日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

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総合評価

 ヘルスサポートセンターは2001年に海老名総合病院の併設施設として開設され、地域の予防医療に大きく貢献している。組織的には慢性期病床を有する海老名メディカルサポートセンター内の健診部門として位置付けられている。
 年間の受診者数は一日ドック約4,300人、二日ドック1人(継続受診率74.6%)、その他の健診が約12,000人である。平成22年に初回認定を受け、今回が初めての更新審査である。
 「基本体制」に関しては、センター独自の理念と基本方針、受診者の権利を明示し、計画に基づく諸活動が行われ、組織体制も確立されている。開設当初より健診システムを稼働させており、情報管理体制は問題なく、委託業務や在庫管理も評価できる。また、安全衛生面にも配慮し、地域への情報提供も図られている。
 「受診者の満足と安心」に関しては、病院の診療部門と検査機器を共有しており、ハード面の制約から導線がやや複雑であるが、エスコート担当者により運用が行われている。受付はドック以外の健診受付も同時に行われており、ドック専用の受付あるいは時間差受付などを検討して、効率の良い運用体制を期待する。
 「健診の質の確保」に関しては、医師・保健師・管理栄養士などのスタッフ数は、実績や業務内容を考慮するとさらなる充実を望みたい。検査項目は必要時に見直され、結果判定も放射線科専門医によるダブルチェックなど質が高く、健診結果が分かり易く表記されている。
 当日の結果説明はほぼ全受診者に対して、十分な時間をかけて説明が行われており適切である。一方、保健指導は実施率が低いので積極的に取り組む必要がある。
 受診後のフォローアップは、質問や相談に応じ、二次検査の依頼も行っている。また、今回の受審を機に、追跡調査の郵送による仕組みを整備したので、今後の充実を期待する。紹介医療機関との連携は良好であり、学会発表も行われ、質改善への布石となる活動も行われている。
 施設が定めている1日の定員をほぼ満たしており、受診者の増加に対応することが難しい状況である。従って、センターが求める将来像や役割、機能については抜本的な対応策が望まれる時期に来ている。レディースディやレディースフロアの設定はないが、女性受診者が3割を超えており、今後配慮すべき点の一つと考えられる。
 しかし、前回の指摘事項に関しても改善や新たな取り組みが見られ、サービス向上の取り組みや最新の検査体制、オプション検査の充実など、職員が実直に取り組み、組織的な工夫と努力がなされてきたことが伺える。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 ヘルスサポートセンター独自の理念と基本方針を明示し、院内掲示やパンフレット類への掲載などの周知を図られ、受診者の権利も同様に対応されている。各規程類は整備されており、個人情報保護など職業倫理規定を作成し、委員会を設置して検討する場も設けている。
 事業計画や予算書など必要な書類と資料は作成され、実績を検討する仕組みも確立している。
 組織図の見直しがなされ、施設全体とセンター独自の活動を連携させて、運営会議を中心に組織活動が推進されている。財務面では、センターは健診料金の収受や収益把握などを行い、法人が四半期毎に決算などの会計処理を行っている。
 情報管理はメディカルサポートセンター全体で対応されている。健診システムへのアクセス制限がなされ、サーバー室の入退出も把握しており、機器類のトラブル発生時の対応も確立されている。
 委託業務はメディカルサポートセンター全体で管理し、業者や業務評価を行い、委託先を選定している。診療材料はSPDで効率的に管理され、在庫調整も状況に応じて対応しており、薬剤は薬剤科により供給されている。
 安全衛生面は安全衛生委員会が機能し、職員健診や災害への体制も確立されている。感染性廃棄物や個人情報が含まれた書類の処理も適切である。
 企業や健保との契約は適切で、広報誌を配布し、検査内容の変更などの情報提供が行われている。また講師派遣などの地域への情報提供も行われている。

2.受診者の満足と安心

 利便性に関してはレディースディやレディースフロアの設定はない。女性受診者が3割を超えており、今後配慮すべき点の一つと考えられる。
 検査は病院の診療部門と共有であるため、検査室への導線がやや複雑で上下階への移動も必要であるが、エスコート担当者により誘導されている。朝の受付では、ドック以外の健診受付も同時に行われる。今後ドック専用の受付あるいは時間差受付などを検討して、効率の良い運用体制を期待する。
 受診に際しての分かり易い案内が作成されているが、内視鏡検査はリスクの説明と文書による同意が必要であり、マニュアルの充実が望まれる。
 センター内の環境はおおむね快適であり、待ち時間対策としてテレビや雑誌なども完備されている。今後は待ち時間に栄養指導教室なども期待したい。昼食はドック専用の食事室が用意され、カロリー表示やアレルギーに対する配慮がなされている。
 プライバシーに関しては、名前を呼ぶことを希望しない受診者への配慮がある。検査や診察等は個室で行われ適切であるが、身体計測はカーテンでの仕切りであり、今後さらなる配慮や工夫を期待する。
 検査体制は病院部門と共通で管理しており、精度管理も問題なく取り組まれている。検査機器の点検やトラブル時の対応も実施されているが、今後は、更に詳細なチェック項目やマニュアルの作成を期待したい。
 毎日のアンケートや投書箱の設置により、受診者の意見を把握する仕組みがある。業務改善としては、前回の受審時の指摘事項であるアンケートの回収方法、管理栄養士による指導システム、当日説明時の過去データとの比較、受診後のフォローアップがあげられるが、改善に向けての努力がなされている。
 セーフティーマネージメントの体制は確立しており、インシデントやアクシデント報告は、病院と共通のシステムで電子化され、その対策等も行われている。非常時の対応や救急カートの設置は、他の部門と共通で整備されている。また院内に感染対策委員会が設置され、スタッフが委員会のメンバーとして参加している。感染対策のマニュアルは適切に整備され、職員への感染防止に努めている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制については、人間ドック認定医や各学会の認定医は在籍しているが、受診者数を考慮するとさらなる医師の充実が望まれる。また、保健指導の拡充のために、保健師や管理栄養士などの専門職の充実も望まれる。
 教育体制は施設全体で、感染や安全管理面について実施されている。センター内では各部署の責任者などが講師となり、倫理やプライバシーなどの研修が行われ、学会や研修会への参加も推進されている。また、学会や研修会、部署内での研修を組み合わせて自己研鑽に努めている。
 検査項目は学会が提示している内容が網羅され、オプション検査も含め必要時に内容が検討されている。画像は2名の放射線科専門医によるダブルチェックが行われ、循環器科医や眼科医なども各検査で関与し、判定基準は学会の区分に準拠している。
 健診システムは開設時からの全データを保存し、実績確認も容易に行える仕組みである。当日の結果説明は10分から20分かけて行われ、ほぼ100%近い実績であり優れている。
 保健指導は保健師が行っているが、実施率は低い。結果説明時にも説明されているとはいえ、専門職による栄養指導や運動指導の実施を検討されたい。
 受診後のフォローアップについては、健診結果への質問や相談に応じられる体制が確立され、マニュアルも整備されている。精密検査や治療が必要な場合は、二次検査依頼書を発行して、受診医療機関からの返答で確認をとっている。紹介医療機関との連携が図られ、必要時には情報交換されている。一方、未受診者への受診勧奨は行われているが、さらなる積極的な取り組みが必要である。
 生活習慣病など追跡検査が必要な受診者へのフォローは、今回の受審を機に、郵送方式による具体的な追跡検査の仕組みが整備されたので、今後の運用に期待したい。
 健診の有用性の検討については、健診結果の実績を把握しており、日本人間ドック学会などの調査にも参加し、学会発表が行われ評価できる。

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