日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般社団法人 オリエンタル労働衛生協会 オリエンタル上野健診センター

総合評価

 オリエンタル上野健診センターは、一般社団法人オリエンタル労働衛生協会の東京支部であり、JRや地下鉄駅より徒歩数分圏内に立地する人間ドック・健診に特化した施設である。
 年間の受診者数は、一日ドック約6,000人(継続受診率72.5%)、その他健診が約16,000人である。本機能評価は、平成20年に初回認定を受け、平成25年についで今回が2回目の更新審査であり、受診者数は一日ドック・その他健診ともに拡大している。
 前回受審以降もプライバシーマーク取得を維持されていることは評価でき、受診勧奨の方法の見直しや健診結果の当日説明率向上、保健指導の実施体制の整備など、改善への取り組みも認められる。しかし、これらの改善の取り組みの到達はまだ十分ではないため、引き続き努力されることが望まれる。
 運営の基本的体制はおおむね確立しており、施設の基本方針のもと、計画的な運営がなされている。委託業務管理や防災対策等はビル管理がなされている。今後、契約先・地域への健康情報の発信等に目を向けられることを期待したい。
 受診者の満足と安心のための取り組みは、受診環境の整備や寄せられる意見の検討等、適宜対応し、業務改善に取り組まれている。
 健診の質の確保については、スタッフの配置や教育はおおむね適切であるが、今後は人間ドック認定医等の資格取得や教育計画の作成、各職種への研修の充実などを求める。結果説明や保健指導に関しては、仕組みを見直して実施率の向上に努めているところであり、専門職の活用を図りつつ引き続き取り組みを望みたい。
 検査の判定については、一部、精検指示率の変動が大きい検査があったが、人間ドック学会のガイドラインも参照し、適正な判定や施設内での標準化に向けた検討と取り組みがなされている。また、フォローアップ体制については、精密検査および追跡検査の受診率向上に向けて、今回の受審を機に整備に取り掛かっており、積極的かつ継続的な対応を望む。
 総合的な見地から、今後も継続的な改善に取り組まれることを条件に、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 基本方針は施設独自のものが作成されており、適時見直しも行われている。運営に必要な規定類は整備されており、職業倫理に関しても就業規則上で定められ適切である。受診者の権利が明文化され、パンフレットに記載されているが、ホームページや結果表にも記載されるとさらに良い。
 3年の中期計画に基づく計画的な運営が行われており、年度事業計画や予算書、年度事業報告と決算書も作成され職員に開示されている。
 組織図は整備されており、会議体系も明確で必要な会議の開催と内容の伝達が適切に行われている。健診料金の収受は決められた担当者が行なっており、会計処理は法人により必要な会計諸表が作成され、会議で報告・検討されている。
 情報管理については、法人でプライバシーマークを取得している。個人情報は適切に管理され、トラブル時の対応も手順が明確であるが、外部とのデータのやり取りに関してはさらに配慮を望みたい。委託業務の管理はおおむね適切に行われているが、清掃に関してはビル管理会社の管轄にあるとの事であり、感染管理上の教育などを別途検討する余地がある。薬剤や診療材料の在庫管理は、現場担当者と総務課で検収を二重に行うしくみである。
 安全衛生管理体制については、職員の健康管理や防災対策に適切に取り組んでおり、個人情報関連書類の廃棄に関しても十分な対応が行われている。感染性廃棄物の取り扱いはおおむね適切であるが、保管場所の整理は継続的な配慮を望む。
 健保組合等との関係については、渉外部を窓口として契約先と関係を構築しており、年4回の機関誌を発行している。地域では上野法人会や商店会に加入しているが、積極的な健康情報の発信にはあまり取り組まれておらず、さらなる検討を望みたい。

2.受診者の満足と安心

 婦人科エリアが区画され、医師をはじめとしてすべて女性スタッフが対応している。当日のオプション検査にも対応している。今後、日祭日のオープンやレディースデーの検討もされるとさらに良い。
 受付を早い時間から開始し、3人のエスコート係が案内しており、混雑緩和に配慮されている。受診者のアレルギーや既往歴、検査内容の変更や異常値の際の対応等について、システムで職員に共有されている。
 受診環境は快適に保たれているが、今後は温湿度のこまめなチェックを望みたい。また、禁煙のための啓発活動にも取り組まれることを期待する。
 プライバシーへの配慮については、問診・診察を含めおおむね適切であるが、内視鏡検査時の受診者氏名の取り扱いや読影用のデータの受け渡しなどについてはさらなる配慮を望む。
 検査の管理体制は確立しており、必要な手順書類も整備されている。検体検査は外注であり、パニック値の報告や精度管理は適切である。
 受診者の意見の反映については、アンケート箱が更衣室に設置されており、クレームについても適宜対応し業務改善に取り組んでいる。前回の機能評価受審時の課題に対する取り組みについては、結果説明や保健指導など体制の強化や仕組みの見直しを進めているところであり、今後の成果を期待する。
 セーフティーマネージメント体制については、医療安全衛生委員会を毎月行い、インシデント・アクシデントの検討と分析を行っている。今後、緊急時の対応訓練の実施や所内の感染ラウンド等も検討されると、さらなる質の向上が期待できる。感染対策マニュアルは整備されているが、手指消毒剤の管理や、勉強会等で職員の感染に対する意識を高める取り組みも今後期待したい。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制については、配置数はおおむね適切であるが、前年度末で人間ドック健診専門医が定年退職され、現在は非常勤として関与している。センター長が人間ドック認定医の資格取得に取り組まれている所である。また、人間ドックアドバイザーの資格取得や管理栄養士の関与もさらなる整備を求めたい。
 職員教育については、おおむね必要な内容に取り組まれているが、年間の定期的な教育計画が無く、不定期の実施となっている。今後、計画的に健診全般の質向上に向けた教育に取り組まれるよう望む。また、職種ごとの専門教育として、外部の学会等も積極的に活用し、さらなる仕組みの構築を求めたい。
 検査項目の設定や見直しは適切に行われている。結果判定については、放射線科医の二重読影の体制は整っているが、ドック健診分野のガイドラインや判断基準に一部沿わない部分があり、検討を望む。眼科医との情報交換により、眼底・眼圧検査の指示率は改善に向かっており、継続的な取り組みを期待したい。健診結果はコンピュータ上で適切に管理されており、参照も容易である。
 健診当日の結果説明については、開始時間を午前中に早めることで、実施率が50%未満から70%まで向上しており、継続的な取り組みを望みたい。
 保健指導に関しては、平成29年11月から整備を進めており、栄養指導は保健師や医師が行っている。今後も工夫しながら継続されることを望む。
 受診後の問合せ等への対応については、手順や部署は明確であるが、パンフレット等で受診者への仕組みの周知を期待する。
 フォローアップについては、受診勧奨の強化など積極的な取り組みが行われているものの、精密検査受診率の改善は課題である。追跡検査が必要な受診者に対するフォローアップの仕組みは、今回の受審を機に整備されている。事務や保健師、看護師が学会などで積極的に情報を得て理解を深め、取り組みに活かされることを望む。平成30年度から、フォローアップ担当の部署が明確にされたので、実績が出ることを期待する。
 紹介医療機関やかかりつけ医との連携はおおむね適切に行われており、今後は主体的な紹介先への訪問や活動報告、セミナー開催なども検討されたい。
 健診の精度や有用性についての検討は、学会発表などに取り組まれている。自施設の精検指示や実施の状況について、継続的な検討を望みたい。

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