日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

���������������������������������������������������
������������������������������������������������������������������

総合評価

 人間ドックセンター・ウェルネス天神/ウィメンズウェルネス天神は、特定医療法人財団博愛会が運営する人間ドック健診施設である。同じビル内の4Fに男性専用の「ウェルネス天神」、7Fに女性専用の「ウィメンズウェルネス天神」があり、それぞれワンフロアで健診が完結する。
 ビル内にクリニック(生活習慣病・乳がん専門)も併設し、精密検査等のフォローアップ体制も整備されている。福岡市の中心部、天神地区の地下鉄駅から至近で、立地・アクセスともに良好である。
 2施設合計の年間受診者数は、一日ドックが約11,500人(継続受診率86.5%)、その他の健診が約8,700人で、平成18年に初回の認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。
 前回更新時の課題として、健診の質向上に向けた改善の仕組み作りがあげられていたが、今回は改善に向けたPDCAサイクルが強化されており、確実に実行されている。具体的な改善にも多く繋がっており、評価したい。
 施設の運営について特筆すべき点は、「健康経営」の実践に積極的に取り組んでいることである。職員の職場環境や健康管理に様々な配慮がなされており、医療機関では全国初となる「健康格付」の取得や、独自の「健康宣言」も制定されている。予防医療を提供する立場の健診機関として、自ら率先した積極的な取り組みは高く評価したい。なお、感染性廃棄物の処理については、業者による随時回収が行われているが、一時保管場所を含めた廃棄のしくみについては、継続的な検討を望む。
 受診者の満足と安心については、男女両フロアとも落ち着いた雰囲気の内装が施され、ホテルのラウンジを思わせるくつろぎの空間が提供されている。特に女性フロアは全て女性スタッフで対応し、各検査室にアートを配置する等、快適な受診環境が整備されている。
 健診の質については、医師による結果説明が当日全員に対して行われていることは高く評価できる。一方で、保健指導やフォローアップについては、しくみとしては高い水準で整備されているものの、実施率は十分とはいえない部分もある。改善に向けて積極的な取り組みが続けられているので今後に期待したい。
 人間ドック健診専門施設のあるべき姿が、予約から受診、事後フォローまで総じて高い水準でシステム化されている。一方では、業務が画一化しないよう受診者とのコミュニケーションを大切にすることも徹底されている。医師を中心にチームワークも良く、今後も他施設の規範となるよう、さらなる取り組みと努力に期待したい。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針、受診者の権利が明文化されている他、健康経営の理念に基づく「健康宣言」が法人で策定されており、職員に周知されている。また、職種毎に、詳細な「職業倫理指針」があり、健診スタッフの業務基準を具体的に定める取り組みとして評価したい。「中長期事業計画」、「年度事業計画」、「予算書」は、会議等において現場の意見を十分反映して作成され、職員への周知も適切である。「年度事業報告書」では、数値も含めた詳細な分析がなされている。
 組織図は法人とは別に、健診部門単独でも作成され、二つのフロアそれぞれの責任体制も明確である。また、出席義務者が明確になった会議と委員会の体系表があり、議事録も詳細である。健診料金の収受は、マニュアルに基づきダブルチェックで確実に行われており適切である。
 健診システムへのアクセスは、個人別のIDとパスワードが設定され、サーバー室への入室は、専用の電子キーによる入退室制限がなされており、入退出管理簿がある。個人情報保護については、勉強会が毎年開催され、職員教育も徹底されている。委託業務では、選定基準を明記した規定が作成され、委託業務従事者に対する教育内容の報告を求めており適切である。薬剤及び診療材料の在庫管理は、法人全体でSPD管理がなされ、発注検収や棚卸しも適切である。
 安全衛生管理では、健康管理室を設置し、職員の健康診断では特定保健指導やフォローアップまで行われている。年一回のテナントビルが実施する防火訓練に参加している。感染性廃棄物に関しては業者による随時回収が行われているが、バイオハザードマークの貼付された一時保管場所は実質的に事務室内であり継続的な配慮を検討されたい。
 企業と健保に対しては、施設の特徴や要精検率、がん発見率等を掲載した「活動報告書」を毎年作成し、企業健保に配布している。また健康フェアやセミナーを毎年開催して、啓蒙活動が継続して行われている。産業医活動も70件と活発である。ホームページは全面更改の準備が進んでおり、今後に期待できる。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、男女が完全に分かれた2つのフロアで健診が行われている。女性フロアはすべて女性スタッフが対応し、婦人科系の検査も毎日実施されている。アメニティやロッカー室の工夫等、細やかな配慮が各所に見受けられる。
 受付は時間差で行われ、エスコート係が柔軟に案内している。受診者情報を正確に把握して職員で共有する仕組みがあり、検査が円滑に行われる体制が整えられている。健診フロアは男女ともに高級感があり、動線も短くなるようなレイアウトとなっている。チェックリストによる環境点検が毎日行われ、清潔も保たれている。待合室では、健康関連のビデオ放映やタブレット端末の設置など時間対策も適切である。当施設は全国で最も早く敷地内禁煙を実施しており、併設クリニックでの禁煙外来と併せ禁煙対策に積極的である。
 プライバシーに関しては、検査室のほとんどが個室化され、検体は人目につかない対応をしている。電話での問い合わせに対する本人確認は、コールバック等徹底されている。
 検体検査は施設内のブランチラボで実施され、内部及び外部精度管理は適切に行われ、結果については定期的な会議で報告と検討がなされている。
 受診者の意見の把握は、アンケートを中心に行われている。業務改善の取り組みは「質改善委員会」で、集計と検討、改善、評価を行うサイクルが構築されており、前回の機能評価受審時よりも積極的に行われている。
 セーフティーマネージメントについてはマニュアルが整備されており、事故やインシデントは委員会で報告・協議され、看護師がBLS講習を受講して職員に伝達しているが医師は受講しない。感染防止対策では、マニュアルが整備され、インフルエンザとB型肝炎ワクチンの接種を職員の福利厚生として行っている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフの体制は、人間ドック健診専門医をはじめ、専門資格を取得した医療スタッフが適切に配置されている。事務職員もピンクリボンアドバイザーの資格を取得する等、意欲が旺盛である。法人本部の広報部や別棟の予約センターとも連携し、事務作業は効率良く進められている。
 全職員対象の年間教育スケジュールが作成され、外部講師を招いた研修会の実施や社外研修等への参加も積極的で、常に最新の情報を得ようとする姿勢がうかがえる。また、新しく入職した医師にマンツーマン指導を行う等のしくみがあり、医師に対する教育体制も適切である。
 人間ドック学会の基本検査項目を網羅しており、オプション検査も多数設定され、随時見直しが行われている。画像の読影はダブルチェック体制が構築されており、判定基準はドック学会に準拠している。
 当日の医師による結果説明は診察と同時に行われ、10~20分かけて全員に実施されている。保健指導については、実施率が十分とはいえないが、3年後に70%(今年度目標20%)の実施を目標に指導体制を構築中であり、今年度から開始された運動指導と併せて今後の充実に期待したい。
 受診後のフォローアップについては、紹介状の内容や返信状況について、紹介先医療機関に随時問い合わせを行う等の積極的な取り組みも目立つ。また、検査の精度を高めるための陽性的中率の確認も適切に行われており評価できる。特に、悪性疾患に対する精密検査の実施状況の把握は徹底しており、フォローアップも適切で、結果についての学会発表や論文作成も積極的である。追跡検査については、実施率が20%前後と低めであるが、把握率の向上や併設クリニックとの連携強化等、改善に向けた取り組みが進んでいるので今後に期待したい。
 健診の有用性の検討や健診の精度向上に向けては、全国集計と自施設の集計を比較する等の研究が継続的になされており、学会でも多数の発表が行われている。積極的な情報発信は評価できる。

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP