日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

公益財団法人 SBS静岡健康増進センター

総合評価

 SBS静岡健康増進センターは、昭和46年に静岡新聞社とSBS静岡放送を経営母体として設立され、県民の健康増進と健診業務に注力するため平成23年に公益法人化された。その考え方は平成26年に竣工した現施設にも反映され、受診者の利便性や安全性への配慮が行き届いている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約12,000人(継続受診率85.0%)、その他の健診が約9,400人である。本機能評価は平成18年に初回認定を受け、今回が2回目の更新審査となる。
 公益法人化に併せて、規定類はすべて見直されて適切に整備され、事業報告についてもまとめるだけでなく、ホームページや事業所内掲示などで積極的に公表されている。また、健康講座の開催や町会等への出張講座、ラジオ番組での健康講座など対外的な広報活動にも旺盛に取り組まれていることは高く評価できる。
 管理体制は整っており、おおむね適切な運営が行われているが、健診資料の保管や感染性廃棄物の取り扱いについては、検討の余地があり見直されたい。
 受診者の満足と安心の面では、レディースフロアや車イス利用者用の受付と更衣室の設置、婦人科検診の部屋における転倒発生時用のクッション性の高い床マットの設置、MRI検査における金属探知機の導入など、受診者に配慮した積極的な取り組みが数多く見られ、評価出来る。また、施設中央に設けられた中庭や、富士山を見ることのできる2階のリラクゼーションコーナーなど、快適な環境を整えている。
 健診の質の面では、健診活動の充実に向けて職員の教育に取り組み、個々の能力開発にも努めているが、年間教育計画の充実を望む。当日の医師による診察と結果説明には看護職も同席し、十分な時間をかけて全受診者に行われている。その際の指導事項等はすべて最終の結果表に記載されるなど、高く評価できる対応が行われている。今後は、保健指導や栄養・運動指導など専門性の高い個別指導の充実を期待する。受診後のフォローアップ体制については、精密検査の実施率は高く、結果の分析が丁寧に行われている。しかし、追跡検査はそれと比較すると実施率が低く、引き続き取り組みを望む。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 平成23年の公益法人化に併せて、それまでの静岡新聞社の規定から見直しが図られ、現状に即した理念と基本方針、運営規定類が作成された。職業倫理に関する体制も整備されている。受診者の権利は明文化され、実際の対応も行われているが、理念などと同様にホームページにも掲載されるとなお良い。3年間の中期計画に基づき、年度毎の事業計画と予算書が作成され、事業報告もまとめられている。職員だけでなく受診者にも運営状況が公開されており評価できる。
 組織体制は実態に即した形で確立されており、会議体系も整備され、適切に機能している。窓口の収納業務と会計処理は担当者が定められており、会計諸表が毎月作成され、会議において報告と検討が行われている。
 情報管理については、日常業務に当たる担当部署や検討する委員会が定められている。サーバー室や資料室は施錠管理され、入退出記録も残されているが、資料室から持ち出された健診資料関係は、事前準備から結果処理終了までの間、事務室内のオープン書庫で保管されており、管理への十分な配慮を望むと共に施錠についても検討されたい。委託業務は、選定項目に従い数社を評価して委託先を決めており、今後は契約継続時にも評価・確認することを期待する。薬剤や診療材料の管理は、それぞれ棚卸しが行われ、適切な在庫管理の実施と共に内部牽制を意識した受発注のシステムが機能している。
 安全衛生管理については、人員体制の増強により今期から安全衛生委員会が組織されており、職員の健康管理に積極的に取り組んでいる。年2回の防災訓練が実施され、受診者およびスタッフ全員分のヘルメットも常備されており良好である。感染性廃棄物の処理については、適正な表示並びに容器により保管されており、専門業者による最終処分までの記録が保管されている。今回の受審を機に、採血針の廃棄方法も見直されており適切である。
 企業・健保との契約は適切で、データ処理した情報のフィードバックを行っている。また、地域での講演活動など活発な情報発信を行っている。

2.受診者の満足と安心

 土曜日も人間ドックを行っており、事前の受審案内もわかりやすく、受診者の利便性に配慮されている。
 受付は5名で担当し、マニュアルに沿って対応されている。各階のコーディネーターによる検査誘導や、エスコート機能を備えた健診システムの導入によって、待ち時間の短縮に積極的に努めている。待ち時間を利用した運動インストラクターによる運動教室も午前に4回行われている。
 検査の担当者名は部屋の前に掲示され責任者は明確である。アレルギー歴等の注意事項は記録・管理され、検査担当者に周知されている。体調不良時の対応マニュアルが作成され、休養ベッドも確保されている。施設環境は、快適性や安全性の確保のための配慮が随所に見られ、評価できる。敷地内禁煙であり、館内は清掃が行き届いている。
 プライバシーに関しては、名前を呼ばれることを希望しない受診者への対応についてマニュアル化を望む。検査は個室で行われ、受付や採血はパーティションで仕切って行われている。検体は人目につかないよう適切に保管されている。
 検体検査は、内部および外部精度管理が適切に実施されており、検査結果の取り扱いや問い合わせへの対応について規定や仕組みが定められている。検査機器の管理についても業務マニュアルが整備されており、検査の実施や保守管理が適切に行われている。トラブル発生時の対応もマニュアル化されている。
 業務改善については、課題の検討と改善を行う体制が確立しており、前回受審時の指摘事項への積極的な改善が確認できた。受診者からの要望を取り入れるためにアンケートを毎日回収しているが、回収率向上のための方策を検討されたい。
セーフティーマネージメントについては、医療安全管理委員会を中心に、インシデント・アクシデントレポートの運用などがマニュアルに基づいて適切に実施されている。施設内にはAEDや車イス、救急カートが配置されており、今後は全職員対象のBLS研修を年間教育計画に盛り込まれるとより良い。感染対策については、予防策の徹底や予防接種の実施、感染症罹患が疑われる受診者への対応など適切である。

3.人間ドック健診の質の確保

 医療職、事務職とも十分な人数が確保されている。現在、常勤の人間ドック認定医は退職により不在であるが、今年度に常勤医師1名が申請しており平成28年度から資格取得予定である。その他の専門資格は積極的に取得しており、スキルアップに努めている。教育体制については、全職員対象の研修会が年2回開催されるなど、幅広い内容の研修が定期的に行われているが、事前に年間教育計画に内容を盛り込むことを望む。
 検査項目は、日本人間ドック学会が提示する項目が適切に実施されており、任意検査項目は定期的な見直しが行われている。画像判定については、非常勤医師や外部機関とも連携を図って、専門医を含めた二重読影が行われている。要精検指示率は一般的な数値の範囲内で、判定基準は日本人間ドック学会の判定区分に概ね準拠している。健診結果は主に電子データとして保管されている。紙ベースのデータは、資料室から持ち出した記録が残されるとより良い。
 医師による結果説明は、診察時に1人15分ほどかけて、全受診者に対して看護師同席のもと行っている。説明時の医師からの指導内容を記載した「当日結果報告書」を当日に手渡しており、結果説明の体制は評価に値する。しかし、その後の専門職による保健指導は、ほぼ特定保健指導対象者に限られており、今後は保健師や管理栄養士等による経年的な指導が実施されることを望む。
 健診後の対応については、結果の問い合わせ対応や、質問内容を業務改善に繋げる仕組みが確立している。精密検査のフォローアップについては、紹介状の返書が管理され、未返信者への受診勧奨も行われており、実施率は概ね60%以上と取り組みが実績として表れている。生活習慣病の追跡検査は、次回の人間ドック受診時に経過を確認し、そのデータの活用もなされているが、今後はより確実な受診勧奨となるような取り組みに期待したい。
 健診の有用性の検討については、二次検査等の結果を年報やホームページ上で公開し、契約事業所への訪問報告なども積極的に行われている。今後は日本人間ドック学会における積極的な発表を求める。

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