日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人淳風会 淳風会健康管理センター

総合評価

 一般財団法人淳風会健康管理センターは、岡山市の中心地に位置し、特色として総合労働衛生機関の機能を備えている。法人組織淳風会は淳風会ロングライフホスピタル、淳風会健康管理センター/大供クリニック、健康管理センター倉敷、集団検診部で構成されている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約11,000人(継続受診率74.3%)、その他の健診が約61,000人である。当機能評価は2008年に初回の認定を取得し、今回は2回目の更新審査である。
 セクター長(施設管理医師)とセンター長(健診管理医師)を中心に、各職種スタッフが協力し前向きな姿勢で受診者に接しており、機能評価を有効に活用し、毎回改善を継続していく姿勢が伺える。人間ドック認定医や人間ドック健診専門医も多数在籍しており、体制は整っている。
 「運営の基本体制」の面では、理念と基本方針は小冊子で職員に配布され、周知徹底されている。その小冊子には中長期計画も盛り込まれており活用が図られている。事業年報は毎年作成され、結果の確認が次年度の目標に活かされている。また、実態に即した組織作りがなされており、特色のあるアテンドセクションが構成され、収納業務や会計処理、受診者の案内などが行われている。運営を維持し改善する為の各種委員会が設置され、機能が発揮されている。「健康経営優良法人2017~ホワイト500~」に選定され、活動量セルフモニタリングによる職員の健康増進や、健康経営セミナーなど企業に向けてのサポート活動を行っている点は特徴的である。
 「受診者の満足と安心」の面では、受付時のオプション追加やキャンセル対応は正確かつ迅速に反映され、料金の収受もスムーズである点は評価できる。施設は清潔に保たれ、絵画が多数掛けられ、快適で落ち着いた受診環境が整えられている。ICカードを用いた個別管理システムの活用により、時間短縮や伝達の正確性、プライバシーの確保が可能となっており、健診の流れの効率化が図られている。このシステムの活用方法は極めて有効で、特筆に値する。検査の動線が分かり難いところは、コーディネーターの配置によりカバーされている。
 「健診の質の確保」の面では、精密検査の受診率は更なる向上が見込まれる。追跡検査の実施率は改善しているが、実数の把握に改善の余地がある。把握の仕組みは毎年改善を行っており、新システムを活用して、今後より正確な数字が把握できれば、実施率は向上すると期待できる。
 職員の意識の高さから、さらに質の高い健診施設になることを確信させるものがあり、総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念や基本方針は健康管理センター独自に明文化され、施設入口やパンフレット、ホームページに掲載されている。管理規程類や倫理規定等の体制も確立されており、イントラネットでの閲覧など職員への周知体制も整っている。受診者の権利も健診フロア等で提示されている。
 事業計画等は、体系的に中長期から単年度へと繋がりがあり、会議で検討されるなど一体感のある運営が行われている。更に、小冊子にて事業計画を職員が携帯して、周知されている点は優れている。
 組織図は部署責任者や委員会が明記されており、定期的に見直されている。会議体系としては、月1回センター長や各部門責任者を含むセクター部長会を開催している。健診料金の収受と会計処理は適切である。
 情報システム管理に関しては、アクセス制限は適切で、健康管理センターがISMS認証を取得し、管理規程に則って運用されている。情報管理に関する研修が定期的に行われ、年2回トラブル発生時を想定した訓練も実施されている。
 委託業務の契約は適切で、双方の関係者による定期的な会議や監査が行われている。薬剤や診療材料の管理も適切になされている。
 安全衛生管理体制については、職員の健康管理として特殊健診を含む健康状態や長時間残業者、被ばく線量等の報告が行われ、職場巡視を行っている。防火管理や感染性廃棄物、個人情報の紙類の処理についても適切になされている。
 企業や健保組合との契約は適切で、「人間ドックガイドブック」を発刊して検査内容や料金、その重要性等を情報提供している。市民公開講座やタニタ・ウォーキングイベント等を積極的に開催しており、地域との関係も良好である。

2.受診者の満足と安心

 女性受診者には女性技師が対応し、乳がん・子宮がん検診はレディースフロアで毎日実施されている。2018年2月と3月の第2土曜日にはレディースデーを実施し、託児所も提供された。また、受診案内書と人間ドックガイドには検査項目や内容について、詳細に説明されている。
 受付は時間差で行われ、マニュアルが整備され、丁寧な対応がなされている。検査担当者の氏名と顔写真が診察室や検査室、検査ブース等に大きく掲示されている。健診中の体調不良は、原因に応じて対応できるよう準備されている。受診者の既往歴や治療歴、アレルギー歴等の注意事項は、検査時に確認できるようシステムに記録されており、次年度以降も継続して活用されている。
 受診環境については、畳のスペースや、地域の芸術家の作品展示があるなど、待ち時間を穏やかに過ごすことができる。健診終了後に利用する食堂は隣接するビル内にあるが、健康に配慮された食事が提供され、管理栄養士による食事指導が開催されていて評価できる。
 プライバシーへの配慮に関しては、受診者は受付番号が記入された受診カードを持参して健診を行い、名前での呼び出しは行われていない。検査室と診察室は個室に区切られており、入口には目隠しが設置され受診者の出入りがわからないように配慮されている。個人情報の取り扱いについては、2014年から情報セキュリティーマネージメントシステム適合評価制度のISMS認証を受けている。
 検体検査の体制は適切で、内部および外部精度管理が行われている。検査機器の管理は適切で、トラブル発生時の対応マニュアルや連絡体制が整備されている。
 業務改善については、年2回アンケート調査を行い、受診者の意見を取り入れ積極的に取り組んでおり評価できる。また、前回の機能評価受審時の指摘事項は改善されている。
 セーフティーマネージメントの体制は確立しており、事故やインシデント報告をもとに改善が行われ、年間の統計分析がなされている。受診者の急変時の対応訓練が年2回行われている。感染対策については、受診者および職員への感染防止マニュアルが整備され、適切に実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、施設規模に対して医師や保健看護職、技師、事務員の人数は適切である。資格については、人間ドック健診専門医や人間ドック認定医、人間ドックアドバイザー、胃がん検診専門技師などを有している。
 職員教育については、年間教育計画に基づき、倫理や接遇、安全管理など人間ドック学会が求める項目を入職時に行っている。各職の専門領域でも法人規定に基づき、学会や研修会などに参加できる仕組みがある。
 検査項目は、人間ドック学会の基本項目が実施され、任意検査は定期的に見直しされている。ただし、契約先によっては胸部X線が一方向撮影であり、二方向撮影への改善を求める。同様に、血液・検尿項目の一部に不足が見られ、整備を検討されたい。画像検査は二重読影体制で、各専門医が関与している。判定基準は、人間ドック学会の判定区分に概ね準拠している。
 過去の検査結果は適切に管理されており、結果説明時には画像も含めて過去の結果が迅速に参照可能である。結果表には過去2回分の結果も記載されている。
 健診当日の医師による結果説明は、身体計測、血圧、尿検査、血液検査、画像系とすべてを網羅しており、実施率もほぼ100%であり評価したい。
 事後指導も積極的に行われており、特に栄養指導は人間ドック受診者以外のタニタ食堂利用者にも行い、地域貢献している。また、運動指導は体組計を活用し、栄養指導と並行で行うなど特色のある運用を行っている。専門職の人的資源を有効活用し、更なる実施率の向上に努められたい。
 受診後のフォローアップ体制については、精密検査指示者に紹介状と診療情報提供書を送付し、未受診者には封書にて受診勧奨を行っている。便潜血検査においては、アプローチを行った結果、精密検査の受診率が改善しており、その他の検査においても更なる向上が望まれる。追跡検査のフォローアップは改善の余地があり、新システムを活用して情報収集体制が改善されることで、更なる把握率の向上を期待したい。
 病診連携に関しては、紹介医療機関リストが作成され、紹介状の返書の確認を含めて、活用している。
 健診の有用性の検討に関しては、人間ドック学会の調査研究に参加し、人間ドック学会で多くの発表実績があり評価できるため、今後も積極的な参加を望みたい。

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