日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

諏訪赤十字病院 健診センター

総合評価

 諏訪赤十字病院・健診センターは、地域基幹病院に併設された健診施設であり、一部のオプション検査と食事の提供場所以外は病院と独立した建物である。平成23年に新棟を建築し、以前の1.5倍の広さを確保している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約4,400人、二日ドックが約1,100人(継続受診率78.8%)、その他の健診が約8,700人である。本機能評価は、平成18年に初回認定を取得し、今回は二度目の更新審査である。
 施設運営の基本的体制については、外部の意見を広く反映した5か年計画と、BSC(バランス・スコァー・カード)活動に基づき、事業計画が作成されている。組織体制は、業務分掌に基づき、事業の達成に向けたものとなっている。財務処理や委託・診材等の管理体制は、規定やマニュアルが整備され運用されている。ユーザーとの関係は適切であり、地元市報や新聞、セミナー活動等により地域広報に取り組んでいる。
 受診者の満足と安心の面では、検査前に保健師等による問診・医師による診察を実施し、で安全な検査が可能か確認を行っている。受診環境は清潔感があり、休息の場が数多く配置され、快適に保たれている。コンシェルジュを配置してスムーズな検査の進行に配慮しており、待ち時間を活用した健康教室と運動教室を開催している。受診者対応のマニュアルも整備されているが、プライバシーの確保については、受付の受診者間の仕切りが無く、採尿カップには受診者名が記されているので、更なる配慮を望む。
 健診の質の面では、受診者数に応じた職員配置であり、職員教育は年間計画に基づく全体教育と、各職種への専門教育が実施されている。併設病院の協力を得て、基本検査・オプション検査を実施し、判定もダブルチェック体制を整えている。健診当日には、医師による結果説明が行われている。専門職による保健指導と栄養指導も実施され評価できる。健診後日の結果についての相談や問い合わせは、マニュアルを整備して対応している。精密検査の指示率は適切で、再検査外来を開設してフォローアップに取り組んでおり、評価できる。健診結果は詳細に分析され、その内容はホームページ上で公開しており、人間ドック学会の発表にも積極的である。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 健診センターの理念と基本方針は病院と同様に作成され、各種媒体を活用して明示され、受診者と職員に周知が図られている。職業倫理については、規則と規定が整備され、イントラネットを活用して運用・管理されており、委員会活動や相談窓口もある。受診者の権利は明文化されている。
 計画的な運営については、広く外部の意見を反映させた5か年計画が作成され、これを基に策定スケジュールに従って年度事業計画が作成されている。BSC(バランス・スコア・カード)活動に基づいて、経営陣とのヒアリングも経て作成されており、健診センターでは計画を受けて目標を設定している。
 組織体制については、併設病院の協力のもと、健診部門の目標を達成するための体制が整えられている。健診センターからも病院の各委員会や会議に参加しており、健診センター内の会議等も定期的に開催されている。
 財務処理は、収納手順書に基づいて実施され、各会議で報告されている。現金での収納の場合は病院収納係まで出向く必要があり、動線が長く外来患者とも交差するので、健診センター内で処理できる体制も検討されると良い。
 情報システム管理は、規程を基に行われ、パスワードによるアクセス制限やサーバー室の入退室管理など、個人情報管理体制が適切に整えられている。業務委託は業者選定手順を基に契約更新時に評価を行い、入札制で選定しており適切である。薬剤と診療材料は、マニュアルに基づき、在庫管理や発注、検収、棚卸等が行われている。
 安全衛生管理については、委員会を設置し、職員の健康管理や防災に取り組んでいる。感染性・産業廃棄物や個人情報関係書類の処理は適切であり、ハザードマーク表示や最終処分の記録を確認した。
 企業・健保との契約は適切で、病院広報誌や市広報誌、地元新聞などを活用して広報にも努めているが、契約先への健診データのフィードバックがなされておらず、取り組みを検討されたい。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、時間差受付や事務コンシェルジェの配置により、快適でスムーズな健診に努めている。事前の受診案内書はわかりやすく適切である。女性への配慮としては、乳がんと子宮がんの検診は毎日実施しており、マンモグラフィは女性技師が対応している。
 受付手順や健診中の質問対応、また健診中の体調不良対応に関しては、マニュアルが整備されており適切である。検査開始前の問診にて、保健師や看護師が検査の注意点を説明している。検査の担当者は、職員名札や診察室・検査室の表示で明確にされている。受診者の既往歴・治療歴・アレルギー歴情報は、検査前に確認され、記録もされている。
 施設は清潔で、快適に健診が受けられるように配慮されている。また、待ち時間を利用して、健康教室や健康運動指導士による運動教室が開催されており評価できる。
 プライバシーの確保に関しては、名前での呼び出しを希望しない受診者には、受付番号で対応している。検査室と指導室は個別に仕切られている。受付は3列で実施されているが、受診者間の仕切りが無いため検討を望む。また、採尿カップは受診者の名前が貼付されているので、回収時に配慮が必要である。検査結果等の個人情報については、複数の個人情報取り扱い規定が整備されており、十分配慮されている。
 検体検査の内部及び外部精度管理は適切である。検査機器の管理は各部門の専門スタッフが対応しており、トラブル発生時の対応マニュアルも整備されている。
 毎年アンケート調査を行い、受診者の要望を把握して業務改善に役立てている。前回の機能評価受審時の指摘事項は改善されており、適切である。
 セーフティーマネージメント体制は適切であり、インシデント・アクシデントが報告され、再発防止策が図られている。受診者急変時の対応マニュアルは整備され、年1回対応訓練が行われている。感染対策の体制は確立しており、検体はマニュアルに沿って適切に取り扱われ、職員への予防接種も行われている。

3.人間ドック健診の質の確保

 職員体制については、人間ドック健診専門医が専任で勤務し、各専門医も従事しており良好である。看護師等の医療職と事務職の体制も整っており、専門資格が取得され、業務が円滑に行われている。
 職員教育は、年間教育計画に従って研修会が開催されており、全職種が学会等に参加できる規定があり、体制は確立している。各職種への専門的な研修も行われている。
 検査項目は適切であるが、検査項目の見直しが契約時と更新時のみであり、定期的な検討が望まれる。検査結果は各専門医により判定されており、適切に管理されている。画像検査は画像診断専門医と人間ドック健診専門医とのダブルチェック体制である。判定基準は学会の判定区分に準拠している。
 健診結果の説明は当日午前11時から開始され、画像結果も説明できる体制は充実している。しかし実施率は一日ドックで63.9%であり、今後さらに多くの受診者への実施を望む。その後、保健師と看護師による保健指導が70.6%の受診者に実施され、二日ドックでは管理栄養士による栄養指導が行われている。ストレスドックを臨床心理士が実施するなど、指導体制は積極的である。
 受診後の対応については、健診結果についての相談や問い合わせにはマニュアルが作成されており、保健師中心に対応する体制である。
 精密検査のフォローアップについては、紹介状の返書をシステム管理し、未返信者には受診勧奨をしており、結果は次回受診時に活用している。精検指示率は適切で、実施率も適切である。生活習慣病の追跡検査の指示者には、健診センターに設置された再検外来(フォローアップ健診)への受診勧奨をすることで、受診率が上昇しており、積極的な取り組みとして評価できる。
 健診の有用性の検討については、健診結果が詳細に分析されて、その内容はホームページに掲載されている。毎年人間ドック学会に演題発表があり、積極的に取り組んでいる。

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