日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

JA長野厚生連南長野医療センター 篠ノ井総合病院

総合評価

 長野県厚生農業協同組合連合会・篠ノ井総合病院は昭和42年に設立され、長野地域の基幹病院へと成長している。設立50周年を迎え、厚生連の病院との統合や施設のリニューアルがなされると共に、名称も新たに「南長野医療センター篠ノ井総合病院」としてスタートしている。
 本機能評価の認定は平成19年に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。
 年間の受診者数は、一日ドックが約840人、二日ドックが約1,500人に加え、「厚生連基本検査項目」(呼吸機能検査・眼圧が未実施)による日帰りドックが約4,300人、その他の健診が約3,100人である。
 運営の基本体制の面では、健康管理センターの理念と基本方針を独自に定めており、法人の中期計画をベースにした年度事業計画の策定や、定期的な事業報告など健全経営への取り組みがなされている。管理体制は概ね良好であるが、委託業者の具体的な選定基準を策定して公平性が保たれると良い。
 受診者の満足と安心の面では、業務マニュアルが整備され、安定したサービスが提供されている。一方で、聴力検査がひとつのテーブルで3人同時に行われており、検査の精度管理のためには一人ずつ個室で行うか、聴力ボックスの導入が望まれる。また、採血は専用のテーブルと椅子の利用を検討されたい。
 健診の質の確保の面では、スタッフ体制と職員教育は充実しており、検査判定も適切である。人間ドック学会の基本検査項目を実施する体制はあるが、厚生連の日帰りドックコースでは一部項目が不足しており、契約などの見直しを検討されたい。
 医師による結果説明と保健看護職による保健指導は100%実施され、禁煙指導も成功率65.9%と優れている。受診後のフォローアップについては、医療連携が適切になされており、平成29年からは追跡検査対象者の経過把握と受診勧奨を行っている。今後システム更新も予定されており、継続的な取り組みに期待したい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は病院と別に独自に定めており、受診者の権利も明文化し、施設内掲示やホームページ、パンフレットで周知している。職業倫理に関しては、法人でコンプライアンス規定や行動基準を定めており、入退職時には全職員に個人情報保護等に関する誓約書の提出を義務付けている。
 法人の3か年計画をベースに、年度事業計画と予算を策定し、毎月の病院の管理会議で進捗を確認している。
 組織体制、会議体系は明確で、複数の健診専門会議が定期的に開催されている。健診料金の収受は、担当者を決めて病院の規程に従い、クレジット支払いのみで業務が簡素化されている。会計処理は病院で実施し、管理会議等に報告している。
 情報システムの管理については、マニュアルを作成し、パスワードの設定により各情報機器へのアクセスを制限している。サーバーは本部に設置されている。
 委託業務の契約はほとんど病院で交わしており、選定や見直しも病院で行っている。具体的な選定基準が無く、公平性を保つためにも基準作りを期待する。薬剤および診療材料は業務課にて一元管理されており、適正在庫量が確保されている。
 安全衛生管理については、毎月病院の委員会にセンターからも参加している。職員の健康診断が実施され、防火・防災訓練に参加している。感染性廃棄物は適切に処理され、個人情報に関する書類の廃棄は委託業者に依頼して溶解処分されている。
 企業健保との契約は適切である。情報提供に関しては、施設内でのポスター掲示、パンフレットの発行の他、近隣JAおよび医師会や地域住民に対して研修会を開催しており、保健師による健康相談も実施している。

2.受診者の満足と安心

 女性受診者への配慮として、マンモグラフィ検査は女性技師が担当している。希望者は全員、上部消化管X線検査から内視鏡検査へ変更できる体制を整えている。問診は、経年受診者は前年度の結果を見ながら行われ、初回受診者には年齢等からお薦めオプション検査の説明がなされ、当日追加するなど充実した健診が提供されている。
 受付や各部署の業務および対応マニュアルは整備されている。受付マニュアルは作成日と更新日の記載が望まれる。担当者名は受付横に一括で開示されている。内視鏡、CT、MRI、乳腺超音波、婦人科検査は病院で実施するため、動線や待合室が外来患者と一緒になる。受診者に配慮したルートの検討を期待する。
 二日ドック受診者には専用の受付・待合スペースが提供され、落ち着いて受診できるようになっている。また、経年受診者にも考慮して毎年異なったテーマの指導を実施しており、時間的に余裕がある二日ドックの特徴を生かしたサービスが提供されている。
 待合室は1日1回室温を確認しているが、記録がないので、記録の保管が望まれる。禁煙指導も行っており、3ヶ月後の禁煙継続率が65.9%と評価できる。更衣室内に個別の着替えスペースがあるとなおよい。
 プライバシーの確保に関しては、検査は基本的に個室で実施されているが、超音波室と心電図室の間仕切りがカーテンであり、声もれ等に配慮を望む。
 検体検査は病院の検査室で行われ、日常点検と精度管理は適切で、パニック値対応も担当医および判定医に連絡する体制が整えられている。検査機器の管理は、マニュアルが整備され、機器トラブル時の対応も適切である。
 受診者の意見の収集については、二日ドックでは全員にアンケートを実施しているが、一日ドックは任意で、提出率は1%未満と低いのでさらなる工夫を望む。意見は接遇委員会で検討されているが、検討結果を掲示板や広報誌等で受診者に周知することを期待する。前回の本機能評価受審時の指摘事項に対しては、積極的に取り組んでいる。
 セーフティーマネージメントと感染対策については、病院と一体で活動している。インシデント、アクシデント報告がなされている。トイレにナースコールを設置することも検討されたい。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制については、常勤と非常勤の人間ドック認定医、非常勤の人間ドック健診専門医が従事している。医療職の体制は充実しており、管理栄養士や技師も併設病院からの応援体制が取られている。
 職員教育については、法人で教育プログラム・年間教育計画が作成され、階層別、職種別、課題別、専門別と網羅されている。研修不参加者には資料の回覧や科内会議等で周知するなどの仕組みがある。専門的教育としては、事例検討会の他、研修会に参加して、その報告会が行われている。
 検査項目と判定基準は概ね人間ドック学会の基準に準拠しているが、厚生連の日帰りドックは胸部X線が一方向であり、呼吸機能検査と眼底検査が含まれていないため、契約の変更を望む。任意項目の見直しは、毎年法人全体の会議で行っている。検査結果の判定に関しては、画像と心電図は専門的知識を有する医師が判定し、眼底写真は眼科医が判定している。経年受診者は前年までの結果を考慮して判定を変更しており、比較読影もなされている。
 結果報告書は、血液検査等は3年分記載されているが、胸部X線や上部消化管内視鏡などの一部の結果が1年分のみの記載であり、経年的な記載に変更を望む。
 健診当日の医師による結果説明は全受診者に実施されている。オプション検査・眼底検査以外の多項目について15~20分かけて行われており、評価したい。
 保健指導も保健師と看護師が受診者全員に行っており、高く評価できる。栄養指導は病院の管理栄養士が実施している。運動指導は病院の理学療法士が対応できる体制がある。
 受診者後のフォローアップについては、精密検査指示者に当日に紹介状を作成し、併設病院の受診予約も行うなど、受診率向上への積極的な取り組みがなされている。上部消化管X線検査の精検指示率は継続的に検討されたい。追跡検査の体制は、今回の受審を機に整備が図られており、対象者をリストアップして受診勧奨している。経過把握体制も確認できたため、継続的な運用を期待したい。医療連携については、近隣約100の医療機関と連携しており、定期勉強会等を実施している。
 健診の精度や有用性の検討については、精検受診率、発見がん等を年度集計し、人間ドック学会の調査や、近隣JAと病院で組織されている厚生部会、厚生連がん検診研究会にて報告している。今後は学会発表にも期待する。

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