日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人京都工場保健会 神戸健診クリニック

総合評価

 一般財団法人京都工場保健会・神戸健診クリニックは、平成18年に神戸元町に設立された健診専用施設である。元町駅前の好立地にあり、昨年ビル内の健診フロアを拡張して、男女別のフロアに増改築を行っている。
 年間の受診者数は一日ドックが約5,600人(継続受診率68.7%)、その他の健診が約32,000人で、前回更新時より人間ドックもその他の健診も約2倍の伸び率である。本機能評価は平成20年に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。
 「施設運営のための基本体制」では、就業規則などの法令に基づく規則も整備されている。職業倫理や個人情報保護、受診者の権利を遵守する体制も整えられている。毎年、三か年計画を更新し、実績の分析と今後の方向性を周知している。各書類関係や各マニュアル等は整備されており、事業計画や組織、管理体制は明確である。
 「受診者の満足と安心」では、男女で受診フロアが分けられ、受付時間は時間差で4段階に分けられている。土曜日は月3回営業している。受診者アンケートや意見箱の結果を毎月の会議で分析検討している。業務上で気づいた事を記入する「スイスイシート」を利用し、業務改善に取り組んでいる。プライバシーに関しては、腹部超音波と眼底はカーテンで仕切られており、身長や血圧、視力には間仕切りがないので、改善を期待する。
 「健診の質の確保」では、各職種に対する専門的教育体制が確立している。検査結果は原則当健診クリニックで一次読影、本部(京都)で二次読影を行っている。健診当日に、医師による結果説明が実施されており評価できる。しかし、精密検査や追跡検査の把握率は更なる向上が望まれる。今回の受審を機にフォロー体制が整備され、今後も継続的に改善に取り組めば、神戸やその近隣の受診者にとって、更に良い健診施設となるものと考える。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針はクリニック内に掲示されているが、前回の更新時から見直されていない。就業規則等はイントラネットで自由に閲覧できるが、閲覧の確認は行われていない。倫理規定もイントラネットで開示されているが、委員会は設置されておらず、事務局が相談窓口となっている。受診者の権利も掲示されている。事業計画では三年計画を毎年更新して、実績の分析が行われ報告されている。作成段階では、施設長のもとに各職種の責任者が集まり、合議ができる環境にある。
 健診クリニックの組織図は、入退職があれば随時更新している。委員会一覧表は今回の受審を機に整備された。職員数が多くないこともあり、個別の委員会は少なく、管理職会議で代用している。しかし、議事録の作成と保管が不十分であり、イントラネット内での情報共有と閲覧の確認が望まれる。料金の収受は受付が行い、会計処理も担当者により適切に処理され、経営資料を作成し、報告している。
 情報システムは本部が管理しており、事務管理者が緊急時の対応窓口となっている。ISO27001を取得して、パスワードは3カ月に1回更新しないと使用できない設定である。委託業務の契約は適切であるが、内容の見直しはなされていない。薬剤や診療材料は、定数管理で週1回発注し、年1回棚卸しがなされている。
 安全衛生管理では、委員会を適宜開催し、職員健診を実施して、ビルの防火訓練にも参加している。消防設備点検など消防署への届け出の控え書類等については今回の受審を機に見直され、整備された。感染性廃棄物等の保管状況は適正で、廃棄記録も保管されている。帳票類や紙での個人情報は、一定期間を経た後に、本部にて保管と廃棄を行っている。
 企業健保組合との契約は適正で、地域住民に対して、神戸市のがんアクションセミナ―などのイベントで情報を発信している。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、男女のフロアが分けられており、土曜日にも月3回健診を実施している。時間差で受付を行い、マニュアルが整備されており、Q&Aがホームページに掲載されている。しかし、問診カードは紙ベースでチェックして、宇治の系列施設に送られて入力されるため、システムの端末では参照できない。
 施設環境は、検査室ごとに空調管理が実施されており、調度品も統一感がある。しかし、健診着が更衣室に積まれており、使いまわしの誤解を受けないような提供方法を検討されたい。
 プライバシーに関しては、腹部超音波と眼底はカーテンで仕切られており、身長と血圧、視力には間仕切りがないので、改善を期待する。
 検体検査の管理では、内部および外部精度管理は適正に実施されている。検査機器の管理では、心電図検査では緊急報告などはなされておらず、超音波検査などの緊急異常所見については、本部の上長に電話連絡して、上長から医師へ判断を仰いでおり、健診施設内で対応する仕組みが望まれる。
 受診者の声はアンケートや意見箱で収集され、月に1度の課員会議にて、分析検討している。業務改善では、業務上気づいた点を記入する「スイスイシート」を上長に提出しており、改善につながっている。
 セーフティーマネージメントでは、事故やインシデントを報告する仕組みがあり体制は確立されている。健診は男女別のフロアで、内視鏡と上部消化管造影検査をそれぞれに行っているが、AEDやパルスオキシメーターが1フロアにしか設置されておらず、増設が望ましい。感染対策はおおむね適切であるが、受診者の発熱や咳嗽などのチェックを行っていない。インフルエンザ等のワクチンは自己負担であるが、ほぼ全員が接種している。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師及び医療職、事務職のスタッフ数は、受診者数からは適正と判断でき、常勤医師が人間ドック認定やその他専門医の資格も取得されている。しかし、入職時に医師免許の原本の確認が行われていないので改善が望まれる。医療職に関しては、平成30年度から管理栄養士が配置されるので、食事等の健康アドバイスの導入を期待したい。職員教育は人権や情報等に関して年1回実施され、職場研修会も開催されており、欠席者はDVDでの閲覧が可能である。
 検査項目は適切で、定期的に見直されている。判定については、原則当健診クリニックで一次読影、本部(京都)で二次読影を行っている。マンモグラフィはハードコピー診断になっており、超音波検査の技師がマンモグラフィの読影や所見をしない体制であるが、読影できる方が望ましい。胃部と腹部のエコーは一次、二次読影とも本部に一任している。眼底検査は本部での遠隔読影であり、医師3名のうち1名が眼科専門医であるが、要精査率が12.1%と高値となっている。そのほとんどが異常なしとのことであるが、原因の究明が必要である。判定基準は、ドック学会の判定区分とリスクを加味した自動判定としている。
 当日の医師による結果説明は、健診当日に、医師による結果説明が全員に実施されており評価できる。当日の画像の説明については胸部X線と心電図のみである。また、血液データは外注先から本部にデータが送信され、本部のシステム経由で、前回分も含めて紙ベースでしか参照できない状況である。保健指導は希望者に看護師が実施しているが、紙ベースの記録であり、容易に参照できるとは言い難い。
 精密検査や治療が必要な人へのフォローアップでは、今回の受審を機に体制が見直された。また、報告書に切り取り線付きで、診療情報提供書を一枚のみ発行しているが、診療科の宛先がないため、改善が望まれる。情報提供書には画像写真の添付はなく、原本を貸し出して返却してもらっている状況であり、更なる改善が望まれる。追跡検査が必要な受診者へのフォローも、精密検査同様に体制が見直された。医療機関との連携では、医師会会員の医療機関だけでなく、検査や治療に最適な病院を紹介できるとなおよい。
 健診の有用性の検討では、人間ドック学会への参加と発表が行われている。それ以外の学会にも参加する仕組みがあり、事務を含め全職種が何らかの研修に参加している。事業年報に業績はまとめられているとのことであるが現物は本部にしかなく、一部イントラネットで確認できたが、検討が望まれる。

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