日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人 京都予防医学センター

総合評価

 京都予防医学センターは京都市中京区の診療所併設型の健診施設で、駅より徒歩約8分の交通至便な立地である。1940年に創設され、結核予防会や対がん協会、予防医学事業中央会の京都支部として活動してきた歴史ある施設である。2018年4月には施設が全面的にリニューアルされている。建物は5階建てで、1階は外来、2階と3階が人間ドック及び企業健診、4階は事務部門、5階にはホールがあり有料ではあるが健康運動教室が開催されている。
 年間の受診者数(2017年度)は、一日ドックが約4,900人(継続受診率64.2%)、その他の健診が約21,000人である。本機能評価は2007年に初回認定を取得し、今回は2回目の更新審査である。
 「施設運営のための基本体制」の面では、管理職会議や総健会議を中心に、必要時にはプロジェクト単位でワーキンググループを立ち上げて、重要事項や運営方針を討議している。品質マネジメントシステム(ISO9001)と情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)を取得しており、情報システムの運用や委託業務の管理体制などは良好である。防災訓練は年1回、消防署より講師を招いて実施しており、評価に値する。広報誌「健康チャンネル」を定期的に配布し、所長が京都労働健康管理会にて講演を行う等、必要な健康情報の提供に努めており、所長を中心とした積極的な姿勢が見られ、今後も継続を期待したい。
 「受診者の満足と安心」の面では、2階の人間ドック・健診の受付には外来を通らずに専用エスカレータで上がることができ、病院と共有の検査は待合スペースが健診と外来で別になっているなど、人間ドック利用者に配慮されている。フロアにはコーディネーターが配置され、受診者の体調に配慮し各検査室への案内が行われ、別の階に移動する際は付き添っている。さらに検査進捗システムおよび各待合室等に設置されたカメラを利用して、待ち時間の少ないスムーズな健診が提供されている。
 「人間ドック健診の質の確保」の面では、2018年のリニューアル前は、結果説明約50%、保健指導1.1%、精検受診率は心電図が40%だが他は20%前後と低率で、追跡検査は把握できていない状況であった。しかし、リニューアルを機に全ての体制を一新し、結果説明100%、保健指導27%と大幅に向上している。精密検査のフォローアップについても、受診後3ヶ月目に未返信者に葉書を送付する受診勧奨を始めており、受診率の向上が期待される。追跡検査のフォローアップ体制も新たに構築され、継続的な取り組みを求めたい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は明文化されているが、施設内への掲示を望む。就業規則等は冊子にて閲覧が可能である。職業倫理に関する体制は「賞罰委員会規定」の位置づけで策定されており、事案があった場合の相談窓口も明確である。受診者の権利は明文化されている。
 管理職会議と所内理事会で中長期経営計画を策定し、事業計画や事業報告等も作成され、計画的な運営に基づいた健全経営に努めている。今後のセンターの質向上や機能維持、健全経営を目指すために、討議事項が確認できるより明確な議事録の整理に取り組むことを期待したい。
 毎月発行する組織図で健診体制が明確になっている。関連会議体系や委員会名簿も確認でき、明確に機能している。ただし、重要な会議で記載漏れがあり、追記されたい。また、医療安全委員会の開催記録が確認できず、整備されたい。料金の収受や会計処理は担当者が明確で、手順書に沿って適切に実施されている。
 健診情報システムは、ICチップやパスワードでアクセス管理されており、トラブル対応マニュアルも確認できた。サーバー室への入室は、限られた職員のみに権限が付与され、確実に管理されている。
 委託契約書は管理されており、委託業者の選定と評価も適切である。薬剤や診療材料の管理については、各現場で発注と在庫台帳管理を行っている。
 安全衛生管理については、月1回委員会が開催され、職場巡視を行っている。職員健診は、35歳以上には生活習慣病健診、他は法定健診を実施している。感染性及び産業廃棄物、個人情報書類の処理マニュアルやマニュフェスト類も確認した。
 企業や健保との契約は適切である。他団体との積極的な交流はうかがえないが、広報誌や講演等で健康に関する情報提供を行っている。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、女性受診者の心電図と乳房超音波、マンモグラフィは女性技師が対応している。ホームページやパンフレットには、健診コースやオプション検査、料金、予約や問い合わせ先が分かりやすく掲載されており、Q&Aのページもあるなど充実した内容である。
 健診当日は、時間差で受付を行い混雑を緩和している。受診者情報は、前日と当日に各部署のスタッフで申し送りが行われており、各部署にあるタブレットで検査の進捗状況や待ち時間、アレルギーや注意事項が確認できる。この情報管理ソフトは施設独自に開発しており、情報が色分けされて視覚的にも分かりやすく、また、使いやすいように更新もされており、非常に優れた点の一つである。
 CTやMRI、内視鏡等は病院施設を利用するが、待合スペースを分ける配慮がされている。また婦人科診察とマンモグラフィ検査では、女性専用の待合スペースが設けられている。心電図検査用のベッドは通常より大型のものが導入されている。
 施設内の設備は良く検討され、安心感は高いと考えられる。更衣室は清潔でスペースも十分であるが、男女ともに一人で着替えるスペースがなく、検討されたい。スリッパはクリーニングできる業者を選定し、常に清潔に保たれている。
 プライバシーの確保に関しては、基本的に氏名で呼び出しが行われているが、希望者には番号での呼び出しにも対応している。診察や問診、検査は基本的に個室で行われている。検査結果の問い合わせは、必要時には折り返し電話している。
 検体検査はブランチラボで、精度管理の報告が定期的になされている。問題発生時には会議が開催されているが、今後は、問題がない場合にも定期な開催が望まれる。検査機器の点検・整備は適切で、トラブル発生時のマニュアルも整備されている。
 受診者の意見把握については、意見箱が更衣室等に設置され、定例会議等で検討および対応されている。今後、各部署の業務改善の観点からも、アンケートの実施を望む。また、対応事例を待合室に掲示するなど、受診者への周知も検討されたい。
 セーフティーマネージメントについては、インシデント・アクシデントは委員会に報告され、再発防止策が講じられ、評価もなされている。急変時の対応は病院と連携している。職員の感染防止策として、必要に応じてワクチン接種を勧めている。

3.人間ドック健診の質の確保

 常勤の人間ドック健診専門医の他、各種専門医が在籍しており、眼科専門医も京都大学病院の眼科から派遣されている。保健看護職や技師等の医療職は病院との兼務も含め、十分な人数が従事している。ただし、各種免許の確認については、原本の控えを取っているが、確認日や確認者の記載が望まれる。
 職員教育は年間計画に基づき実施され、学会や外部研修にも積極的に参加している。しかし、欠席者に対して行われている資料の閲覧の記録や研修会の伝達講習会・勉強会などの開催記録がないので、改善が望まれる。
 検査項目は人間ドック学会の基本項目が実施され、任意検査は病院を利用し豊富に準備されている。判定基準は人間ドック学会の判定区分に準拠している。画像診断と心電図、眼底写真は、二重読影がなされ、過去画像との比較も行われている。
 施設のリニューアル後、面接医を1名から2名に増員し、当日の結果説明を100%実施するように改善されている。必須項目以外についてもパニック値や異常が疑われる場合には、一次読影の段階ではあるが説明している。
 保健指導は、パンフレット等では希望制となっているが、現在は医師面接と検査データから保健指導を促し、実施している。管理栄養士と専門運動員による指導も今後の実施を期待したい。
 受診後の対応については、問い合わせへのマニュアルが整備され記録もされているが、記録が紙ベースであり、健診システムに取り込むような対応が望まれる。
 フォローアップ体制については、外来受診希望者には健診当日に予約を取っている。2018年度より受診3ヶ月後の受診勧奨を開始し、精検受診率が向上しており、さらなる向上に期待したい。今後の検討事項としては、近隣の医療機関希望者に対する紹介状発行のしくみや、健診部門において紹介先一覧の作成など、整備されたい。なお、眼底・眼圧の精検指示率が17%と高かったが、眼科医との連携が強化されたことで下がってきており、今後も継続的な改善を望む。
 追跡検査のフォローアップについては、今回の受審を機に受診勧奨と経過把握のしくみが整備されたことは評価できるため、今後、精検フォローアップや保健指導とのさらなる連携が図られることを期待する。
 健診の有用性の検討については、対がん協会や結核予防会と連携しており、人間ドック学会の調査研究にも参加している。発表は他学会での実績はあるが、今後、人間ドック学会での発表や論文の投稿も期待したい。

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