日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

神奈川県厚生農業協同組合連合会 保健福祉センター JA健康管理センターあつぎ

総合評価

 JA健康管理センターあつぎは、神奈川県厚生農業協同組合連合会の保健事業を担う健診単独施設であり、神奈川県内には関連病院の相模原協同病院、伊勢原協同病院がある。車での利用者も多いため駐車場を完備し、近隣駅からは無料送迎バスも運行されている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約17,000人、二日ドックが約60人(継続受診率83.7%)、その他の健診が約6,700人、巡回検診が約57,000人である。本機能評価は平成18年に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。
 運営のための基本的体制は確立されており、各部署ともに業務マニュアルが整備され、業務改善・医療安全等の各委員会が定期的に開催されている。
 建物は4階建てで、1~3階が健診フロア、4階は食堂や事務部門である。受診者の動線はやや長いが、各階のエスコート係がインカム(無線)で連携を図って対応している。検査は基本的には個室や仕切られた空間で行われており、プライバシーにも配慮されている。前回の機能評価受審時の指摘事項でもあるが、問診がパーティションで仕切られたスペースで行われており、声が周囲に聞こえる点は引き続き検討を望む。さらに、受付は3名まで並列で行い検体の提出もあるが、受付カウンターには仕切りがなく改善が望まれる。
 検査項目・判定区分は人間ドック学会に準拠しているが、成績表で心拍数が省略されており今後の検討を望む。検査値や画像所見のパニック値は、健診当日に説明する手順が整っている。循環器や消化器の専門医が在籍していない点は検討を望むが、各領域において臨床経験の長い医師が検査や判定を行っており、検査の質は保たれている。
 健診当日の医師面接の実施率は、一日ドックが81.0%、二日ドックが98.2%と前回受審時より改善しており、今後さらに全員に実施できる体制を望む。保健師と管理栄養士、健康運動指導士が在籍しているが、保健指導の実施率は低率であり、向上に期待したい。結果説明を医師と看護師が組んで実施しており、希望者には保健師によるロコモティブシンドロームテストを実施している点、面接後に資料提供等が行われている点は良好である。
 精密検査・追跡検査のフォローアップ体制は、今回の受審を機に整備され、実施率が向上しており良好である。未受診者への受診勧奨も行われており、継続的な運用と得られた結果の活用を今後も期待したい。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 厚生連の理念、神奈川県厚生連保健福祉センターの基本方針が定められ、ホームページに掲載され、施設内でも個人情報保護や受診者の権利と共に掲示されている。就業規則等の各種運営規定、要領等も整備されている。職業倫理については、厚生連役職員行動規範に記載されており、コンプライアンス委員会で検討され、全職員対象の研修会が年4回開催されている。規定に反する行為は、不祥事対応要領を基に対応されている。事業計画や事業報告、3年間の中期計画は、毎月の実施状況等を基に厚生連の委員会で協議され、農協総会で承認されている。
 組織図は厚生連全体で作成され、健康管理センターの組織体制も明確である。運営に関する会議は、保健福祉センター全体で運用されている。会計処理は的確に管理運営され、毎月、月集計を運営会議で報告している。
 情報システムの管理に関しては、個人情報取扱規程を設けて、農協企画管理部の情報システム課が一元管理している。管理状況は、コンプライアンスプログラムに基づき定期的にチェックし、パスワードも定期的に変更している。また、トラブル対応マニュアルに則り、緊急連絡先を部署ごとに携帯している。委託業務については、選定基準に沿って内容や価格、質を確認した上で契約が結ばれており、定期的に内部監査が実施されている。薬剤と診療材料については、定数を定め、発注・検収は所属長の承認後に担当者が行い、棚卸は年2回行っている。
 安全衛生管理については、安全衛生委員会を開催し、職員の健康診断や防災訓練を実施している。感染性廃棄物はハザードマークを付けて施錠管理し、カルテ等の個人情報書類は台帳により保管年と場所、廃棄状況を管理している。
 企業や健保組合等に対しては、担当者が定期的に訪問し、要望に基づき契約を締結している。保健活動報告書を配布し、健康に関する情報提供を行っている。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、女性受診者の心電図や乳腺超音波、マンモグラフィ検査は女性技師が担当する体制が整っている。婦人科検診も、希望者は女性医師の担当日に予約が可能である。
 受付は来院順に、マニュアルに沿って対応されている。職員は名札を付け、各検査室前には担当者名も掲示されている。既往歴等はシステムに記録されており、前日の職員ミーティングで確認されている。
 健診環境は明るく清潔感があり、室温は記録されて各階のエスコート係が受診者の状況を見て調整している。待合室は原則一人掛けの椅子で、マンモグラフィ検査は女性専用の待合場所が設けられている。女性更衣室のパウダールーム設置等、今後の更なる環境整備にも期待する。食事場所は4階で、富士山を望むことができ、メニューは管理栄養士と委託業者とで定期的に検討・更新されている。宿泊はホテルを使用し、緊急時の対応もマニュアル化されている。
 プライバシーの確保に関しては、呼び出しは原則名前だが、番号を希望する受診者にも対応している。採血や超音波検査等は個室で行われ適切であるが、問診は声漏れへの配慮が必要である。
 検体検査の精度管理状況は適切に把握されている。検査結果(画像検査を含む)のパニック値については、原則当日に説明する手順が整えられており、精密検査が必要な受診者には紹介状を当日作成している。検査機器の管理も適切で、トラブル発生時の対応を含めたマニュアルが作成されている。
 受診者の意見を取り入れる仕組みとしては、意見箱が更衣室に設置されており、年に1回アンケートも実施されている。寄せられた意見はサービス向上委員会で検討されている。業務改善に関しては、前回受審時の指摘事項について改善に取り組んでいるが十分ではなく、引き続きの取り組みが望まれる。
 セーフティーマネージメントに関しては、委員会を設置し、リスクマネージャーを配置し、報告や分析を行い再発防止に努めている。感染対策の体制も確立し、職員へのB型肝炎ワクチン等の接種を行っている。
 

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制については、人間ドック認定医等、十分な医療技術を有する医師4名が診察と結果説明に対応しており整備されている。循環器、消化器、放射線、内視鏡の専門医の資格取得を期待する。看護師等の医療職や事務職は、適切な職員数が配置され、専門資格も取得されている。
 スタッフに対する教育は、厚生連職員教育体系に基づき、接遇やプライバシーなど全職員対象の教育プログラムが確立している。医師や医療職の学会等への参加は、予算化され報告書も作成されている。
 検査項目は、人間ドック学会が提示する基本検査とオプション検査を実施しているが、一部の事業所以外は心拍数ではなく脈波数で通知している。検査項目の見直しは内部会議で対応している。検査結果の判定は、人間ドック学会の判定区分に準じて行われており、画像と心電図、眼底検査の判定は、専門的知識を有する医師による二重読影が実施されている。
 当日の医師による結果説明は、検体検査に加えて心電図や画像検査の結果について、過去のデータを表示しながら行われている。結果説明に看護師が同席し、医師の指導内容に応じてリーフレットを配布し情報提供を行っている。その後、人間ドックアドバイザーの保健師や管理栄養士が必要に応じて保健指導を実施している。しかし、指導の実施数は低調であり、検討を望む。
 受診後のフォローアップについては、結果通知書に各検査の説明を同封して健診結果の活用を促している。受診後の質問や相談への対応マニュアルがあり、問い合わせ用紙を利用している。今回の受審を機に、精密検査・追跡検査の指示者に対するフォローアップ体制が整備され、実施率も向上しており良好である。要精密検査・治療の場合は、紹介状や医療機関受診連絡票を発行して受診勧奨を行っており、便潜血や腹部超音波検査等の検査においても3ヶ月後の文書送付が開始された。また、生活習慣病の追跡検査指示者を管理するためにシステムが整備され、文書等による受診勧奨が行われている。健診当日の結果説明や保健指導で日常生活の注意点や二次検査実施を促すなど、受診者への意識づけも良い取り組みである。関連病院との連携も密であり、今後の継続的な運用を期待する。
 健診の有用性の検討については、更なる質の高い精度管理に向けて、得られた二次検査結果の活用を望む。全国集計調査等の調査研究に参加しており、人間ドック学会等で発表しているが、今後、より積極的な学会活動を期待する。

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