日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人成春会 花輪クリニック

総合評価

 医療法人成春会 花輪クリニックは、クリニック併設型の健診施設で、平成15年に駅と隣接したビルに移転しておりアクセスは良い。
 年間の受診者数は、一日ドックが約6,900人、二日ドックが約30人(継続受診率82.4%)、その他の健診が約4,600人である。本機能評価は平成19年に初回認定を取得し、今回は2回目の更新審査である。
 前回の認定以降の取り組みとして、バーコードを利用した健診システムの構築や検査データのオンライン管理など、効率化と受診者満足に向けた改善が図られている。
 運営の基本体制の面では、規定やマニュアルが整備されており、必要な記録も作成されている。委託業務管理については、業者を評価する仕組みの確立を期待する。安全衛生管理体制は概ね適切である。
 受診者の満足と安心の面では、受付や質問への対応マニュアルが整備されており、検査の進捗状況はシステムで管理され、各検査室の端末にて確認することができる。混雑の無いよう臨機応変に対応されているが、時間差受付の採用やフロアコーディネーターの配置などの工夫があればさらに良い。プライバシーに関しては、採血場所での検体は周囲の受診者の目に触れないような工夫が必要である。受診者の意見の収集は十分な仕組みがあるとは言えず、業務改善に活用するために組織的な活動が期待される。セーフティーマネージメントおよび感染対策の体制は確立している。
 健診の質の面では、人間ドック健診専門医をはじめ各専門医が揃い、医療職や事務職の体制は整っている。医師の結果説明は午前中に検体検査等について実施され、画像検査等の詳細な結果説明を希望する受診者には当日の午後に行われている。保健看護職による保健指導は実施されているが、専門的な栄養指導や運動指導は実施されていない。フォローアップについては、精密検査・追跡検査の実施率が低く、効果的な把握体制の構築や、受診の必要性を理解していただくなど受診者への積極的な意識づけが必要である。自施設及び同法人の病院、また地域の連携医療機関に紹介する体制は適切で、情報交換も行われている。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
  

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 法人の理念の下、健診センターの基本方針が確立し、施設内やパンフレットに掲載されているが、見直しの仕組みを検討されたい。就業規則や職業倫理規定が制定され、規定に反する行為の相談窓口として管理者等が設定されているが、より相談しやすい仕組みの検討を望む。受診者の権利は規定が制定されている。
 事業計画については、健診センターとしても機器の導入等について記載されており、具体的な受診者増への取り組みも検討されている。進捗の確認や各部署の意見を反映する仕組みが作られている。
 組織体制は、組織図や委員会一覧で明確にされ、見直しの仕組みもある。
 料金の収受と会計処理については、マニュアルに沿って適切に行われ、事務長がチェックして管理会議へ報告している。
 情報システムの管理は委託しており、運用状況は各部署のシステムミーティングで検討されている。端末のIDとパスワードは全職員に付与され、定期的な変更も適切である。サーバー室は金庫等もあるため複数の職員の入室があるが、今回の受審を機にセキュリティ強化が図られており、入退室記録などの確実な運用を期待する。
 委託管理については、業者の選定基準は新規のみ作成されており、継続業者に対しても整備を期待する。また委託業者内での教育実績を管理する仕組みも整備されると良い。薬剤や診療材料は適正在庫にて管理されているが、管理台帳は部署間での統一を望みたい。
 安全衛生管理については、規定に沿って委員会が開催され、職員の健康診断や消防訓練、個人情報関連書類の廃棄などが適切に管理されている。感染性廃棄物の最終保管庫の表示は、今回の受審を機に改善され適切である。法令のチェックリストを作成する等、漏れなく実施されるよう確認体制の整備を期待する。
 企業や健保組合との契約は適切で、ドック報告会で情報提供がなされている。地域住民へもホームページやパンフレットにて情報提供されている。

2.受診者の満足と安心

 利便性については、休業は日祭日のみで、子宮がんと乳がん検診は毎日実施している。マンモグラフィと乳腺超音波は女性技師が対応している。わかりやすい受診案内書や健康調査票も作成されている。
 受付は専任担当者が配置され、オプション検査は別に受付場所を設けて随時申し込むことができる。受付は待ち時間が発生することもあり、時間差受付などの工夫が必要である。検査の進捗はシステムで管理され、待ち時間に応じて検査順序の変更など対応しているが、フロア全体の進捗を管理するコーディネーターの配置があればさらに良い。検査の担当者名は明示されており、既往歴などの受診者情報はシステムに記録され、スタッフに共有されている。
 待合室は見晴らしも良く、くつろげる環境で、自動販売機による無料のドリンク提供や、検査後の軽食の提供がなされている。施設内は禁煙で近隣の禁煙外来の紹介も積極的に行っている。
 プライバシーに関しては、名前での呼び出しを希望しない受診者には番号で案内している。計測室はオープンスペースで簡単な間仕切りのみであるが、診察室と指導室は個室となっている。採血場所も間仕切りが設置されているが、検体が他の受診者の目に触れないように工夫が必要である。個人情報保護に関する院内規定があり、問い合わせへの対応や本人確認の方法は適切である。
 検査の管理体制については、検体検査は外注で、パニック値の報告体制がマニュアル化され、内部・外部精度管理も適切である。その他の検査機器も業務マニュアルが整備され、定期点検やトラブル対応も適切に実施されている。
 業務改善の仕組みに関しては、受診者からの意見箱の投書は非常に少なく、定期的なアンケートも行われていない。意見の活用は組織的な活動を期待する。
 セーフティーマネージメントについては、ヒヤリハット報告会が実施され、各部署や委員会で検討された対応策は診療会議に報告されている。急変時の対応は、救急カートやAED、緊急コールが設置され、緊急時対応訓練も実施されている。感染対策については、内視鏡消毒マニュアル等が作成され、検体取り扱い時の手袋着用やリキャップ禁止、職員へのインフルエンザ予防接種が実施されている。
 

3.人間ドック健診の質の確保

 職員体制は、人間ドック健診専門医が在籍し、土曜日以外は二診体制が整っており、医師は適切に配置されている。管理栄養士の関与は少ないが、医療職の体制は整っており、病院からの応援体制もある。
 職員の教育体制は、研修年間計画が作成されている。能力開発手帳にて職員毎の研修参加を管理し、不参加者への周知は各部署のミーティングで行っている。全職種が外部の学会等に参加できる仕組みが確立している。医師は専門医講習等に、他の医療職は症例検討会や本院の看護研修会等に参加している。
 検査項目は、人間ドック学会が提示する基本項目とオプション項目を実施しており、オプションの見直しもなされている。画像診断は二重読影されており、放射線部と検査部により症例検討会が開催されている。心電図は循環器医、眼底は眼科医が判定している。健診結果はシステムで管理され、健診結果表は過去を含め3回分の結果がわかりやすく提示されている。
 健診当日の医師による結果説明は、オンライン管理が整ったことで診察時に実施が可能となり、ほぼ100%の実施率に向上している。画像等を含む詳細な結果説明を希望する受診者には、午後に説明が実施され、実施率は約30%である。
 指導体制については、生活習慣に関する指導を保健師と看護師が実施しており、実施率は27.1%である。管理栄養士による栄養指導は週1回実施体制があるが希望者がおらず、専門運動員は在籍していないため生活指導時に実施されており、今後の体制整備を期待する。
 受診後のフォローアップは健診システムで管理されている。看護部が担当しており、相談窓口として専用ダイヤルも準備されている。精密検査の指示率は概ね適切であるが、眼底・眼圧検査はやや高く継続的な検討を期待する。精検の実施率は検査項目によっては低率で、未受診者の把握と受診勧奨に更なる工夫が必要である。また、追跡検査が必要な受診者についても、定期的な受診勧奨がなされているものの受診率は低く、体制整備を求めたい。
 健診の有用性の検討については、健診結果の分析が毎年行われ、ドック報告会にて報告している。人間ドック学会が実施する各種調査に参加しており、学会発表も行っているが、論文発表には至っていない。

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