日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般社団法人 ぎふ綜合健診センター

総合評価

 一般社団法人・ぎふ綜合健診センターは、昭和40年に岐阜県総合労働基準協会連合会として設立され、平成4年より人間ドックを開始している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約5,900人、その他の健診が約29,000人である。
 本機能評価は平成20年に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。前回受審時以降、「医療被ばく低減施設」の認定を取得し、別棟の「けんさんの館」は岐阜県の「ぎふの木づかい健診センター」の認定を取得しており、地域特性のある健診施設である。けんさんの館は、木のぬくもりが感じられる施設で、保健指導や栄養指導、専門講師によるエクササイズや健康ヨーガを実施している。その他にも、メンタルヘルスセミナーや生活習慣病予防サポート、働く人の心の相談室が設けられており、積極的な健康サポートに取り組まれている。
 運営の基本的体制の面では、理念や基本方針が院内掲示やパンフレット、ホームページ等で周知されることを望む。管理体制は確立しており、情報管理はプライバシーマークやISOに基づき厳重に行われている。医療材料の在庫管理はタブレットを活用して、日々の使用状況や使用期限等の管理がなされている。
 受診者の満足と安心に対する配慮については、施設は全面ガラス張りで採光あふれ、人間ドック専用の受付が設けられている。バックヤードが十分に確保されているため受診者はスタッフと交差せずに検査を受けることができる。検査室は原則個室で、検査間の仕切りも設けられており、プライバシーが確保されている。
 健診の質の面では、午前10時には管理栄養士がカロリー計算した昼食が準備され、その後に医師による結果説明が実施されている。実施率は80.5%とおおむね適切であるが、今後は、結果説明の有用性をさらに受診者に理解して頂く事、また説明内容に心電図や胸部X線等も含まれる事を期待したい。受診後のフォローアップについては、精密検査対象者には受診勧奨を行い、精検の実施は他の医療機関が中心であるが、依頼書を発行して報告を受ける体制が構築されている。生活習慣病の追跡検査は各課が連携して受診案内とフォローアップ実施を行っており、検査実施率は約30%である。有所見者数やがん発見率の推移等が分析され、事業年報で報告されている。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念や基本方針は事業年報に記載されているが、院内掲示やパンフレット、ホームページへの掲載が無く、今後受診者への周知を求める。受診者の権利は院内に掲示され、個人情報保護に関しては院内掲示とホームページで周知されている。職業倫理は規定が明文化され、委員会で対応する仕組みが構築されている。
 中期計画は事業年報にて経過報告がなされ、年度事業計画は月毎の前年比較による進捗管理が毎月のセンター会議で対処方法も含め検討されている。
 組織体制については、実態に即した組織図が作成され、人事異動や新人の採用等に応じて見直しがなされている。料金の収納および会計処理は適切であり、会議で報告されている。
 情報システムや個人情報は適切に管理されており、予約や結果票作成などの個人情報を取り扱う部屋への入退出は個人カードで管理され、関係者以外の入室も制限されている。医療データは専用回線で100キロ離れた飛騨地区センターにてバックアップされており、災害時等への対策がとられている。
 委託業務管理については、評価表に基づき毎年3月に再評価を実施している。薬剤や医療材料については、各部署において、手順書に基づき日々の使用状況や有効期限がタブレット端末で管理されている。
 安全衛生管理については、月1回委員会が開催され、職員の健康診断や防火訓練が実施されている。感染性廃棄物に関しては、保管場所は確認できたが、バリウムは一般ごみとして廃棄されており検討が望まれる。
 企業や健保組合との契約は適切であり、情報提供として事業年報の他、センターだよりを年2回発行し、県民公開講座で講演を行っている。

2.受診者の満足と安心

 利便性の面では、無料駐車場を完備し、土曜日の健診を月1回、繁忙期は月2~3回開催している。マンモグラフィ等の女性の検査に加え、心電図も女性スタッフで対応しており、レディースディを月1回開催している。
 受付は30分毎に10人ずつ案内され、1日40人以下にコントロールしてゆったりと受診できるよう配慮している。バリアフリーのワンフロアで、ほとんどの検査室がバックヤードで繋がっているため、スタッフ動線・受診者動線が整理され、原則一方向での検査が可能である。既往歴等の受診者情報は問診で把握しているが、今後記録として残し、翌年以降にも参照できるとより良い。また、上部消化管Ⅹ線の誤嚥情報が記録されているので、予約の時点で内視鏡へ変更するなど、誘導できるとより良い。
 施設は全面ガラス張りで採光にあふれ、デザイン性の高い調度品がそろえられ、リクライニングできる椅子も数台設置されている。食事室は10時から使用可能で、眺望が良く広い空間が用意されている。
 プライバシーの確保に関しては、検査室は原則個室で、複数の検査を行う部屋は清潔感のある曇りガラスで仕切られている。検体の採血管は受診者の目に触れないよう扱われているが、検査室への運搬の動線は受診者と交差する場合もあるため検討を期待する。プライバシーマークを取得しており、検査結果の取り扱いなどマニュアルが整備されている。
 検体検査はブランチラボで実施され、精度管理は適切である。システムトラブルの対応は、健診の担当部署との連携が明確になると良い。検査機器の管理は、検査機器ごとにマニュアルが整備され、トラブル発生時の対応は確立している。
 受診者の声の反映については、週1~2回アンケートを実施し、回収率も90%と高い。改善例としては、室温の感じ方に個人差があることがわかり、希望する女性にはTシャツや靴下の無料配布を開始している。前回の機能評価受審時の指摘事項への対応など、業務改善に積極的に取り組まれている。
 セーフティーマネージメントに関しては、針事故対策のマニュアルがあるが、上部消化管Ⅹ線検査での嘔吐後の処置や内視鏡の鼻出血対策についてもマニュアルの整備が望まれる。職員の感染予防として、インフルエンザワクチンとB型肝炎ワクチンの接種を実施している。

3.人間ドック健診の質の確保

 人間ドック健診専門医をはじめ、循環器、放射線科、婦人科等各種専門医が在籍しており、医師の体制は整備されている。医療職は人間ドックアドバイザーや超音波検査士、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師などの専門資格を取得し、検査の体制が確保されている。
 職員への研修は年に2回、全職員を対象に実施され、外部の学会や研修会への参加申請の仕組みもある。職種毎の専門教育は、センターとして有用と思われるセミナーへの参加を奨励している。
 検査項目は適切で、オプション検査含め見直しもなされている。画像診断は医師によるダブルチェックで専門医により判定がなされている。眼底写真は遠隔読影を行っている。検査データはすべてデジタル管理され、比較読影がなされている。結果報告書は検査別の判定やコメントが見やすく掲載されており、総合コメントも記載されるとより良い。
 健診当日の医師による結果説明は、血液検査の結果が主体であるため、今後は、心電図や胸部X線検査等の説明も期待する。
 保健指導は「けんさんの館」で実施され、保健師の保健指導36.6%、管理栄養士の栄養指導5.6%の実施率である。また、受診者の要望に基づき、生活習慣病予防サポートや働く人の心の相談室などが設けられ、健康サポートの体制は充実している。
 受診後のフォローアップについては、対象者には精密検査結果表を送付し、受診者の要望に基づき紹介状を発行している。今後、受診者サービスと事務効率の観点から、最初から紹介状を発行することも検討されたい。生活習慣病の追跡検査については、対象者に案内を行い、実施率は約30%である。血圧に関しては自宅管理用の資料を渡し、次回受診時に経過を報告してもらっている。今後、血圧の追跡検査フォローの仕組みも検討を望む。医療連携については、連携先医療機関の専門医を把握しており、各セクションに周知されている。
 健診の有用性の検討については、事業年報に部位ごとの有所見者数や所見率、疾病名毎の分類、がん発見率等が報告されている。人間ドック学会での保健師の発表や、診療放射線技師会研究会への発表もあり、今後も各職種の積極的な発表を期待する。

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