日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

公益財団法人 神奈川県予防医学協会 中央診療所

総合評価

 公益財団法人神奈川県予防医学協会・中央診療所は、昭和30年に創設された健診専門施設である。施設は横浜市中区に位置し横浜港や元町、中華街、横浜スタジアムなどが近隣にあり、横浜らしい雰囲気に囲まれた環境で、眺望の良い健診フロアが特色である。受診者一人一人の気持ちに添った質の良い健診の提供と、安全性を考慮した受診者満足に向けての活動を心がけている。
 年間受診者は一日ドック受診者が約9,600人(継続率84・0%)、その他施設内健診と巡回検診の受診者数合計は約478,000人である。本機能評価は平成20年に初回認定を受けて、今回は2回目の更新審査である。
 「施設運営の基本体制」の面では、規定やマニュアルが整備され、記録類も作成されており評価できる。その一方で、組織体制については、委員会の位置づけや目的が明確にされるとより良い。
 「受診者の満足と安心」については、健診の場が2フロアに分かれており、移動はエレベータを使用する。各階での移動を円滑に行うため、コーディネーターとフロアマネージャーを配置している。内視鏡検査は外来患者と動線が交わらないように案内に工夫をしている。
 「健診の質の確保」の面では、医師を含め十分なスタッフが確保されており、読影体制も適切である。また、医師と臨床検査技師による症例検討会が定期的に実施されるようになり、医療知識の向上にも寄与している。
 当日の医師による結果説明率は100%であるが、説明内容については、画像結果の提示等、今後の充実を期待する。健診結果に基づく保健指導や栄養指導、運動指導が行われているが、実施率の状況に向けさらなる積み上げを期待したい。精検指示率と実施率、フォローに関して大きな問題はなく、今後の継続的な取り組みを期待したい。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は受付とホールに掲示され、職員へはイントラネットにて周知され、見直しも随時なされている。職業倫理については倫理規定やハラスメント規定が制定されており、職員への相談窓口も設置され、事例への対応もなされている。受診者の権利は施設内での掲示とパンフレットにて周知され、個人情報についてはプライバシーマークを取得して取り組んでいる。
 事業計画は第7次グリーンプラン3年計画が策定され、年度毎に進捗管理されており、課題はあるが目標はほぼ達成されている。予算書や事業報告書なども作成され、理事会へ報告されている。
 組織図が作成され、健診全体を統括する常勤医も明確である。会議体は機能しているが、委員会の目的や開催頻度などを明確にされるとよりよい。料金の収受と会計処理は適切に行われている。
 情報システムは予防協会の情報システム部の管理の元に「サーバー停止・起動手順書」、「健診基幹システムダウン時処置」などが作成されている。サーバー室は限定された者のみが入室許可されており、入退室ノートにて管理されている。パスワードは全員へ付与されており、自動更新で適切に管理されている。
 委託業者の選定基準は明確になっており、定期的に評価が実施されている。薬剤や医療材料については、各部署が適正在庫を設定して、発注と検収を実施し、台帳を作成して年1回の棚卸しを実施するなど適切に管理している。
 安全衛生管理については委員会が組織され、ビル全体の防火避難訓練が1年に2回、予防協会独自にはフロア毎に2ケ月に1回訓練を実施するなど活発な実践がなされている。また、職場巡視や職員健康診断、職員への免疫予防接種、ストレスチェックを実施するなど体制は充実している。感染性廃棄物マニュフェストや機密書類の管理も適切である。感染性廃棄物保管庫については、今回の受審を機に適切に改善された。
 企業や健保組合との契約は適切で、担当者による見直しも実施されている。また、広報誌「健康かながわ」を月1回発行して、人間ドックや健康に関する情報を発信している。

2.受診者の満足と安心

 利便性の面では、婦人科検診はもちろんであるが、腹部エコーや心電図などを担当する臨床検査技師のほとんどが女性であり配慮されている。レディースデイには医師と事務担当を含めたスタッフ全員が女性で、女性受診者にとって安心できる体制を提供している。
 健診の場が2フロアに分かれており、受診者が惑わないように各フロアにコーディネーターを配置している。また、内視鏡検査は健診受診者以外の方もいるため、案内時に一般の方と遭遇しないような工夫を行っている。担当者の名前は掲示されており、全員が名札を着用している。システムに入力されたアレルギーなどの受診者情報は帳票に印刷され、事前に共有されている。
 受診者の呼び出しは、原則氏名による呼び出しを行っているが、番号での対応も可能で、掲示もされている。ビル内の施設のため、防災上完全な個室化はできないが、内容が漏れることはない。10年前よりプライバシーマークの認定を受けており、職員の個人情報の管理に対する意識は高く保たれている。
 検体検査の内部および外部精度管理はともに良好な結果であり、各検査機器も定期的に点検チェックされている。
 受診者の意見や要望の収集にはご意見箱を設置しており、毎日チェックして検討している。アンケートは年度ごとにテーマを決めて実施しているが、不定期に行われているため、毎年の定期的な実施を期待する。業務改善については、ドックスタッフ会議やリスクマネージャー会議にて検討されている。
 セーフティーマネージメントの体制は確立しており、受診者の急変時にも対応できる仕組みがある。さらに、職員の感染予防としてB型肝炎、麻疹の抗体チェックとワクチンの接種が行われ、またインフルエンザワクチンの接種率も極めて高い。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制では、人間ドック健診専門医と認定内科医、消化器、呼吸器、婦人科の各専門医が常勤であり医師数も充実している。医療職では看護師や保健師、管理栄養士、臨床検査技師など各職種の人数も十分であり、学会の推奨する資格も有している。事務職の人員も十分確保されている。
 職員教育および研修制度は充実している。院内の研修会不参加者に対しては、イントラネットによる情報提供を行い、全職員に対する啓蒙活動が行われている。今後は委託業者に対する教育も考慮されたい。
 検査項目と判定基準は人間ドック学会に準拠しており適切である。各種画像診断の読影と判定は各専門医によるダブルチェックが行われている。最終判断は、過去の経過や経緯を考慮して統括医が行い、一定の基準を担保されている。
 当日の医師による結果説明が全員に実施されていることは評価される。ただし画像診断の説明は希望者のみとなっており、その実施数が少ないため、今後数字を伸ばす努力が必要である。健診結果に基づく保健指導や栄養指導、運動指導は実施されているが、実施数のさらなる積み上げを期待する。
 受診後のフォローアップでは、健診後の精検指示率は問題ない範囲であり、実施率も良好である。担当者が明確であり追跡方法も確立しており、次回の健診にフィードバックされている。追跡検査が必要な受診者に対しても、未受診者には受診勧奨がなされており、今後も着実な実施を期待する。
 健診の有用性の検討では、従来少なかった人間ドック学会での発表を今年は積極的に行われた。次年度以降の継続に期待したい。

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