日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人 太田綜合病院附属 太田熱海病院 予防医学センター

総合評価

 一般財団法人太田綜合病院附属太田熱海病院・予防医学センターは、昭和45年に郡山市熱海町に開設された病院併設型の健診施設である。
 年間の受診者数は、一日ドックが約6,500人、二日ドックが約580人(継続受診率78.5%)、その他健診は約4,400人である。本機能評価は平成19年に初回認定を取得し、今回は2回目の更新審査である。
 前回の認定更新以降の取り組みとして、任意検査の内容の充実、保健師の増員、ホームページやパンフレットの充実、会計受領を予防医学センター内に設置するなど受診者満足に向けた改善がなされている。しかし、未整備の課題もあるため、積極的に取り組むことを期待する。
 運営の基本体制の面では、規定やマニュアルが整備されており、必要な記録も作成されている。単年度計画は制定されているが、中期計画が策定されておらず検討を望む。情報システムは病院にて一元管理されているが、データ保管室や端末へのアクセス制限・ログ管理等のセキュリティ強化については検討を望む。安全衛生管理体制は適切である。
 受診者の満足と安心の面では、受付にて案内図を提示するなど検査の進行は概ね適切であるが、病院の検査室への経路はやや複雑である。受診環境は、プライバシーが適切に確保されており、さらに四季の景色が楽しめる大きめの窓が配置されていたり、付属宿泊施設の温泉が利用できたりと良好である。受診者からの意見や要望は、投書箱やアンケートを活用して業務改善に反映させている。
 健診の質の面では、人間ドック健診専門医をはじめ各専門医が揃い、スタッフの体制は概ね整っている。医師による結果説明は、健診当日に検体検査等について行われているが、今後は画像検査についても説明できると更に良い。保健指導については、前回更新時には健康運動指導士や管理栄養士の関与もあったようであるが、現在は医師が行っており、今後は専門職による指導を期待する。フォローアップについては、人間ドック後日に受診勧奨等がなされているものの、精密検査と追跡検査の実施率は低く、向上に向けた取り組みが必要である。当日の面談での意識づけや、他医療機関との連携なども合わせて検討されると良い。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 予防医学センター独自の理念と基本方針が確立し、受付やホームページ、パンフレットに掲示されている。今後は見直す仕組みの確立に期待する。就業規則や職業倫理規定が作成されているが、規定に反する行為の相談窓口は整備を望む。受診者の権利については、規定が制定されている。
 事業計画が整備され、センターとして広報活動を強化し受診者増に取り組んでいる。前回の機能評価受審時の課題であった中期計画は利用者数目標に留まっており、より具体的な内容について策定を検討されたい。
 組織体制は、病院の組織図や委員会一覧で明確にされ、見直しの仕組みもある。
 財務処理は病院主体で、マニュアルに沿って適切に行われている。会計処理はセンター内で行われ、病院庶務課へ入金するように体制整備が図られている。
 情報システムは、病院のIT管理課にて一元管理されている。管理マニュアルが作成され、トラブル発生時の対応についても適切である。しかし、データ保管室が事務室内にあり入退室記録も作成されていないため、職員であれば自由にアクセスできる環境である。また業務時間外は施錠管理されているが、鍵の保管方法も検討の余地があり、管理体制の強化を望む。パスワードは個別に付与されているが、定期的な更新の仕組みがなく、セキュリティ体制の強化を望む。
 委託業務は病院主導で管理されている。前回受審時の課題でもあるが、センターとして業者選定に関与しておらず、選定基準等について検討されると良い。契約の見直しは適切であるが、一部の契約書に個人情報保護規定が記載されておらず、確実な運用が望まれる。薬剤は病院の薬剤部にて、診療材料は病院の庶務課にて管理されており、センターとしての在庫管理も適切である。
 安全衛生管理体制については、病院の衛生委員会が開催され、センター長が委員長を務めている。職員の健康診断や防災訓練は確実に実施されており、感染性廃棄物や個人情報関連書類の廃棄等も適切である。
 企業や健保組合との契約は適切で、地域住民へもホームページやパンフレットで情報提供されている。年に1回実施していた健康講演会は暫く開催されておらず、継続的な取り組みにも期待する。

2.受診者の満足と安心

 受診者の利便性に関しては、郡山駅よりシャトルバスが運行されており、また第1と第3土曜日にも人間ドックが受診可能である。女性への配慮としては、土曜日以外は乳がんと子宮がん検診を毎日実施している。
 受診者への案内は、案内図の利用や個別の対応など概ね適切であるが、放射線や内視鏡など病院に移動して行う検査は病院内の経路がやや複雑なため、更なる案内の充実が求められる。安心して検査を行えるよう、アレルギー等の受診者情報はスタッフ間で共有されており、また検査の担当者名も明示されている。
 受診環境については、間接照明で壁の色も柔らかい配色であり、大きな窓からは四季の景色を楽しむことができる。二日ドック以外の受診者も付属宿泊施設の温泉を利用することができ、きわめて良好である。
 プライバシーに配慮されており、名前での呼出を希望しない受診者には、対応にやや不慣れさを感じるものの、番号での対応が可能である。検査室は個室化され、ホールに隣接する検査はスクリーン等で仕切られている。
 検査の管理体制は確立されている。内部及び外部精度管理が適切に実施され、データはその後の運営にも活用されている。検査機器の管理マニュアルは整備され、トラブル発生時の対応も適切である。
 受診者からの要望は、投書箱を設置して収集し、月例会議で検討のうえ回答している。その他に年1回以上のアンケート調査が行われている。業務改善に継続的に取り組んでいるが、前回の機能評価受審時の課題については未整備の部分もあるため、積極的に取り組まれることを望む。
 セーフティーマネージメントと感染予防対策については、併設病院と共同で確立されており、着実に運用されている。上部消化管X線検査の鎮痙薬投与の場所は、明るさ等の安全性や感染対策上のさらなる配慮を希望する。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフの体制は概ね適切であり、人間ドック健診専門医が関与しており評価したい。一方、上部消化管内視鏡検査の実施者数に対する医師の配置は考慮が必要と思われる。また。医師以外の人間ドック健診情報管理指導士の取得も検討されたい。
 スタッフに対する教育体制については、内外の研修会や学会に参加しており、確立されている。
 検査項目は、人間ドック学会の基本検査項目に準拠し、判定基準も概ね準拠している。画像検査は、各専門医による二重読影が行われ適切である。
 健診当日に医師が検査結果を説明しているが、検体検査の結果が中心であり、今後は画像の読影結果も可能なものから説明されると更に良い。また、実施率は一日ドックが73.1%、二日ドックが92.5%であり、更なる向上に期待したい。
 保健指導、栄養・運動指導については、いずれも医師が行っており、所属する保健師は特定保健指導のみを担当している。今後、専門職による保健指導の取り組みが必要である。
 受診後のフォローアップについては、結果に関する質問や相談は、マニュアルに基づき適切に対応されている。二次検査指示者へのフォローの仕組みも整備されているが、精密検査の実施率は概ね50%未満と低く、向上に向けた工夫や取り組みを求めたい。追跡検査の実施率も同様に、検討を期待する。他医療機関との連携は、病院と共同で行われており、センター独自の地域連携がなされると良い。
 健診の有用性の検討については、健診結果は分析・検討されているが、精度の検討まで至ると良い。年に1演題程度、人間ドック学会の学術大会に発表しており、適切である。

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