷サポートセンターShizuokaは、聖隷事業団保健事業部の施設の一つとして、平成22年に静岡市に開設された健診センターである。
 年間の受診者数は平成24年度が一日ドック約7,600人(継続受診率45.1%)、翌平成25年度が約13,000人であり、人間ドック受診者数は飛躍的に増加している。そのため、継続受診率は受診者増加に伴い低率となっている。その他の健診は約29,000人である。平成22年に初回認定を受け、今回は初めての更新審査(Ver.3)である。
 「施設運営のための基本体制」に関しては、昨年2月、ISO/IEC27001;2005認証を取得され、情報セキュリティシステムを強化された事は評価に値する。
 また、渉外活動として、保健事業部(ドック健診を担う3施設)では健保、事業所、住民健診の関係者を招いて「事業報告懇談会」を毎年開催している。
 「受診者の満足と安心」では、前回の指摘事項である受診者からの質問への問答集やフローチャートの整備も改善されており、業務改善に積極的に取り組んでいる。施設は保険医療機関でもあるが、健診と一般診療とは階が異なるため、患者と動線が交錯することは通常ない。
 機器の保守点検などは良好と判断できるが、検査機器等マニュアルおよび手順書の形式や履歴、周知等については一考の余地があり、書式の統一化と共有化を検討されたい。
 健診の質に関しては、業務全体は聖隷事業団の規程に基づいて行われ良好であるが、今後とも医師を含め継続した教育を続けられるよう期待する。
 診察と結果説明が別々に行われていることは医療行為として望ましい姿である。しかし説明率は90.1%であり、説明を受けてから帰宅する仕組みと受診者教育を図られたい。結果説明後に保健指導(7割超)が行われることも健診としての完成度は高いものと判断できる。
 再検査や追跡検査などは保険診療部門を含めて行うなど健診後のフォローも良質と判断される。開設から日も浅く、フォローによるエビデンス構築においては継続した努力をお願いしたい。
 以上、総合的見地から判断して人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 事業団の基本理念と保健事業部の事業理念、及び受診者の権利が明示され、受診者や職員に周知されている。各種運営規程類は事業団主導で作成、更新されている。
 保健事業部に倫理委員会が設置され、外部委員に弁護士が入っている。職業倫理については、事業団にコンプライアンスガイドラインがあり、職員はこれに則って行動するよう教育されている。セクハラ・パワハラについての窓口として、各部署に担当者が複数名配置され、メールアドレスも明示されている。
 経営情報(法人事業計画書、法人事業成績報告書、決算書)は、書面でも確認できるが、ホームページでも確認することができるよう公開されている。役職者の策定会議のほか、課長が職場の意見をヒヤリングして事業計画に反映する仕組みがある。
 組織図や会議、委員会の体系が作成され、指揮系統は明確で見直しもなされている。財務処理が適切で、外部監査のほか内部監査も定期的に行われている。
 情報管理では昨年、ISO/IEC27001:2005認証を取得し、情報セキュリティが強化された。個々にパスワードが割り振られ、最重要エリアへは認証カードで入退出している。
 委託業者は年1回の稟議事項として見直されている。薬剤及び医療材料は資材担当者によって適切に在庫管理されている。
 安全衛生管理体制としては委員会が組織され、職員の健康管理や防災訓練(年2回)に取り組んでいる。感染性廃棄物は施錠できる倉庫に保管し、委託業者が週1回定期的に回収しており、電子マニフェストを採用している。
 企業健保と適切に契約書を交わし、契約書は保管されている。保健事業部として「事業報告懇談会」を年に1回開催し、健保、事業所の担当者や自治会などの関係者を招待している。今年で15回目、約200名の参加者があり、その際に統計資料等(CD)を配布している。また、季刊誌「すこやか&オアシス」を発行し、企業・健保や個人受診者、関連施設へ配布している。

2.受診者の満足と安心

 隔週で土曜日に健診を実施しており、年に一回日曜日に女性だけの日を設定するなど利便性に配慮している。受診案内やオプション検査の案内等は判りやすく、予約・受付・検査進行についても、対応や質問などを一体化した手順書があり適切である。
 施設はビルの2階から4階までを使用しているが、健康診断は3階と4階、保険診療は2階を使用することで一般患者との交錯は殆どない。検査進行も人員を適切に配置することで、待ち時間が長くならないよう配慮されている。また、医師による診察と結果説明が別々であることは優れている。
 プライバシーへの配慮では、受診中はリストバンドの番号で対応して、姓名は使用しないことにしている。検査は個室で実施され、採血検体は間をおかずに2階の検査室に送られている。結果の取扱いについてのマニュアルは問い合わせの対応も含め明文化されている。
 検体検査の内部精度管理と外部精度管理はともに良好である。生理機能と放射線診断の手順書もトラブル対応を含めた形で作成されている。ただし、各部門から集められた業務マニュアルは書式が異なっており、今後は施設全体で共有化が図られるように検討されたい。
 受診者の意見を把握する仕組みとして、満足度調査やアンケートが適切に行われており、改善の手順を含め適切である。ご意見箱を活用する手順は覚書程度ではあるが明文化されている。
 セーフティーマネージメントは事業団の規定に基づいてマニュアルを作成して、インシデントの報告・検討・周知がなされており、急変時に対応する仕組みもある。感染対策も検体取扱いの手順書など適切で、職員への感染防止に努めている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師・医療職・事務職員数は十分で、人間ドック認定医と人間ドック健診専門医を各3名が取得されており、専門資格取得についても概ね良好と判断する。
 職員教育についても事業団全体の基準に従って行われ、不参加者への対応もなされている。学会での演題発表の他、保健事業部の研究発表会を毎年開催している。今後は事業団としてまた施設として、職種別等それぞれの教育計画について整理し明確にするとよりよい。
 検査項目は保健事業部で決定し、見直しが行われている。結果判定や画像診断はダブルチェック体制である。X線は二重読影後に当日の結果説明を行っており、優れている。一方、心電図と眼底はシングルチェックで、今後専門医の積極的な関与が望まれる。
 健診結果は保健事業部のサーバーに保管され、系列施設間で共有でき、過去との比較も可能であり良好と判断する。一部を除いて当日午前中より医師による結果説明が受診者全員を対象として行われるが、説明を受けずに帰宅する受診者(平成24年度説明率90.2%、平成25年度は80%)が増えており、受けてから帰宅する仕組みや受診者教育など更なる工夫が必要である。
 保健指導は結果説明後に行われ、手順を含めて良好と判断する(平成24年度68.0%)。保健指導記録としては、説明に使用した資料(ツール)が記録される。また今後栄養指導と運動指導の充実を期待する。
 受診後のフォローアップについては、精密検査や再検査が必要な受診者に対しては、関連施設の予約や紹介状の作成、受診勧奨などが行われており、適切である。生活習慣病などのフォローは、受診勧奨は1回ではあるが、追跡する体制を整えており、他機関での検査結果も自施設のシステムに入力し、次年度の健診に役立てられている。
 健診の有用性の検討については、健診結果の分析および結果の共有、学会での発表など、積極的に取り組まれている。

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