日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

������������������������������������������������������������������������������

総合評価

 学校法人東海大学医学部付属病院 健診センターは、病院併設型の健診施設であり、2号館の地下に専用のスペースを設けている。利用者の状態に合わせ、健診種別として5コースを設定している。また、病院システムと連動し、受診者の治療に即応性をもたせている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約13,000人(継続受診率91.2%)である。本機能評価は、平成20年に初回認定を受け、今回が2回目の更新審査である。前回の審査より受診者数は約2,000人減少している。主たる要因として、補助金の減少や受診者の高齢化、内視鏡検査の予約枠の上限などが考えられるとの説明であったが、より一層の分析を期待する。
 運営の基本体制は、病院と一体で確立されている。情報提供の一環として「けんこうさろん」の小冊子が発行され、受診者や健保組合にも配布されており評価できる。今後とも、健康管理を担う施設としての役割を発揮して頂きたい。
 受診者の満足と安心の面では、平日に加え、第1、第3、第5土曜日の受診が可能である。オプション以外の各検査は、概ね地下の健診エリアで実施されている。問診票の把握を事前に行い、検査中は案内係が誘導するなど、スムーズで安全な検査に配慮されている。今後、受診者から要望の多い内視鏡の枠の拡大や、マンモグラフィ撮影機器の導入も視野に入れた対策を講じられたい。
 健診の質の確保の面では、前回の機能評価受審以降、常勤医師の招聘や人間ドック認定医・専門医・アドバイザーの資格取得など、体制強化が認められる。また、保健師も人間ドックアドバイザーの資格を取得し、職能技師に各認定の取得を奨励するなど、多くの資格保持者が在籍しており、質の向上に力を入れている。
 健診当日の医師による結果説明は受診者全員に実施する体制がとられており良好である。一方、保健指導は実施率0.1%と低く、今後、指導体制の充実を望む。また、健診後のフォローアップは実施されているが、実績把握に努めて頂き、今後とも、受診者の健康管理を担う健診センターとして、信頼関係の構築に努めて頂きたい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は健診センター独自に作成され、施設内に掲示されている。今後、定期的な見直しの実施と議事録の作成、改定日の記入を望む。就業規程は大学付属病院として作成されており、各規定類は整備されている。倫理規定は病院で作成されている。病院の倫理委員会への健診センターからの参加はないが、一方で病院の看護部内の倫理委員会には健診センターからも参加している。今後、病院の倫理委員会への参加や委員会の統一など整理がされると良い。受診者の権利は明文化されており、ホームページや待合室にも掲示されている。
 計画的な運営では、年度比較表や事業報告、将来目標等を細部にわたり分析し、病院の編成会議で報告されている。予算作成書が確認できず整理されたい。受診者数の推移について、医師も含めた職員全体で対策を検討されることを望む。
 実態に即した組織図が作成されている。また、毎月、健診センター業務連絡会が開催され、各部門の責任者が参加している。料金の収納業務に関するマニュアルが作成され、担当者も組織図に明記されている。また未収金照合確認表を作成し、入金管理を徹底している。
 情報システム管理については、規定が作成され、システム委員会を設けている。病院とデータの共有が図られているが、個人情報の安全管理としてアクセス制限や個人パスワードの保有などの対策を講じている。情報機器のトラブル発生時の対応は、フロー図を作成し、対応マニュアルを基に運用している。
 委託業務と薬剤および診療材料の管理体制は、病院と共有で適正に運用されている。薬剤等は定数管理となっており、発注と検収は異なる職員が対応している。
 安全衛生管理体制については、職員健診の100%実施を目指し、健診未受診の職員には診断書の提出を求めるなど徹底しており評価できる。また、毎月、防災チェックを実施するなど病院一体で取り組まれている。感染性廃棄物の処理も適切であるが、バイオハザードマークが無い容器が散見されたため、受診者や職員への表示方法については施設全体で再度確認されると良い。
 企業や健保との関係については、情報提供の一環として2ヶ月に1回、小冊子「けんこうさろん」を発行し、受診者や健保等にも配布している。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮については、女性の受診者が安心できるよう、臨床検査技師は全員女性のスタッフとしている。問診票は事前に返送してもらうことで、健診日前に受診者の病歴などを把握している。また、前年度までの情報を確認し、当日スムーズに検査ができるようにしている。
 受付時間は検査内容により振り分けており、検査中も案内係を数か所に配置して、受診者の流れが停滞しないよう対応している。病院で実施する検査は、案内係が誘導して、迷ったり一般患者との動線が交差したりしないように配慮している。
 受診環境については、風景や花などの写真を多く掲示して、落ち着いた空間を提供している。検査の説明ビデオを放映し、床には待機場所を明記するなど、受診者が迷わない工夫が多数見られる。防寒用のガウン等も用意されている。
 プライバシーの確保に関しては、呼び出しは番号制を採用している。一部の検査はオープンスペースで行われているが、パーティションなどで配慮されており、今後さらなる工夫がなされると良い。
 検体検査や生理検査、放射線機器の管理体制は良好である。精度管理も良好な結果が得られている。臨床検査技師と放射線技師のスタッフは病院と兼務であるが、人間ドックの担当者は固定されている。
 受診者の声は投書箱やアンケートにより収集し、業務改善に反映する仕組みがある。今後はその改善点や回答などを受診者に周知する工夫もあると良い。
 セーフティーマネージメントについては、事故やインシデントを報告する仕組みがあり、再発防止に取り組んでいる。検査中に体調不良になった受診者が休むベッドを数ヶ所用意しており、更衣に介助が必要な受診者用の更衣室を別に用意していることは評価に値する。今後、センター内への救急カートの配置やトイレのナースコールの設置も検討されたい。感染管理については、マニュアルが整備され、勉強会が行われており、職員の予防接種も適切に実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 人間ドックの常勤医師は4名で、加えて大学からの兼務医師100名程の体制で運用され、人間ドック健診専門医やアドバイザーも多く在職している。保健師4名、看護師6名が常勤で、技師は大学との兼務者で対応され、各種認定も取得して健診事業に反映されている。管理栄養士は在籍していない。事務職員は常勤で、受付やエスコート、経理、渉外等の多岐にわたる業務に従事している。
 職員教育については、年間プログラムが作成され、各職種の専門的教育にも積極的に参加しており、学会発表や論文発表も積極的に行っており評価できる。
 検査項目については、人間ドック学会が提示する基本項目とオプション項目を実施しており、判定基準は人間ドック学会の判定区分に準拠している。画像は放射線科医と各科専門医、人間ドック健診専門医で読影、判定を行い、心電図は循環器専門医が判定を行っている。各検査データは電子カルテで保管され、画像ファイリングシステムで結果説明時にも容易に参照可能である。
 健診当日の医師による結果説明は、受診者全員に実施する体制で良好である。説明には看護師や保健師が同席し、医師面接後に補足説明を行っている。
 一方、保健指導は特定保健指導のみの実施であり、今後、保健指導の重要性に鑑み、体制の見直しを検討して頂きたい。管理栄養士や運動指導士の関与も期待する。
 受診後のフォローアップについては、精密検査の指示率が人間ドック学会の平均値よりも一部高い数値を示しているため、検証が望まれる。精密検査や治療が必要な受診者に対する受診勧奨は、一定数認められるが、実績把握が乏しいため検討が必要である。また、紹介先医療機関との情報交換に健診センターとしても参画する仕組みが望まれる。
 追跡検査の指示者に対しては、健診当日に文書による動機付けを図り、半年後に未受診者を抽出しているが、積極的な受診勧奨は行われていない。フォロー外来を実施しているが実績は少なく、さらなる体制の構築が望まれる。
 健診の有用性の検討に関しては、データの分析を行い、人間ドック学会等で演題発表と論文発表が積極的に行われており良好である。

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP