日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

日本赤十字社 秋田赤十字病院 健康増進センター

総合評価

 秋田赤十字病院健康増進センターは、昭和31年に同病院の健診部門として開設された。
 年間の受診者数は、一日ドック約640人、二日ドック約1,900人(継続受診率70.0%)、その他の健診が約10,000人で、二日ドックが主体の施設である。本機能評価は平成22年に初回認定を受け、今回が初めての更新審査である。
 基本理念と基本方針は健診独自に作成され、個人情報保護や受診者の権利も明文化されている。病院の一部門としての位置づけであり、病院業務と兼務する職員も多く、病院の各委員会活動には健診からも参加し、連携が円滑に行われている。年度目標に基づく月次、年次の実績報告、決算報告は適正に行われ、職員にも周知されている。結果報告書作成、渉外活動は健診事務が行い、情報処理、物品管理、委託業者の管理は、病院の管理部門が行っている。
 受診者の満足と安心については、検査機器が病院と共有であるため病院の患者と動線が重なるが、実施時間や検査前の待合場所を区分するなどの工夫がされている。センター内はプライバシーにも十分配慮されている。受付や検査案内等の各種マニュアル・Q&Aも作成されている。
 健診の質については、職員教育が病院の研修に組み込まれ、定期的に実施されている。放射線技師の胃がん検診専門技師認定者は病院側にもいない状況であり、取得されることを望む。検査項目や判定体制は概ね適切であるが、上部消化管X線、マンモグラフィの要精密検査指示率が高く、継続的な検討を求める。
 当日の医師による結果説明および保健指導は、ほぼ100%実施されており評価できる。受診後のフォローアップの体制は確立されているが、一部検査の精査指示率が高いことや生活習慣病の追跡検査の実施率が低いことは検討の余地がある。保健指導等での効果的なアプローチや二次検査結果の活用等、さらなる働きかけを期待する。
 総合的な見地から、課題については継続的な改善が図られることを条件に、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針、受診者の権利は健診独自に作成され、施設内掲示やホームページ、パンフレットなどにより受診者に周知されている。事業計画は、単年度の予算書に基づく月次報告書が運営会議に報告され、職員への周知が行われている。中長期計画は平成26年度分まで確認できたが、今年度から始まる計画を早急に作成して周知するよう望む。
 組織図は病院の一部門として作成されている。会議体系は、病院の委員会に参加しており、月に一度、健診内部門長会議が開催されている。料金の収受および会計処理も適切であるが、健診業務に則した組織図が明確にされることを期待する。
 情報管理については、病院と放射線科の情報処理管理者により行われており、システム上の連携が図られ、業務は円滑に行われている。院内共有のパスワードの変更は年1回であり、健診システムのパスワードは一度も変更されていないので、定期的な変更を検討されたい。
 委託業務は病院と一体で契約を交わし、業者の選定や業務内容の定期的な評価が行われている。薬剤や診療材料の在庫管理は、病院のシステムに組み込まれ、在庫を抱えないよう週1回の定数見直しチェックにより適正に実施されている。
 安全衛生管理については、行政機関への届出書類は病院として一括で行われており、職員の健康診断や防災訓練にも取り組んでいる。感染性廃棄物は、ラボ室内に施錠して一時保管し、病院の最終保管場所に運んでいる。
 企業・健保組合との契約は適切に管理されている。健診統計の提供など、年に1度の情報提供が行われている。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、乳がんと子宮がん検診が毎日実施されており、受診案内書はイラスト入りでわかりやすく、健康調査票も独自に作成されている。レディースデーや日祭日の健診等、受診者のニーズに合わせた更なる工夫を期待する。
 受付はマニュアルに沿って適切に実施されており、問診を担当した看護職員が検査の内容や注意点を説明している。フロアにはコーディネーターが2名配置され、担当者名の表示も適切である。上部消化管X線・内視鏡検査、CT・MRI検査は病院で実施しているため、病院の患者と動線が重なってしまうが、実施時間や検査前の待合場所を区分けするなどの工夫で対処している。食事の提供は二日ドック受診者に対してのみ行っている。
 プライバシーに関しては十分に配慮されており、名前での呼び出しを希望しない受診者には番号で対応している。検査室や診察室等は個別に仕切られており、検体は人目につかないように配慮されている。
 検体検査の管理体制については、病院と健診それぞれに業務マニュアルが作成されており、内部及び外部精度管理も適切に実施されている。検査機器の管理も適切で、トラブル発生時の対応が明確にされている。
 受診者の意見は、年に1回のアンケートと、3か所に設置されたご意見箱で把握されている。センター全体で業務改善に取り組み、受診者満足度も含めて委員会で定期的に検討されている。前回の機能評価受審時の課題も改善が図られている。
 セーフティーマネージメントの体制については、病院に危機管理委員会が設置され、病院と共用のマニュアルに基づき運用されている。インシデント・アクシデントレポートにより再発防止に取り組んでいるが、医師のインシデントマニュアルは作成されていない。受診者急変時の対応は整えられている。感染対策については、病院と共用のマニュアルに基づき、職員の感染防止に努めている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、病院の勤務医の応援を受けて適切な医師数を確保している。センター長が人間ドック健診専門医を取得しており良好で、各種専門医の資格の取得・更新も適切である。上部消化管X線検査の精査指示率が高値であるため、今後、胃がん検診専門技師の資格取得も検討されたい。職員教育は、病院及びセンターとして教育計画を実施しており、また、全職員が外部の研修会や学会に参加できる仕組みがある。医師に対する専門教育、とりわけ健診に関する教育の機会がより充実すると良い。
 検査項目は適切で定期的に見直しをしている。検査結果の判定については、画像検査は専門医によるダブルチェック体制で、心電図と眼底写真は専門医が判定している。判定基準は、ドック学会が策定する判定区分に概ね準拠している。
 健診結果は電子カルテで管理されている。健診当日にほぼ全受診者に対して医師から結果説明が行われており評価できる。その後、保健看護職から結果に基づいた保健指導が全受診者に実施されている点も優れている。栄養指導と運動指導は人間ドックアドバイザーの保健看護職を中心に実施されており、今後は管理栄養士等の関与にも期待したい。
 受診後のフォローアップは実施されており、精密検査の実施率は60~80%である。上部消化管X線・マンモグラフィ検査の指示率が高値であり、今回の受審を機に施設内で検討が開始されたので、継続的に適正化に努められたい。二次検査結果は管理され、年報を作成するなど活用されている。追跡検査が必要な受診者に対するフォローアップ体制も構築されているが、追跡調査の実施率はいずれも20%以下であり、さらなる働きかけが必要である。
 健診の有用性の検討については、学会発表が行われているが、発表の機会が増えるとより良い。

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